世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

●「立憲民主党」誕生は野党細分化にあらず 次世代政権政党の萌芽

2017年10月08日 | 日記



叩かれても言わねばならないこと。
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●「立憲民主党」誕生は野党細分化にあらず 次世代政権政党の萌芽

 ほんの少し前まで、日本政界は、保守右翼(自公)準保守右翼(希望維新)の闘いの様相だった。どちらに転んでも、全体主義・国家主義が幅を利かせることになりそうだ。共同体を大切にし、寛容な民主国家であることを望む人々にとっては、暗黒の国家像が目に浮かんでいるに違いない。筆者もその一人だが、今回の選挙は、この流れを止めることは相当難しそうな序盤の顔ぶれで、興味もヘッタくれもない選挙になりそうだった。

 ところが、枝野幸男がおっとり刀で馳せ参じ、「立憲民主党」を立ち上げたことで、俄然面白味が出てきた。無論、「立憲民主党」が過半数を制するような展開と云う訳ではない。が、リベラルな政治を指向する穏健な国民に、選択できる政党を提供したことは有意義だ。以下は朝日が「立憲民主党」や多くの無所属候補を生んだ前原の「希望の党」との合流が、野党の細分化を招いてしまったと解説しているが、我が国の政治的方向性を一定の長期スパンで考えた時、この野党の細分化は自然のなりゆき的な面もある。

 今現在、国家レベルで国民の差別化が鮮明に起きており、この勢いはまだまだ継続する状況と考えられる。しかし、現時点は富める者の仲間でありたいと願望している差別化されている弱者が、意外にも相当数おり、富める者や権力者の支持母体になっている。不合理なモノの考え方だが、差別されているのに、差別している側でいたい願望は、歪んでいるが、弱者の中に想像以上に存在する。この層が積極的行動をネット上で展開し、投票行動も前向きなので、自公政権に有利に働いている。

 この傾向は、一定の閾値まで続くのだろうが、その閾値を超えた時、一気にオーバーフローするのではないかと考えることが出来る。現在我が国には“多くの小金持ち国民と貧乏な国家”が対比的に存在している。小金持ちは多数存在するので、総数で国家よりも豊かという面白い現象が見られる。個人で考えると、この小金持ちの大多数の人は、自分を小金持ちだと認識していない。しかし、借金だらけの国家からみると、国民は総数において小金持ちに見えるのである。国家は、今後も、この小金持ちから金をむしり取る政策を考えるに相違ない。大金持ちからむしり取るには、今以上のパワーが政府に必要になるし、票田を失うので消極的だ。

 しかし、既存の小金持ちも、“長生き”という有りがたい、が避けがたい経済的リスクを抱える時代に突入した場合、彼らは小金持ちではなくなり、貧乏人になることは、時代の流れとして充分に想定可能な範囲にいる。そうなると、掛け声通りには成長しない経済政策は国民の顰蹙を一身に浴びることになる。そう云う時代は、それほど遠い時代の話ではなく、すぐそこまで来ていると考えるのが妥当だ。つまり、新自由主義的経済政策は早晩行き詰まり、貧乏人の怒りだけが増幅する。

 現在の安倍自民党や小池希望の党の、新自由主義経済と権威主義は、国民にとって最も関心のある経済問題への対応に苦慮することは目に見えている。竹中平蔵的経済思想は、既に死に絶えているのだが、その上に立脚した経済政策に関わる人々の立場主義で、なんとか生き永らえているのだが、彼らが既得権益の中で生きている限り、政府の経済政策を大転換することは出来ない。しかし、数年以内に、新自由主義経済で権威主義な政党の主張は頓挫する。こなると、政治にとって重要なポイントが、限られた原資を、なにに向かって配分すべきかと云う議論になることは必須だろう。

 つまり、“よらしむべし、知らしむべからず”は、国の国民への再配分が妥当である場合に成り立つわけで、政府の再配分が間違っていると国民が肌で感じた時、パラダイムシフトが起きる。筆者は、このパラダイムシフトは早晩訪れると理解している。この時、今回、枝野幸男が設立した「立憲民主党」の存在価値がクローズアップするものと考えている。枝野は、権威主義的政治から最も離れた立ち位置におり、新自由主義的経済からも遠い位置にいる。この瓢箪から駒のように成立した「立憲民主党」は運命的に誕生した。そして、気がつくと、日本政治のメインストリートに立つ政党になり得る資格を持っているように感じる。

