世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

「シェール革命」の隠された目的 ロシアの資源世界戦略の封じ込めが・・・

2013年02月04日 | 日記
NHK さかのぼり日本史 外交篇 [5]江戸 外交としての“鎖国
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「シェール革命」の隠された目的 ロシアの資源世界戦略の封じ込めが・・・

 昨年10月NHKのクローズアップ現代で、アメリカの「シェール革命」が、世界のオイル勢力図を塗り替える一大発見のような報道がなされた。そりゃアメリカの大統領が就任後常に口にしていた「グリーンニューディール」を一切口にしない程のインパクトのある「シェール革命」なのだから、NHKが勘違いしていたと揶揄する事は出来ない。しかし、此処に来て「革命」が空騒ぎになるような報道が散見するようになってきた。

 クローズアップ現代は≪アメリカで生産が急増する新しい地下資源、シェールオイルとガス。従来の化石燃料をしのぐ埋蔵量を持つエネルギー源の登場で、世界が大きく変わろうとしている。この新しい資源は、地下の固い岩盤(=シェール層)に含まれ、利用は困難とされてきたが、技術革新が採掘を可能にした。莫大な埋蔵量を誇るアメリカは、いち早く実用化に成功し経済効果に湧いている。さらに、石油の中東依存からの脱却も可能となり、今後、世界のパワーバランスは激変すると見られている。日本では、秋田にあるシェール層で実用化実験がスタート。将来の利権を狙う商社やメーカーも技術開発に次々と参入し、しのぎを削る。未来を大きく変える可能性を秘める「シェール革命」、その最前線の攻防を追う。≫(NHK)と云う報道内容だった。

 NYT紙は何度となく、このオバマが宣言する「シェール革命」に疑問符をつけている。NHKの解説委員・石川一洋などは「シェール革命」にベタ惚れで、ロシアの資源外交が頓挫する、と嬉しそうに長々と解説を加えていた。ロシアのプーチン大統領が、一度失った米ソ二大権力構造を、原油・ガスなど資源エネルギーを武器に、再度構築する野心を持っている、と云う点迄は彼の解説に問題はなかった。ロシアがパイプラインを通じて、EU諸国のエネルギー事情に深く関与しているのは有名な話だ。しかし、あまりにもロシア国営のガスプロムにエネルギー戦略をEUが握られる事は、NATOの安全保障に大きな影を落とすのは当然だ。

 今回の北米におけるアメリカのシェール革命は、世界のガス市場を、ロシア(EU)とカタール(アジア・北米)で、市場の棲み分けをしていたのだが、シェール革命によって北米市場を追い出されたカタールが、EUの市場に参入してきたという経緯がある。石川氏は、あくまで米国の「シェール革命」が本物と云う前提で、すべてを語っているのだが、その根っ子の「シェール革命」が本物か偽物かと云う議論が巻き起こっていると云うのだから大変に興味深い。つまり、「シェール革命」により、ロシアの世界戦略が狂いだしたと云うことなのだ。ロシアのプーチンの世界戦略の是非は別にして、この問題はエネルギー問題である以上に、安全保障上の問題として考えた方が全貌を観察することが出来るのかもしれない。

 仮に北米における「シェール革命」がなかったら、ロシアのエネルギー世界戦略は着実に前進する可能性は大いにあった。ロシア国営企業ガスプロムがEU、東アジアのエネルギー安全保障のイニシアチブを取る可能性は大いにあった。また、北米大陸もロシアにとってアラスカ州は目と鼻の先であり、ガス輸出市場として地勢的には許容の範囲にある。米ソ二大大国の再現を夢見るプーチン大統領にとって、オイルガスの資源供給は、まさに世界戦略だったわけで、今でも、その流れを引き継ぐ戦略は継続中である。

 そういう意味で、アメリカの「シェール革命」はロシアの世界戦略を封じ込める意味合いでも注目に値する。逆に見るならば、「グリーンニューディール」(地球温暖化、世界金融危機、石油資源枯渇に対する一連の政策提言)しか発言しなかったオバマに、突然「シェール革命」が齎され、「米国発のシェールガス革命は世界を席巻する。今後のエネルギーの覇権については、米国は勝ったも同然だ。とんでもないことになる」等と大胆発言に徹しているのだが、どうも奇妙だ。少々アメリカの大統領としては軽薄な発言ではないのだろうか。何やら、デブッチョ白人が強がりを言っているティー・パーティー風である。

 この奇妙で、都合が好く、タイミングの好い話を、眉つばで分析しようとするのはジャーナリズム精神から行けば、当然の疑問である。それをNYT紙が大きな疑念として取り上げているわけだ。実際には採掘費用がかさみ、単なるバブリーな話なのではないかと云うことだ。当然のことだが、このシェールガス採掘の技術革新により、ウォール街から多額の投資資金が流れ込んだ。推定埋蔵量にバラツキが目立ち、未だ技術的に採算点まで達していないのではないかと云う疑問が呈されている。或いは、エンロン事件ではないが、詐術を弄する投資話なのではないかと云う疑念である。NYT紙が反オバマキャンペーンとして考えた話かもしれないが、ロシアの世界戦略まで考えが及ぶと、幾分聞く耳を持たざるを得ない。

 「シェール革命」がまったくの嘘っぱちだとは思わないが、政治経済安全保障上、意図的に針小棒大に評価している可能性は捨てきれない。本当に「シェール革命」が世界のオイル資源地図を変えるものであれば、もう少し原油価格に大きな変動が起きても良いわけだが、そのような傾向は見られない。日本の東京ガスや住友商事、三菱商事、三井物産などが米国からの輸入を目指して走り出しているが、NYT紙の記事やロシア戦略との関係などを考えると、ダボハゼのように俄かに食いついていいものかどうか判断がつかない。また、ガスの液化工程や太平洋を渡る運送コストを考えると、ロシアからの輸入の方が断然有利にも思える。仮に「シェール革命」が正真正銘ホンモノであったとしても、結果的にロシアのLPGも価格が下がるわけで、最終的には安定供給の優劣になるのかもしれない。

 ただ、最近の世界経済の緩やかな回復と云うマーケット事情は、アベノミクスによる日本株の上昇も怪しいのだが、オバマのシェール革命を含む、アメリカの常に右肩上がりのダウの上昇も奇妙である。リーマンショック時のダウは6000ドルだったのに、今では14000ドルなのだから、かなり奇妙だ。リーマンショック以降、2倍以上に株価を押し上げる程、アメリカ経済が好調だと云う統計数値は出ていないのだから。なんだか、どこかで一般人は騙されているような按配なのだが、真実はどうなのだろう。


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1 コメント

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katussia (tmomi)
2014-10-16 23:32:35
有用な情報感謝

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