世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

●忖度・そんたく・Sontaku 美徳と悪意なき犯罪社会の構成

2017年04月02日 | 日記
日本の近代とは何であったか――問題史的考察 (岩波新書)
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超一極集中社会アメリカの暴走
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●忖度・そんたく・Sontaku 美徳と悪意なき犯罪社会の構成

 “李下に冠”等と云う格言とは縁遠い、「ネトウヨ」の代表格のような男が、国会で、自分の女房の軽率な行いや、権力者の佇まいについて、世間は眉を顰めていると云うのが現状だろう。否、ネトウヨは資質の人間は、屁理屈を理屈だと思い込んでいるフシがある。その代表格である安倍晋三という男に、この辺の事情を説教することは、馬の耳に念仏以上に厄介だ。悪意の一休問答というか、子供の口喧嘩をディベイトだと思い込み、国会で朗々と語るのだから、もう、どうにもならない(笑)。

 「忖度のつけいる隙などあり得ない」と、忖度シャワーを浴びるに良いだけ浴びているご本人が、国会でぬけぬけと語って不思議とも思わないのだから、“何をか況や”だ。「忖度」とは、日本社会では、つけいる隙だらけで、おそらく、日本社会で起きている出来事すべてに、「忖度」が紛れている。籾井と云うNHKの会長がいたが、「政権が右だと言うのに左とは言えない」と云う発言は、馬鹿正直すぎたが、それが忖度日本病の本質を指摘しているのである。

 山本七平の「空気を読む」もしかり、儒教の精神も居残っている、理屈を言えば角が立つ、総論的には流れに身を任せるのが、今の日本社会を覆っていると云うのが事実だ。しかし、この社会的な病に、断固闘いを挑んでも、実際勝つことは皆無に近い。負け犬根性と云うより、冷静沈着に状況を判断すれば、ネトウヨ政権が自壊するまで、身を低く構えるのが賢明と、国民の総意があるのだろう。実は、これも空気の一種なのだ。

 安倍昭恵夫人の行動は、良人晋三の心を「忖度」して動くから、良人にプラスになるであろう行為に勤しむ。それを聞いた、役人等々は、表向き難しいと言いながら、裏で「忖度」を働かせ、事を為す。この流れにおいて、どこにも「忖度」等と云う印は押されていない。「忖度」と云う空気が覆いかぶさっているだけだ。司法である検察や裁判所も、当然、「忖度のニオイ」を感じるので、「忖度案件」として、流れ作業な司法判断をする。原発訴訟、沖縄の一連の訴訟など、この「忖度案件」そのもの、忖度は、法を凌駕するのだ。

 国会における状況も、忖度国会であり、与党連中も、安倍双六が終わるまで、ヌクヌクと居眠りする腹なのだろう。国会とは無関係な第二立法府、閣議において、エイプリルフールのような決定がバンバン決まっていくのだから、口あんぐり、ついつい笑ってはいけない事情なのだが、笑ってしまうような出来事が連続している。パン屋が和菓子屋になるのも気づかいの一種に違いない。いまに、見たことも聞いたこともない明治の遺物が、小学校の教科書を埋め尽くすに違いない。

 現代と隔絶した教科書を子供たちに学ばせ、グローバルだ、欧米的普遍的価値だ、TPPだ!どれ程安倍晋三に忖度しても、馴染まない。21世紀の笑い話だが、今後5年間くらい、この笑い話のような時代は続くのかもしれない。まさに「ブラックユーモア政権」である。まあ、その後から、次の政権が、またぞろ「閣議決定」で、一つ一つ潰す作業に大わらわになるに違いない。中学の武道に柔剣道の採用など悪夢でしかない。

 あまりにも糞のような決定ばかりで、ウンザリだが、まあネトウヨに政権を任せれば、こんなものだろう。日本の政治と云う観点から見れば、野党のふがいなさだが、野党の前に自民党自他の人材不足が致命的だ。安倍晋三の後継が稲田某女史では、幾らなんでも冗談が過ぎる。小池百合子に瞬時に追い抜かれることは、既に決定済みのように思われる。或る意味で、このような政治のダイナミズムも「空気」の一種と云える。おそらく、小池も相当に右巻きなのだが(笑)。

 ただし、右巻きと雖も“教育勅語を学校教育で使うことについて「勅語を我が国の教育の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切である」としたうえで「憲法や教育基本法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」との答弁書を閣議決定しました。”なんて、厚顔無恥な決定はしないだろう。また、ネトウヨ安倍に取って代わる小池としては、反安倍政策に傾注するだろうから、中庸な政策を打つ可能性が高い。前置きが長くなったが、上述の考えを含めて、以下、フィナンシャルタイムのコラムも読んで貰おう。