 安倍自民も小池希望も、新自由主義経済で権威主義で、ジャパンハンドラーズの一面に過ぎない米国勢力の傀儡となり、未だ、ありもしない経済成長神話を真顔で主張している。そして、その神話を信じて、大企業、金持ち優遇の再配分に余念がない。異様な金融政策も動員し、経済特区のようなブラックボックスを駆使しても、本来の国家的経済成長を手に入れることはないだろう。前述のように、この再配分に対する概念のレジュームチェンジが、早晩国民は強烈なカウンターパンチを加えるに違いないのだ。その時、受け皿になるのが、立憲の精神に則り、ヂュー・プロセス・オブ・ローの手順で政治を行い、新自由主義に偏らない経済政策と権威に頼らない草の根精神のコンセンサス政治を行う可能性のある、このリベラル的新政党「立憲民主党」の存在意義が高まるものと思われる。

 今回の衆議院選挙で、「希望の党」がどの程度勝てるのか判らないが、野党第一党になる可能性は大きいだろう。しかし、第二野党には「立憲民主党」がなる可能性が大きい。つまりは、奇妙な話だが、民進党時代の、一桁の支持率が、二つに分かれることで二桁の支持率に変った。一見、希望に取られたように見える支持率だが、「希望の党」の主たる候補者、乃至は当選して議会に戻ってくる国会議員は、旧民進党議員が多くなるに違いなるのだから、話は複雑だ。つまり、小池百合子がなんぼのものであっても、旧民進党を多く抱える政党が国会で、安倍自民党に寄り添う決定をすることは相当の困難を伴う。

 仮に、構成する国会議員の意向を無視して、党首風を吹かせて小池百合子が強権を発動すれば、旧民進党議員の大半が離党し、「立憲民主党」への鞍替えするリスクを抱える。そのリスクを考えて、希望独自の新人を多く配したが、当選する候補者は、旧民進党の政治家になる可能性が高い。つまり、小池百合子はニューウェーブの指導者のように見えて、実は、想像以上に権力を使えない権力者になる可能性がある。無謀にも、小池勢力が権力の横暴に出れば、多くの離党者を出して、「立憲民主党」に野党第一党の座を明け渡すことになる。

 永田町的生臭さからも、希望の小池はフリーハンドな強権は持てないし、無謀に使ってしまえば、第二、第三野党になるわけで、安倍自民党の補完勢力になりにくい側面を持っている。仮に、自民党の補完勢力になるには、名実ともに安倍晋三という政治家を放逐してからでないと、自民党の補完は困難と云うことだ。「希望の党」は、排除の論理で候補者を選定したが、その選定した旧民進党議員らによって、今度は党内から監視されるようなもので、かなりの部分で権力の手足を縛られる。

 上述のような永田町的権力闘争とは別に、時代に趨勢が新自由主義経済、権威主義に対抗する世論が高まるであろうことを考慮に入れると、時代は「立憲民主党」に吹くことになるのは、運命的だ。小池が権力を使えば使うほど、自らを締めつけると云う奇妙な権力者が生まれる。まぁ、風を頼りに国政まで牛耳ることは、そう簡単なことではないということだ。また、瓢箪から駒が出るように生まれた「立憲民主党」の存在も、実は、一度政権を失敗した政党の再生産なのかと感慨深い。枝野幸男は、あの菅総理を抱えて、連日連夜睡眠を削ってでも逃げることなく、東日本大震災の対応に奔走した努力は、彼に多くの事を学ばせたに違いない。今後の健闘に期待する。

