世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

日経BPが高橋洋一を登用、読売・朝日の件、マスメディアと国家権力の地殻変動

2012年03月21日 | 日記

 

日本経済の真相
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日経BPが高橋洋一を登用、読売・朝日の件、マスメディアと国家権力の地殻変動


 東京新聞の長谷川幸洋氏がツイッターで、≪日経ビジネスがよく高橋さんを使ったなあ。びっくりして、たまたま起きた深夜に思わず読んでしまった。 RT @YoichiTakahashi: 高橋洋一氏が反論!「その消費増税論議、ちょっといいですか」 http://nkbp.jp/GCHS3A ≫とつぶやいた。

 早速筆者も財政を最も知る男・高橋洋一氏の日経BP掲載のコラムを読んだ。その多くが正論であり、財務省の消費増税に関する屁理屈など、看破している。藤井・野田・岡田・安住などの財務教信者は、邪教を信じたと云う事が良く理解できる。筆者は高橋洋一教授の信者なので尚更だ。小泉に尽くし、裏切られ、竹中に良いようにこき使われた、軽率なくらい純朴な男。奇妙な罠に嵌り、万引き紛いの嫌疑を掛けられたが、明らかに闇の警察のトラップである。おそらく、何処かの時点で、小泉竹中らとの齟齬を生んだに過ぎないのだろう。

 しかし、日経関連が高橋洋一を登用した意味は大きい。仮に小沢政権が樹立した時には、高橋氏や植草氏を堂々と頭脳として登用する道が開ける。実は、まだ筆者は触れていないが、読売新聞・巨人軍にまつわる朝日新聞とのバトルに関して、深く興味を持っている。大雑把な感覚だが、日本のマスメディアを支配し続けた米国CIAの流れをくむ読売新聞・ナベツネに反旗を翻す動きが出てきたことは、日本の根幹において、何らかの異変が静かに起きている、所謂地殻変動が起きている兆候と見ている。時間がないので、高橋洋一氏のコラムを掲載しておくので、じっくりお読みください。

 掲載しながら、ザザッと読んだが、高橋氏の持論が展開しているが、財務省にバランスシートを持ちこんだ、本物の経済財政学者、財務を仕切る東大法学部の連中とは財務への知識力が違う。霞が関が東大法学部偏重の咎めを見る思いだ。どうも高橋氏と小沢一郎の接点は確認できないが、多くの部分で小沢一郎の財政論に近似していると気づくのは筆者だけだろうか?

≪ 高橋洋一氏が反論!「その消費増税論議、ちょっといいですか」 番外編
 日銀の金融政策で財政再建と円安誘導は簡単にできる
 2月に日経ビジネスオンラインが連載した「今さら聞けない消費増税」に対し、嘉悦大学教授で元財務官僚の高橋洋一氏がツイッター上で「ミスリーディング だ」と指摘してきた。
 とりわけ高橋氏が反論するのは第2回「日銀がもっとお金を刷って経済成長すれば、増税は不要では?」の中にある国債の日銀引き受けに関するくだりだ。
 連載で森信茂樹氏は「お金を刷れば経済は成長する」という主張に対して、「日銀引き受けは財政法で禁じられている」「流通市場でするのと発行市場でするのは違う」「日銀引き受けは通貨の信認を損なう愚考」などと否定していた。
 それに対し、「自分は(旧大蔵省理財局や官邸で働いていたとき)毎年やっていた」「但し書きがあり、国会の議決を得た範囲ではできる」などと激しく反論する。高橋氏は、徴収漏れ対策や公務員改革などについても、「増税の前に出来ることがたくさんある」「増税しなくても財政再建が出来る」「国家公務員改革は、増税しなくてもやる必要がある」と主張する。  そこで政策実務の経験が豊富な高橋氏に、改めて日銀の金融政策や消費増税に対する考え方を聞いてみた。

――日経ビジネスオンラインで2月に連載した「今さら聞けない消費増税」で、高橋さんは2回目の日銀がもっとお金を刷って経済成長すれば増税は不要では? に対して、国債の日銀引き受けを「禁じ手だ」とする説明を「ミスリーディングだね」とツイートしていましたね。どの辺がミスリーディングなのでしょうか。

