世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●産業や市場の捏造 鵜の目鷹の目、無理やり作る情けなさ

2016年12月14日 | 日記

 

いま世界の哲学者が考えていること
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社


●産業や市場の捏造 鵜の目鷹の目、無理やり作る情けなさ

 相場と云うものは不思議なもので、市場の参加者に夢や幻想を抱かせるだけでも、好況相場を作りだすことが出来る。ここ最近の、トランプ相場も、その傾向が強い相場と云える。現実に、トランプ大統領がホワイトハウスに入る前までは、幻想的相場にいることは可能だ。それにしても、このトランプ相場に引き摺られ、東証も6営業日値上げ、1万9250円をつけた。2万円を前に、今回の騒乱相場の潮時探しに入るものと思われる。

 トランプ大統領の勝利と「反グローバリズム」な流れの中、日本政府や世界のエスタブリッシュメント層による、「反グローバリズム」と云う世界的な潮流に激しく抵抗する根強い動きが現れてきている。ひとつは、グローバリズム経済の構成要素、地域的なフロンティアに変って、産業の統合とか、企業統合(M&A)や未来市場への共同ファンド進出等々、エスタブリッシュメント層による反撃が始まった。ソフトバンクの孫氏の動きやアップルやサウジアラビアの動きは、「反グローバリズム」な世界的潮流に対抗する「超グローバリズム」な動きとみるべきだろう。まだ、どちらが有利不利と云う展開は見えていない。M&Aの動きも攻撃的。

 世界のエスタブリッシュメントな人々の動きは、あきらかに、「反グローバリズム」の勝手はさせない、より堅固なマネーの力を見せつけようと云う哲学がある。無論、個人的には嫌いな考えだが、哲学として、認識可能だ。それに引きかえ、安倍晋三政権の“ゴミ浚い”のような、チマチマ情けない市場の取替えや風が吹けば桶屋が儲かる的発想、挙句は霞が関の利権拡大に大いに貢献するIR法の国会通過。いずれにしても、こういう動きの、最終的答えは、世界経済は成長の限界を自覚した上で、遊び半分で抵抗しているのかもしれない。このような現象は、次の世界が想像できない為に起きている不安の表れなのだろうか?気になった記事を、幾つか掲載しておく。

 ≪ 月末の金曜日は午後3時退社 消費促進を
:停滞する消費を盛り上げようと、買い物などを促す全国的なキャンペーンを検討している政府と経済界は12日、初めての協議会を開き、来年2月から月末の金曜日にキャンペーンを実施し、企業に対して従業員が午後3時をめどに退社できるよう対応を呼びかけるなどの方針を決めました。
:政府と経済界は、停滞する消費を盛り上げようと、月末の金曜日を「プレミアムフライデー」と銘打ち、買い物や旅行を促す全国規模のキャンペーンを検討していて、12日、東京都内で経団連や小売りなどの業界団体の代表が出席して、実施に向けた初めての協議会を開きました。
:協議会では、第1回のキャンペーンを来年2月24日に実施することや、共通のロゴマークを使えるようにすること、そして、キャンペーンの効果を高めるため、企業に対して従業員が午後3時をめどに退社できるよう対応を呼びかけるなどの方針を決めました。
:このうち、従業員を早めに退社させる取り組みについては、経団連が会員の企業に呼びかけ、各社が具体的な対応を検討することにしています。
:協議会は今後、関係する業界団体や地域の商店街などによる取り組みをまとめ、キャンペーンや早めの退社が定着するよう企業などに働きかけることにしています。

■プレミアムフライデー 効果と課題
:政府と経済界が検討している「プレミアムフライデー」の経済効果について、第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは、国内の大手企業や中小企業の従業員が一斉に午後3時に仕事を終えて買い物や旅行、娯楽などの消費をすることを前提に1日当たりおよそ1230億円に上ると試算しています。
:これは、推計で1300億円を超える「ハロウィーン」の市場規模に匹敵する規模となっています。
:一方、企業の間で午後3時の退勤が広がるには課題もあります。
:大手企業の間では、出退勤の時間を柔軟にするフレックス制度や、1日の勤務時間を前半と後半に分けて半日ごとに有給休暇を取得できる制度などがありますが、中小企業では大手ほどこうした制度の導入が進んでいません。
:また、中小企業では人手不足が続いているうえ、月末は商品の納期や、仕事の締め切りが集中し、仕事量がふだんより多くなりがちだといいます。
:経済産業省はまずは、柔軟な働き方ができる勤務制度が整っている大手企業から早めの退社を促す取り組みを始め、金曜日にこうした動きが定着すれば、中小企業や地方の企業にも働きかけていきたいとしています。