 ≪民進分裂、立憲民主を生んだ前原氏の誤算 野党細分化へ
 民進党が分裂した。小池百合子・東京都知事率いる新党「希望の党」に合流することで一致して安倍政権を倒す、と訴えた前原誠司・民進代表の思惑が外れた。民進側に「宗旨替え」を迫る小池氏への反発が野党を合流ではなく、細分化の方向に向かわせている。
 枝野新党を誕生させたのは、枝野氏と先月の民進代表選を争ったばかりの前原氏だ。
 党内で「保守対リベラルの対決」と受け止められた代表選は、保守勢力との再編に前向きな前原氏と、再編論に反対姿勢を取る枝野氏という構図だった。とはいえ、すぐに再編を進める意図はなかった。
 目算が狂ったのは、代表就任後の幹事長人事。若手で次世代のリーダー候補と目された山尾志桜里前衆院議員を登用することで党勢回復につなげるねらいが、山尾氏の男性との交際問題を週刊誌に報じられ、断念。その後も離党ドミノが止まらない現状を許した。
 行き詰まり感が漂うなかで安倍晋三首相の衆院解散方針が伝わり、持論の再編を小池氏に託した。衆院解散が迫り、政策のすりあわせや公認問題を詰めないまま小池氏と「合意」。受け入れる側の小池氏に主導権を渡す形となり、「排除の論理」を許す事態を招いた。党内では「前原氏はだまされた」との受け止めが大勢だ。
 小池氏サイドにも不安が広がる。「代表の思いとは違うイメージが広まってしまっている」。小池氏周辺は2日、失速感が強まる現状を嘆いた。
 小池氏は元々、希望の党の前職や新顔らに多数の民進前職らを加え、一気に単独過半数を狙える人数の候補を全選挙区に立てる戦略を描いていたという。一方で、「(民進離党組の)蜘蛛(くも)の糸にしてはならない」との考えから、新党の軸に「寛容な改革保守」をすえ、憲法や安全保障といった国家の根幹をなす政策について、公認予定者の考えを一致させようとした。
 そうしたなかで飛び出した9月29日の「排除」発言は、民進前職らの強い反発に遭っただけでなく、希望の前衆院議員らからも「ここまでやるとは思わなかった。ムチャクチャだ」「この騒ぎで(小池人気に)水を差した。明らかにマイナスだ」と不満の声が漏れる事態を招いた。
 小池氏は1日、「排除」発言について、記者団に「政策による(選別)と言った。言葉の問題だ」と弁明。火消しに動いたが、事態は好転していない。
 一方、小池新党から公認を得られる見通しがなく、枝野新党への参加にも抵抗感がある前衆院議員らは無所属での立候補を余儀なくされる。衆院選後までは民進に残る参院議員も浮足立つ。
 岡田克也・民進元代表は2日の記者会見で「小池さんの発言を聞いていて政策面でかなり違う。(枝野新党も)政策的にぴたっとこない」と述べ、無所属出馬を表明。民進分裂に至った点については「悔いの残る結論」と述べた。
 安住淳・前代表代行も2日に無所属宣言。「本当に政権を取る気なら、我を張らずに調整するのがいい」と述べ、「(前原氏が)枝野氏と折り合えなかったのは残念だ。1議席を争う政権選択選挙はリベラルの力がいる。のみ込む寛容さが必要だ」と苦言を呈した。
 ≫(朝日新聞)


≪ 立憲民主党、第1次公認候補に62人 民進前職は14人
 新党「立憲民主党」(代表・枝野幸男元官房長官)は6日、衆院選の第1次公認として62人の擁立を発表した。うち14人が「希望の党」から排除されるなどした民進党出身の前職。立憲と希望の候補が競合するのは40選挙区に上る見通し。
 国会内で記者会見した枝野代表は「責任の重さを感じている。『政治状況を変えてほしいのに受け止めてくれる政党がない』という声に応えるため、我々の思いを訴えていく」と述べた。希望から公認された民進出身者の選挙区への対立候補擁立は見送った。
 一方、共産党の小池晃書記局長は同日、小選挙区で公認した64人を取り下げ、立憲や社民党、安全保障法制に反対する元民進の無所属との間で候補者の一本化作業を終えたと発表した。