 FTのコラムを読みながら、どこかピントがずれている感じがした。ネトウヨ晋三は、そもそも、「忖度」の世界に生まれた、「忖度塗れ」な子供なのである。つまり、彼の人生には「忖度」が常につきまとい、「忖度」なき世界を歩いたことがないのだから、「忖度」は彼にとって「空気」そのものかもしれない。ゆえに、「忖度」と云う言葉以上に、それを超越した「よどんだ空気」を吸うことに手慣れたネトウヨ政治家、そう云うことだろう。ただ、安倍も含めて、最近のネトウヨは、余りにも饒舌なのが命取りにも思える(笑)。


≪ [FT]Sontakuがつなぐ日本のスキャンダル
 一見したところ、スキャンダルまみれの幼稚園と、不正に水増しされた東芝の会計不祥事、クビになったニュースキャスター3人とを結びつけるものはほとんどない。だがめったに使われない日本語、「忖度(そんたく)、Sontaku」がすべてを解明し始めている。日常語彙とかけ離れたところから引っ張り出され、突如、表舞台に上がることを押しつけられた言葉だ。
 忖度は、与えられていない命令を先取りし、穏便に従うことを指す。この言葉は日本人に広く使われていないかもしれないが、政府、民間部門でいろいろな形で普及していることは、すべての人が本能的に知っている。忖度の概念は日本特有ではないものの、安倍晋三首相時代の日本を説明するうえで、これほど強力に響く言葉はそう多くない。
 忖度が日常会話に入り込んだタイミングは、政治スキャンダルと重なった。これは安倍氏と首相夫人を個人的に巻き込み、安倍氏のリーダーシップにとって、4年前の首相就任以来最大の長丁場になる脅威となっている。問題の根幹にあるのは、安倍昭恵首相夫人が名誉校長を務めていた学校の国家主義的な民間幼稚園が、評価額の数分の1という安値で国有地を払い下げられた取引だ。スキャンダルを受けて支持率が低下している安倍首相は、自分か夫人を取引と結びつける証拠があれば辞任すると約束し、反撃した。  この発言は、首相が以下を完全に理解していることを示唆する。忖度が働く仕組みと、そして安倍氏自身の明確な権力掌握が――7人の首相が次々誕生した後だけに、なおのこと目を引く――政府、官僚機構の間で忖度をよみがえらせていった点だ。
 忖度論者らは、土地を安く払い下げる命令の証拠が一つでも見つかる可能性は低いと話している。というのも、命令は、首相夫妻が優遇するかもしれない事案について一連の迎合的な臆測としてしか存在しないからだ。
 忖度が突如、新聞の見出しを独占し、推量による統治を通して腐敗した制度を暗示する中、安倍氏自身がこの言葉を使った。幼稚園のスキャンダルがなかなかおさまらない中で、同氏は27日、「忖度の働く余地は全くなかった」と断言している。
 忖度という言葉が一気に広まった今、人々はほかのところでも忖度が働いていることに気づき始めた。  昨年、3つのテレビ局で安倍氏に批判的だったニュースキャスター3人がほぼ同時に突如降板させられた件を分析しているメディアアナリストらは、忖度が原因だとみている。問題の局のジャーナリストらは、テレビ局の経営者は推し量るのがこれほどうまいのだから、何をしろと命令される必要もないと話している。安倍氏が政権を握って以来、厳しくなる制約を強いられたと感じ、腹を立てている多くの日本人ジャーナリストは内々に、「自己検閲」の同義語として忖度という言葉を使っている。

 ■権力の基盤を固めた直接的な結果
 一方、日本の産業界は強い最高経営責任者(CEO)を何百人も生み出しており、その多くもまた忖度を誘うオーラを備えていた。自動車部品大手の曙ブレーキ工業が2015年の利益水増しスキャンダルに関する報告書を発表したとき、そこで財務部門の人間による過剰な斟酌(しんしゃく)を公然と批判していた。
 深刻化する東芝の経営危機の分析も、忖度による説明から遠くないはずだ。13億ドルにのぼる全社的な不適切会計スキャンダルに関する東芝の社内分析は、名指しでこの現象に触れるところまでいかないが、遠回しに「上司の意向」と、その意をくむために実施された策略に言及し、忖度が働いたという紛れもないヒントを残している。
 多くの意味で、忖度は典型的な責任逃れだ――日本人が自己批判する際のリスト項目で、「集団思考」や「反射的服従」と並び、不正行為の言い訳だ。文化に根ざす説明がわき出る泉で個人の責任を薄めている。
 だが、決定的な違いは、忖度には権力の中枢を特定する紛れもない才覚を伴う。幼稚園の問題で実際に忖度が働いたのだとすれば、安倍氏が現在感じている戸惑いは、長年権力からの影響を完全に免れてきたように見える政治環境において、同氏がとてつもなく大きな個人的権力の基盤を固めた直接的な結果として解釈できるのだ。 By Leo Lewis
≫(2017年3月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/
(c) The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.


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