■金曜日 社員に早めの退社促す企業も
:すでに金曜日は社員に早めの退社を促しているという企業もあります。
:東京・渋谷区に本社がある東急電鉄は、水曜日と金曜日は毎週「ノー残業デー」に設定し、定時に退社するよう促しています。
:例えば、午前9時半に勤務を始めた社員は午後6時半の退社となります。
:また、社員が勤務する時間を比較的、自由に決められるよう、有給休暇を1日単位ではなく、1時間単位で取得できる制度も導入しています。
:さらにこの会社は、本社の社員であれば誰でも職場として使える「シェアオフィス」を東京都や神奈川県などに30か所つくっていて、退社後の時間を有効に使えるよう仕事が終われば「シェアオフィス」からそのまま帰宅できるようにしています。
:金曜日は、早めに仕事を終えて退社しているという男性社員は、「小さい子どもがいるので金曜日に早く帰れると土曜日に朝から出かけられる。メリハリのある働き方につながっている」と話していました。
:東急電鉄労務厚生部の鈴木誉久統括部長さんは「グループには鉄道や百貨店など多くの事業部門がありそれぞれ働く時間帯が違っているので、一人一人の選択の幅を広げる形で柔軟な働き方を検討していきたい」と話していました。 街の声は賛否両論
:東京の新橋駅前では午後3時をめどに退社できることを歓迎するという声があった一方、実際に早く退社するのは難しいといった意見も聞かれました。
:化学メーカーで働く50代の男性は「フレックス制度なども定着してきているし曜日を決めて取り組むのはとてもよいことだと思う。映画や旅行に行きたい」と話していました。
:また、人材派遣会社で働く30代の男性は「金曜に早く帰れるならとてもうれしいし休日の充実につながる。経済にもよい効果があるのではないか」と話していました。
:一方、映像制作会社で働く20代の女性は「早く退社できれば有意義に時間を使いたいが、将来の不安があるので給料が増えないならお金はあまり使わず貯金にまわしたいと思う」と話していたほか、広告会社で働く20代の男性は「自分の会社では午後3時に仕事を終えるのはかなり難しいと思う。所得を増やすような施策がない中で消費につながるかは疑問だ」と話していました。  ≫(NHK)

≪ 今さらカジノなんてやめておけ
ゲスト:鳥畑与一氏(静岡大学人文社会科学部教授)
番組:マル激トーク・オン・ディマンド 第818回(2016年12月10日)
 日本ではお隣りの韓国の政治やアメリカのトランプ大統領の動向により多くの関心が集まっているようだが、その間も、日本の国会では重要な法案が次々と審議され、成立している。
 12月6日にはカジノの設置を謳うIR法案が衆院を通過し、14日の今国会会期末までに成立する見通しだ。
 しかし、このIR法案は実に多くの問題を抱えている。
 カジノを中核とするIR(統合型リゾート)の設置の推進を謳うこの法案では、日本にも大規模なカジノの導入が想定されている。賭博を禁止している刑法に、例外的な条件を設けようというものだ。
 そもそも今回の法案が想定している大規模なカジノが採算をとるためには、外国人観光客の誘致だけではとても追いつかない。かなりの数の日本人に、カジノでお金を落としてもらう必要がある。
 しかし、実は日本は既にギャンブル大国だ。公式の数値では日本には競馬、競輪などの公営ギャンブルしかないことになっているが、実際はパチンコという立派な20兆円ギャンブル産業を抱える。日本のギャンブルの市場規模は5兆円余りとなっているが、パチンコの売り上げ23兆円を加えると、日本は29兆円のギャンブル市場を抱える世界に冠たるギャンブル大国なのだ。
 その分、日本ではギャンブル依存症も非常に深刻だ。厚労省の調査では人口の4.8%、実に500万人以上がギャンブル依存症の状態にあるという。
 脳の機能にまで異常をきたすギャンブル依存症は立派な疾病だが、日本ではギャンブル依存症に対する理解が進んでいないため、依存症になっても実際に治療を受ける人は少ない。また、実際に患者を適切に診断できる医師の数も非常に限られている。
 500万人のギャンブル依存症を抱え、その対策もまともにできていない日本に、新たに大規模なカジノが導入されたらどうなるか。
 経済効果ももう少し慎重な精査が必要だし、依存症対策もまず新たにカジノを始める前に、既存の依存症患者の対策が先決ではないか。
 カジノ法案に批判的な鳥畑教授とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
*鳥畑 与一 とりはた よいち 静岡大学人文社会科学部教授 1958年石川県生まれ。82年大阪市立大学商学部卒業。89年大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程修了(国際金融論)。2004年より現職。著書に『略奪的金融の暴走―金融版新自由主義がもたらしたもの』、『カジノ幻想』、共著に『徹底批判!! カジノ賭博合法化: 国民を食い物にする「カジノビジネス」の正体』など。  ≫(ビデオニュースドットコム)