高橋:というのは、私は自分が毎年やっていたからね。禁じ手と言うけれど、小泉政権の時の2005年、円安にするのに一番簡単なのが日銀引き受けだったので、(官邸にいた)私が“がばちょん”とやったのです。  (「既発債の買い入れというのは、日銀の金融調節の一環として流通市場でしているもので、発行市場で買い入れするのとは意味が全く違います」という)国債の発行市場、流通市場を区別する説明も観念的だね。私は大蔵省(現財務省)の国債課で担当官をしたこともありますが、国債を発行するためだけの発行市場なんて特別にない。実際にはすべてが流通市場で、たまたま売るモノが新発モノなら教科書の中で発行市場と呼んでいるだけですよ。

――日銀引き受けは、財政法の明文で禁止されているとのことですが。

高橋:そうだけれ ど、但し書きがあり、国会の議決を得た範囲ではできるのです。僕は理財局にいたとき毎年日銀引き受けを実施したし、官邸にいた時もやりました。2005年に23兆円分を引き受けた記録は誰も超えていません。だから2005年前後は日銀のマネー発行量が多い。増税なしで税収を増やすために、お金を刷ったから です。もちろんハイパーインフレになどならず、少し円安になっただけでした。

――たくさんお金を刷っても、ハイパーインフレにはならないのですか?

高橋:程度問題だ けれど、多少のインフレになるくらいですね。今はデフレでしょう。物価上昇率が5%以内のインフレぐらいにはなるかもしれません。そもそもハイパーインフレと言っている人は、ハイパーインフレって定義、知っているんですかね? 

■お金を刷ることと名目成長率の間には相関関係がある

――物価上昇率が20~30%ぐらいのことですか。

高橋:国際会計基準では3年累積で100%、年率30%くらいという話だけど、まあいいでしょう。年率20%のインフレにしようと思ったら200~300兆円刷ればいいでしょう。通常ハイパーインフレというのは、130倍ぐらいのインフレのことを言います。130倍にさせるなら1京円刷るという話になっちゃうよ。
 お金を刷ることと、名目成長率が高くなることとの間には、相関関係があるのです。10年間に大体10%ずつ毎年お金を増やすと、その間の名目成長率は 10年間平均で6%ぐらいになる。2000年代、お金が「じゃぶじゃぶだった」と良く言うでしょう。あれは数字の裏づけがない。「じゃぶじゃぶ」って言う けれど、どうしてじゃぶじゃぶと言えるのでしょうかね。

――ある経済学者の方はデータと共に、「2005年にたくさんマネーを刷ったけれど、デフレは止まらなかった」とおっしゃっていました。

高橋:それは、日本だけに限った過去との比較データでしょう。私が、お金を10%程度刷ったら6%のインフレになると言ったのは世界での話です。私は世界各国のマネーサプライなどの増減率と経済成長率の10年間平均も調べています。すると2000年代にお金を刷り、成長している国がたくさんある。一方、世界広しといえど、一番お金を刷らず、成長していないビリが日本です。私が「じゃぶじゃぶ」と言う根拠がないと言うのは、そのためです。
 2005年に23兆円分の国債を日銀引き受けした時にされた批判は、円安による景気回復で、(輸出産業依存の)外需主導だというものでした。でも法人税収は上がった。この2005年をどう評価するかです。当時はバブルで、民主党が円安バブルでけしからんと言ったけれど、増税せずに財政再建できたのも事実 です。
 マクロ経済の観点からも、消費税増税をしなくても財政再建ができます。小泉政権から安倍政権までの間にプライマリー収支がマイナス28兆円からマイナス 6兆円まで改善したけれど、その間に1回もまともな増税をしてないでしょう。今の民主党政府には不都合な事実でしょうけれどね。
 円安にすると、輸出企業の業績が伸びて法人税収が上がる。輸入企業は少し不利になるけれど、GDP(国内総生産)は増える。どの程度円安にしたらどの程度GDPが増えるかもある程度分かりますよ。為替レートととても関係があるし、為替レートと税収も関係がある。

――税収にも関係があるのですか。

高橋:ありますよ。為替レートを安くすると輸出企業の収益が改善して税収が上がるということです。円安にするかしないかは、為替介入次第だと言う人が多いのだけれど、実は関係ない。

