世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

“原発神話”がバレタから、今度は“電力ナイナイ神話”に変えました 

2011年06月27日 | 日記


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“原発神話”がバレタから、今度は“電力ナイナイ神話”に変えました 


 マスメディアやネットポータルサイトが最近は盛んに“節電キャンペーン”に血道をあげている。これも、原子力発電が東京電力の総発電の30%のシェアを占めていると云う統計が根底のあるのだろうが、これだけ嘘をつき捲る企業体質なのだから、端から信じるわけにはいかないのは、正常な判断力がある人間なら当然だ。

実際問題、東京電力は「デンキ予報」なるものを7月から公表し、節電への理解を得ようと、あの手この手を繰り出している。しかし、現実問題、東京電力が基準値として広報する「本日ピーク時供給力」が原発の放射能許容量同様の曖昧さで作られた「基準値」が元になっているのだから、もう残りが9%しかないとか、後5%だと騒ぎだすことも、何処かこっけいな話だと思う。

あれだけ、隠ぺいや捏造、隠ぺい企業体質を見せられたにも関わらず、その東京電力が発表する「本日ピーク時供給力」を信じて、家庭や企業が右往左往すると云うのは、甚だ滑稽な姿にさえ見えてくる。東電は、需要が我々が供給する電力量をオーバーした時は、悪いけど計画停電するからね、と脅しているわけである。時には、無暗に使うから停電したじゃありませんか、と免責を求めていることになる。

マスメディアの本来の仕事から行けば、先ずは基準値となる、「本日ピーク時供給力」か、これを検証するのがジャーナリズムである。また、経産省も「本日ピーク時供給力」に行政として明確に責任を持ってお墨つきを出すべきであり、東電の言いなりが基準値と云うのは、全く理解に苦しむ。

記憶では昨年の大猛暑において、夏場の東電管内の電力供給量は6000万kwだった筈である。明日の電力供給量は4880万kwだという。原発依存が30%と云う理屈から押していくと、原発依存を除いた電力供給量4200万kw、それを4888万kwにまで、最大の努力をして引き上げている、と言いたいのだろう。 しかし、それは嘘だ、大嘘だ。

火力を殆ど稼働させていない、稼働可能になっているがカウントしないで「本日ピーク時供給力」をシャアシャアと基準値化させる厚顔無恥なのである。現在既に休止中の火力・水力が加わることで5480万kwまでは見えている。この情報は確信に近い。これに稼働していない揚水発電を稼働させれば400万kw上積みされるので、5900万kwの電力供給力は確保される。 つまり、昨年の大と名がつくような猛暑における5918万kwに近い電力供給は充分東電の視野に入っている。

これに、大企業が中心となりガスタービン発電なども併用して行けば、約6300万kwの電力供給は充分に可能なのである。再生可能エネルギーを立ち上げる、立ち上げない、そのような発想以前に、電力の供給力は約6300万kwの電力供給力は既に存在する。どんな屁理屈を東電が語っていも、過去の数値と現状の稼働可能設備の総計が出ているのだから、何をかいわんやなのだ。

それでも“電力ナイナイ神話”を振りかざすのは何故なのか?当然疑念はその方向に向けられる。殆どの地域独占電力各社は総発電量の30%を原発に頼っていると云う“統計”の嘘を国民に知られたくないと云う点で一致している。単に、火力水力から原発にシフトさせていただけのことである。この30%原発依存統計は嘘の統計ではないのだろうが、発電が可能な火力・水力・揚水発電の能力を停止させて得たデーターである。

CO2排出を抑えるためと言い訳するだろうが、今は緊急時であり、地球温暖化とCO2の曖昧因果関係の為に、国民の生命財産を危機に追い込むことは国益にそぐわない。 多くの学者や識者が指摘するように、東京電力管内の総発電量は東電が必至になれば6300万kwを確保する事は可能だ。ただ、東電が現在の電力供給量****万kwと公表している基準値は、あくまで東京電力の運営上の都合で出力を抑えているわけで、残り9%しかなかったとかメディアが騒ぐのは、完璧な脅しの道具だ。

東電が出力を調整しておいて、残りが*%だなどと騒いでも意味はない。 再エネ法が通過したからといって、一瞬にして自然エネルギーが日本中の発電に寄与すると云うのも幻想だが、東京電力の“電力ナイナイ神話”も統計の嘘である。東京電力は国民に電気を充分に供給する義務を負っている、ゆえに地域独占を許しているのだから、休止中の火力・水力・揚水発電を100%稼働させ、尚且つ三菱重工・GMからガスタービンを購入し、その補充に当たるのは絶対的責務だ。放射能で日本中を恐怖に陥れた挙句に開き直り、“電力ナイナイ神話”を振りかざすなど、万死に値する。

世田谷区長の保坂展人氏が節電に協力する為に東電に対し、「電力使用量の地域別のリアルタイム開示」を強く要求しているのに、変電所ごとのリアルタイム開示を拒んでいる。実はこのようなデータを開示すると、類推的に東電の“電力ナイナイ神話”のカラクリがバレバレになる恐れがあるからだろう。誠に徹底的に性根の腐った企業体である。最終的には原発推進勢力全体の性根の腐り具合が、東京電力をウォッチすることで象徴的に観察できる。たいした安全確認がされたと云う検証もされずに、休止中の原発の速やかな稼働を主張する菅首相、海江田大臣の姿がオリジナル民主党の利益相反、自己矛盾の体現であり、原発推進護送船団の飽くなき権益死守の姿をみる思いだ。


官愚の国
高橋 洋一
祥伝社


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