 ■立憲民主党が6日に発表した1次公認候補
 ●前職(14人)  荒井聰(北海道3)▽佐々木隆博(北海道6)▽枝野幸男(埼玉5)▽篠原豪(神奈川1)▽阿部知子(神奈川12)▽落合貴之(東京6)▽長妻昭(東京7)▽初鹿明博(東京16)▽菅直人(東京18)▽西村智奈美(新潟1)▽近藤昭一(愛知3)▽赤松広隆(愛知5)▽辻元清美(大阪10)▽高井崇志(岡山1)
 ●元職(16人)  本多平直(北海道4)▽岡島一正(千葉3)▽生方幸夫(千葉6)▽海江田万里(東京1)▽井戸正枝(東京4)▽手塚仁雄(東京5)▽末松義規(東京19)▽山花郁夫(東京22)▽吉田統彦(愛知1)▽村上史好(大阪6)▽森山浩行(大阪16)▽山本剛正(福岡1)▽山内康一(福岡3)▽矢上雅義(熊本4)▽横光克彦(大分3)▽川内博史(鹿児島1)
 ●新顔(32人)  道下大樹(北海道1)▽池田真紀(北海道5)▽神谷裕(北海道10)▽石川香織(北海道11)▽岡本あき子(宮城1)▽長谷川嘉一(群馬3)▽山川ゆりこ(埼玉3)▽樋口博康(千葉2)▽山田厚史(千葉5)▽石塚さだみち(千葉7)▽宮川伸(千葉13)▽高橋野枝(神奈川2)▽早稲田夕季(神奈川4)▽中谷一馬(神奈川7)▽小林弘幸(山梨2)▽松尾明弘(東京2)▽吉田晴美(東京8)▽鈴木庸介(東京10)▽前田順一郎(東京11)▽北條智彦(東京13)▽高橋斉久(東京24)▽山下容子(東京25)▽青山雅幸(静岡1)▽日吉雄太(静岡7)▽村上賀厚(大阪1)▽尾辻かな子(大阪2)▽長尾秀樹(大阪5)▽松井博史(大阪8)▽姜英紀(大阪13)▽桜井周(兵庫6)▽亀井亜紀子(島根1)▽坂本史子(山口3) 【注】敬称略。かっこ内は小選挙区
 ≫(朝日新聞)

特注:今回の新人候補者に、千葉5区に、経済問題や政治判断において、私淑している元朝日新聞記者の山田厚史氏が立候補しているのは、サプライズだ。山田氏は”まっとうな”政治・経済への見識が高く、当選した場合は党の頭脳として力量を発揮するものと期待する。


≪ 枝野はなぜ立ったのか
 安倍首相による「国難突破解散」からわずか1週間の間に、複数の新党が林立する事態になろうとは、一体誰が予想しただろうか。
 これは二大政党の一極として、一度は政権まで担った最大野党の民進党が自らを解体し、小池新党ならぬ希望の党への合流を決めたことがきっかけだった。党の解体という大きな決断を下した今回の政局の仕掛け人の一人である民進党の前原誠司代表は、10月3日の会見で、すべては自分や希望の党の小池百合子党首が想定した通りに進んでいると豪語した。
 しかし、当初無所属で出馬し、頃合いを見て希望に合流する予定だった民進党幹部の一人であり、前原氏にとっては24年間政治行動を共にしてきた盟友と言っても過言ではない枝野幸男代表代行による新党の立ち上げだけは、恐らく前原氏にとっても小池氏にとっても、想定外の事態だったにちがいない。
 これにより当初想定していた「自民対希望」の1対1の対決構図が崩れた上、リベラル路線を標榜する立憲民主党の登場で、「改革する保守」を謳う希望の党と自民党の違いが有権者から見えにくくなる可能性があるからだ。
 枝野氏は民進党が丸ごと小池新党に飲み込まれることにより、政治の座標軸上でリベラルと呼ばれる陣営が空っぽになってしまうことに危機感を覚えたことが、結党の動機だったと語る。
 小池新党といっても国会議員の大半は民進党からの合流組が占めることになる。ある程度小池氏の意思を尊重しながら、事実上、民進党が希望を乗っ取ってしまうという選択肢もあったかもしれない。しかし、希望の党の政策や理念が明らかになるにつれ、枝野氏は「合流は難しい」と感じるようになっていったという。
 それでも枝野氏には無所属議員として活動を続けるという選択肢もあった。枝野氏自身は「その方が楽だったかもしれない」と本音を漏らす。
 しかし、民主、民進時代を通じて20年以上も積み上げてきた政策や、政権から転落した後の逆風の中、民進党を支えてきた同志や地方議員たちの声を聞いた時、その声に応えるためには自分が立つ以外の選択肢はないことを痛感し、覚悟を決めたと枝野氏は言う。
 民主党、民進党で積み上げてきた理念や政策と、政権からの転落という大きな失敗の経験を糧に、新党を日本の二大政党制の一極を担える勢力に育てていきたいと語る枝野氏と、日本の政治におけるリベラルの役割などについて、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
 ≫(ビデオニュースドットコム:ゲスト枝野幸男)





 

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