■円安にするなんてすぐに出来る
 2月14日に日銀が金融緩和と「インフレ1%メド」を掲げた後の為替の動きを見れば、円安になんてすぐに出来るのが分かったでしょう。為替レートは、 ベースマネーにおける米ドルの量と日本の円の量で決まるだけです。円の量を増やすと、円がドルの量より相対的に多くなって円安になる。日本の円を分母、米ドルの総量を分子にして割り算すると大体為替が分かる。ソロスチャートとも、マネタリーアプローチとも呼ばれている。簡単に計算できるように丸めた数字で言えば、中央銀行の資金供給量を比較すると、日本が今大体140兆円ぐらいで米国が2兆ドルぐらい。でこぼこがあるけど、大体140兆円と2兆ドルで割り算すると70円。
 1ドルを100円程度にしたかったら140兆円のマネタリーベースを200兆円に増やせばいい。マネタリーベースの定義は日銀券+当座預金です。当座預金を入れないで計算する人もいますが。米ドルでも定義は同じです。これで半年から1年の間に、7割程度の確率で100円になる。この間の日銀の10兆円の資金供給枠も、2兆ドルで割り算すれば5円ぐらい動くでしょう。これを知らないで政権運営してはいけないぐらいの話だと思いますけれど、今の政権の人は知 らないのでしょう。

――日銀がお金を刷れば、経済は成長するのでしょうか?

高橋:その通りですよ。人間はおカネが好きでしょう。おカネ見せられたらよく働きますよ。よく識者の人たちが引き合いにするスウェーデンや英米と日本の違いは、社会保障制度だけでなくマクロ政策をきっちり実行している点です。国債引き受けにしろ、ほどよく実施すればいいのです。そんなに心配なら日銀法を改正してインフレ目標を作るべきです。

――森信さんは連載2回目で、(経済成長すれば増税はいらないとの主張は)「マネーを供給しても金融機関は企業にお金を貸さない、企業も収益の上がる事業をなかなか見つけられないという状況に目をつむっている」とおっしゃってましたが。

高橋:円安なら GDPが増えるとさきほど言いましたね。少し理論的な話ですが、お金を刷ると半年ぐらいの間に予想インフレ率が上がる。その間、日銀がしっかり運営していれば、名目金利は一定で推移します。すると「名目金利-予想インフレ率」、つまり実質金利が下がるでしょう。実質金利が下がると半年から1年ぐらいの間に 企業は設備投資を増やします。最初はお金が余っているから、ほとんどの企業は内部留保で済ませるでしょう。内部留保がなくなってきて初めて銀行借り入れが増えるのですが、これが2~3年の間に起こります。過去の例で見ても銀行貸し出しは一番最後、景気が上向き出してから伸びてくる。これは政策の効果ラグといって、きちんとした計量分析で分かっています。

■バーナンキ議長はお金をガシャーンと刷った
 FRB(米連邦準備理事会)のバーナンキ議長はそれを分かっているから、リーマン危機の時にお金をガシャーンと刷った。私はその時3年ぐらいで景気回復すると主張したけれど、実際に回復しました。こんな話は論争の対象でなく既に結果が出ていることです。日銀を擁護してきた人も、最近は黙るしかないん じゃないですか。

――金融政策をきちんとすれば財政再建のための増税は必要がないということですか。

高橋:消費税をどう捉えるかという話になりますけれど、財政再建のために必要ですかと聞かれたら、もうちょっと違う手がありますと答えますね。未来永劫、消費税増税は必要 ないのでしょうかと聞かれたら、それは為政者によるとしか言いようがないけれど。国民負担率を(増税の)理由に挙げる人がいるけれど、それは政府の規模を どの程度と考えるか次第だから、最後は国民の選択で決めることでしょう。
 そもそも消費税は、普通の国では地方の一般財源です。だから分権化した後、地方の行政サービスを向上させるために地方の消費税率を上げますという話なら分かる。消費税を国の税金として社会保障に使おうとしているのがおかしい。社会保障の年金はほとんど国の業務ですが、消費税が国の税金なのか、地方の税金なのか一切議論をしないで話をしている。
 このことを議論すると、社会保障目的税化が崩れてしまうでしょう。だから社会保障目的税化を前提とした議論しかなく、社会保障目的税化は消費税を国税として固定する前提でいる。そこが崩れてしまったら初めから議論が違うという話になるから、そこは財務省が主導する政府は絶対に触れない。