≪ アベノミクスよ、どこへ 理論的支柱の「教祖」が変節
 人為的にインフレを起こすリフレーション(reflation)はアベノミクスの主軸政策だ。その提唱者である浜田宏一米エール大名誉教授の変節が最近、リフレ論者たちを失望させ、政府幹部や経済学者たちをあきれさせている。
 リフレ派は、日本銀行が空前の規模のお金を市場に投入する政策で必ずデフレから脱却して景気が良くなる、と主張してきた。浜田氏はその指導者であり、安倍晋三首相がアベノミクスの理論的支柱として内閣官房参与に迎え入れた経済ブレーンだ。
 その当人が突然「QE(量的金融緩和)が効かなくなっている」(「激論マイナス金利政策」日本経済研究センター編)と言い始め、「学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない」(日本経済新聞11月15日付インタビュー)と白旗を掲げたのだから、関係者は驚いたに違いない。教祖が突然「信仰をやめる」と言い出したに等しい。
 現実を見ればリフレ論を掲げ続けるのには無理がある。日銀がいくら市場に資金を投入してもインフレの兆候は見えないからだ。足元の消費者物価は8カ月連続でややマイナス。リフレ派がいくら強弁しようと、政策の誤りは隠しようがない。
 日本銀行でリフレを推進してきた岩田規久男副総裁らも事実上の転向を余儀なくされた。9月の政策決定会合で、お金の量の拡大に必ずしもこだわらない新政策への変更に反対票を投じなかったのだ。
 当人たちは現状をどう総括しているのだろうか。
 浜田氏に取材を申し入れたが、残念ながら回答は得られなかった。
 「リフレ派は終わった」と断じるのは中原伸之氏だ。浜田氏とともにリフレ論を唱え、首相の経済ブレーンを務めてきた元日銀審議委員だ。
 「私はリフレ派というよりリアリスト。インフレ目標にこだわって手を広げるより、名目国内総生産を目標にじっくりやればいい」と語り、日銀に路線修正を求める。
 問題は「リフレ派なき日銀」に変わったとしても、金融政策がきれいさっぱり正常化するわけではないことだ。
 市場にたまったお金の量は平時の3倍の415兆円にもふくらんでしまった。今後の金融のリスクを考えれば、これは放置できない。
 しかもこれが年間80兆円ペースで増え続ける仕組みを、日銀はいまも明確には修正できていないのだ。
 経済危機をしのぐため先進各国は異常な金融緩和にのめり込んだ。その危機が終わり米国はすでに利上げに転じ、正常化に動き出した。欧州も量的緩和の縮小を決めた。
 ひとり日銀だけが出口論の議論さえ「時期尚早」(黒田東彦総裁)と封印し続ける。
 アベノミクスの呪縛にとらわれた日銀が生みだす金融政策の異常。それが、こんどはアベノミクスそのものを漂流させようとしている。  ≫(朝日新聞:編集委員・原真人)

 

グーグルを驚愕させた日本人の知らないニッポン企業 (講談社+α新書)
クリエーター情報なし
講談社

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ●「価値の共有」に酔い痴れる... | トップ | ●植民地丸出し事件 プーチン... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事