――社会保障目的税化って、そもそもできるんですか。

高橋:特別会計を使えばできる。でもそんな国は先進国の中にはありません。消費税は地方の一般財源が普通ですし、国の規模が小さくなると国も地方もないので消費税は国の「一般財源」になるのが普通です。日本では「社会保障目的税化」などという、どこの国にもない話をしている。
 社会保障と税の一体改革でも社会保障に何も中身がない。民主党がやるなら、最低保障年金と後期高齢者医療制度の廃止に代わるものがないと社会保障改革にならない。今の一体改革はスタート時点で官の共済年金と民の厚生年金の一元化やパートタイム労働者への年金拡大が入っていたけれど、この2つはマイナーだから、これらがあっても社会保障改革とは掲げられませんよ。社会保障と税の一体改革大綱と言うけれど、あれは消費税大綱ですよ。
 どうして増税したいのかは、歳出規模を見るとすぐに分かります。自民党の時の歳出規模は大体83兆円でほぼ一定です。麻生政権の時だけリーマンショック で100兆円でした。民主党政権は予算を3回作って平均が大体94兆円。10兆円程度増えていますね。理由は簡単で、予算組み替えが出来なかったからで す。自公政権の政策の上に自分の政策をまるまる乗せたからこうなった。増えた分だけを消費税増税でやろうと言っているのですよ。金額的に、ちょうどぴったんこでしょう。

■シーリングを決めず予算組み替えできる体制でなかった
 予算の中身を見てもそう。予算組み替えをすれば総額は一緒のはず。民主党政権になった直後の予算編成で、シーリングを決めずに、予算組み替えをできる体 制になっていなかった。組み替えをやるとマニフェストに書いてあるんだけどな。例えば子ども手当を新規要求するとなれば、子ども手当の関連予算を全部外さなければいけないのに、特殊法人経由の子ども手当関連の支出を残し、一方で直接給付で子ども手当を支給するから、二重の支出になった。

――特殊法人経由の子ども手当関連の支出というのは、何のことですか。

高橋:自公政権時代は大体、特殊法人、独立行政法人経由ですが、そうした法人の事業目的には児童・子供関連のものが多い。そこからも全部削らなきゃだめなんです。子ども手 当の額が大きいのでそれでも足りないから、大人関連のものも少し削る必要がある。子ども向けという、最終的に及ぼす効果が同じなら、お金を国民に直接与えるのか間接的に与えるのかの違いだけだから、直接与える時は、所管する省庁も関係なく、間接的に与えるものは全部削らなければ。それをしないから、ぽーんと10兆円以上膨らんだ。それで困って、消費税増税を目指しているわけです。

――増税する前に公務員・議員をリストラするべきではないか、という意見については、高橋さんは公務員改革が持論ですから賛成でしょうか?

高橋:公務員改革は、増税しようがしまいがする必要がありますよ。増税論議の中で議論されるなんてバカバカしい。歳出カットの文脈とは全く違う。私が以前から言っているの は、公務員の年金・住宅・給与・天下り。この4点セットを改革すればいい。
 給与では、人事院は大企業、それもトップクラスを比較対象にしています。一方、国税庁も、民間企業で同じような法人調査をしていますが、両者のデータは年収ベースで100万円以上も開きがある。これはおかしい。大企業に合わせるのではなく、統計上の中位数(一番多い層)に合わせるべきだと思う。  また共済年金も、厚生年金と統合するべきしょう。多くの大企業は厚生年金基金については財務負担が重いから既に代行返上していて、確定給付型年金をやめています。代わりに確定拠出型年金の401kを導入した所も多い。それなら公務員だって401kにすればいい。その上で、官民格差の源である、国や地方が 払っている追加費用をカットできれば、1兆5000億円ほど財政再建に回せる。
 さらに公務員宿舎も、国会で追及されると大企業にも社宅があるからと答弁するが、調べてみると大企業は賃貸しているケースが大半です。ならば公務員宿舎を売り、借り上げれば済む。再就職に関しては、天下りは絶対禁止するべき、ということです。

――連載の議論の中で徴税漏れの話が出てきました、今も徴収漏れが多いわけですが、歳入庁を作れば少しは漏れが減るということですか。

高橋:そうですよ。でも消費税の話はどこも出てこないけれどね。所得税を取る時に年金も合算して取って所得再分配しましょうというのは、大本は負の所得税の考え方です。でも負の所得税は現実には色々な困難があるから、日本ではまだだけれど、世界では給付付き税額控除という形になった。その前提インフラとして、歳入庁があるのです。日本で言えば国税庁と年金機構の徴収部門を併せる形です。税と保険料を一体で取るなど、2つの役所の仕事を1つの役所で担うので、徴収の実務効率化にもつながる。理論的にはすっきりしています。

■歳入庁を作って徴収漏れをなくすのは世界の流れ
 歳入庁を作って、税と保険料を一緒に徴収することで漏れをなくせますし、所得を把握出来ますので給付付き税額控除を実施出来ます。払う方も保険料と法人税を一度に払えて非常に楽になる。こうしている国は実際多いですし、世界の流れです。
 日本ではこの仕組みを導入していないため、大きな徴収漏れがあるのです。データだけ言いますが、年金機構と国税庁の捕捉している法人数に差があり過ぎます。80万件から100万件近く差がある。大き過ぎてこれはちょっとおかしい。年金機構が把握している法人数が少な過ぎて、最大で年間12兆円分が漏れていることになります。12兆円は大き過ぎると皆が言うのですが、じゃあ一度、一緒に徴収してみればといつも言っています。会社が天引きしているから従業員は払ったと思っているのに、実際は払えていないケースが多い。消えた年金の8割方が厚生年金である理由はこれです。そうしたケースは、歳入庁があれば漏れない。件数は少ないけれど健康保険も同じ状況です。
 歳入庁にして、年金機構の社会保険番号を国税庁が使えれば一石二鳥で、恐らく課税の捕捉率の業種間格差「クロヨン」もなくなる。自営業などから徴収漏れしている税金は5兆円程度あるでしょうか。税務署長の経験によるドタ勘ですが。先ほどの年金徴収漏れの12兆円とクロヨンの是正分を足すと、17兆円ぐらいになります。さらに消費税の税額を記載した納品書を課税事業者に義務付けるインボイス方式を採用すると3兆円ぐらいあるから、合計で最大20兆円ぐらいになる。半分だとしても10兆円だから、消費税率を上げなくても済みます。半分でも10兆円だから結構いい話だと思います。

――番号制度を導入してもクロヨンはなくならないという話も聞きますが。

高橋:なくならないけれど、番号があると変な申告があった時に銀行口座を全部調べられる。番号がないと銀行口座の照会がしにくいですが、番号があれば照会が簡単ですから。 もちろん銀行口座開設の時には番号を書くことが前提です。これは預金保険を使う時の名寄せにも役立つ。
 それに歳入庁を作れば消費税増税はいらないのに、歳入庁による効果を政府は数字で言っていないですね。最大20兆円の効果、半分だって10兆円です。少なくとも今度の消費増税はしなくても何とかなりそうじゃないですか?。クロヨンの数字が分からないのなら、歳入庁にしてから増税した方がいい。今は不公平なのに、消費税増税でその不公平をさらに増長する感じです。国税という枠の中で考えたとしても歳入庁で番号制度を導入してから考えた方がいい。

――スウェーデンも歳入庁がありますね。スウェーデンでは、個人は社会保険料を払っていないですね。社会保険料や年金は法人税が財源でしたね。

■財務省の増税の狙いは天下り確保につながる利権
高橋:企業が給料の代わりに保険料を払うか、給料をもらい個人が払うかの違いだけです。所得税と一緒に合算すれば所得再分配にもなるし所得把握もできる。そもそも年金機構のような徴収部門は単独ではなく、国税と一緒の方が理論的にはいいのです。

――高橋さんの考えでは、財務省が増税をしたいという動機は何なのですか。

高橋:増税は税率 を上げることだけれど、税収増にならないのは歴史を見れば明らか。それでは何が動機かといえば利権ですよ。増税すれば、財務省の権限が増えますから。増税すると軽減税率の陳情が来る。官僚は個別に例外措置に対応するので、そこで利権が生まれるわけです。それが天下り先確保にもつながりますからね。それこそ が財務省の狙いなのですよ。≫(日経BP:今さら聞けない消費増税より)

*高橋 洋一(たかはし・よういち) 1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問などを経て、現 在、嘉悦大学教授、(株)政策工房会長。 主要著書:財投改革の経済学(東洋経済新報社)、さらば財務省(講談社)、財務省が隠す650兆円の国民資産(講談社)など



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