世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

“勝者”が気がつくと、“敗者”になっている法則 正義の玉手箱は実存するのか?

2013年10月28日 | 日記

 

「辺境」からはじまる―東京/東北論―
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●“勝者”が気がつくと、“敗者”になっている法則 正義の玉手箱は実存するのか?

 ひとつのコラムが、糞づまりの思索にヒントを与えてくれることがある。今日紹介する以下のコラムも、そのような示唆に富むものである。コラムは、消費税増税で、生活費をいかに少なくするか工夫する庶民にとって、いくばくかの光明を投げかけている。“やらずぼったくり”を平気で行う血も涙もない霞が関財務省への、庶民からの復讐の一つの方法を示している。無論、消費税を8~10%支払う取引に比べれば、若干リスクはあるだろうが、マルチ商法のような詐欺行為が横行しているわけでもなく、ただ、自己責任の範囲が多少拡がる程度に考えれば、賢い倹約方法だろう。

 おそらく、このような取引の流れは、TPPに加盟した時とか、戦略特区などを導入した際には、政府や役人が考え及びもつかなかった、自由取引が幅を利かせる可能性は大いにある。まして、ネット世代が高齢世代の消費よりも旺盛であれば、ITインフラの仕掛け次第で、大化けしてしまうのだろう。孫正義は、その辺も手当てした感じである(笑)。ところで、安倍晋三率いる自民党と云う20世紀の亡霊にしがみつく古臭い政党は、霞が関の役人の掌の上で良い気持ちになっているようだ。反自民の人々にとっては、苦々しい日々が続いているわけだが、案外、勝者が、あっという間に、考えもしなかったに敗者に向かう道を突っ走っているとしたら、これは考えただけでも愉快な話ではないだろうか。

 そんな手品のような胡散臭い話は聞く気も起きない人は、この場を即刻去るべきである(笑)。このことは、TPPの加盟で日本国内で起きる大きな市場変化は、意外に既得権益勢力にとっては両刃の剣で、運転操作を一歩間違えると、一瞬にして奈落に落ちることを意味しているし、霞が関官僚組織が崩壊する端緒になる危険を大いに有している。TPP導入と農地集約を目指す思惑も、意外にな形で決着、大規模農家だけが農地を手放す破目になりかねないと云う問題に突き当たる。理由は簡単だ。小規模農家の稲作など、一種高齢者の生甲斐であって、生活費を得る為の行為ではない(所得の1~5%)ことである。小規模農家ほど、農地を手放す根拠はないわけで、馬鹿げた皮算用をする事になるだろう。

 原発推進派が勢いを取り戻し、反原発組の勢いが消沈気味なのは事実だ。しかし、電力会社の金による既得権益勢力への支配力も、センセーショナルな事故一つでひっくり返るし、フクイチで何が起きるか、いまだ進行中の放射能漏れ状態なのだから、予断は許さない。また、消費者に電力量の値上げ一点張りのツケ回しは、或る限界点に達した時、庶民は徹底した節電生活をするだろうから、最終的には経営自体が成り立たなくなる。このように、勝ち誇った顔をしている連中が、吠え面を掻く日が来ることを夢見るのも、憂鬱な日々の清涼剤になる。引かれ者の小唄とは若干異なる、多少の論理に基づいての一言である(笑)。まだまだ、逆説はありそうだが、今日はこの辺で…。


≪「個人の逆襲」が始まる 税率8%を機に、脱・消費税取引が拡大

 【 税は国の形を変える。中世のオランダには「窓税」「間口税」があり、その結果、現在も細長い家が多い。来年4月の消費増税を機に、消費税がかからない「個人間取引」の優位性が高まる。企業主体の取引という現在の商慣習を、大きく変えるかもしれない。 】

 来年4月から8%への増税が決まった消費税。2015年には10%へとさらなる増税が検討されている。社会保障費の増加に歯止めがかからない以上、増税がこれで終わらない公算は大きい。
 税は国の形を変える。中世のオランダには「窓税」という税があり、その後「間口税」となった。その結果、オランダでは現在も細長い家が多い。
 消費増税は日本の形をどのように変えるのだろうか。実は消費税には、免れる方法がある。もちろん脱税などではない。
 消費税は、2年前の課税売上高が1000万を超える事業者に対して発生する。個人取引なら基本的に免税となる。すなわち、個人間取引を利用すればよいのだ。
 ただでさえ、インターネットの普及により、個人売買市場は拡大を続けている。環境省による2012年度のリユース市場規模(自動車とバイクを除く)は、約1兆2000億円。2009年度に比べ約2割も増加した。

ネットと増税の相乗効果
 ネットというインフラが整い、消費者がそれに慣れ親しんだ。そこに消費増税で8%の“価格メリット”が生まれる。この2つの相乗効果で、個人間取引が増えることは確実だ。  「(消費税分の)8~10%も割安となれば、個人間取引市場に買い手がなだれ込んでくる」と、インターネットオークションの取引情報を取り扱うオークファンの武永修一社長は指摘する。
 年間約7000億円の流通総額を持つ国内最大のオークションサイト「ヤフオク!」を運営するヤフーは10月から、個人の出品者について一部のカテゴリーを除き従来10.5円だった出品システム利用料を無料化した。
 有料会員プログラム「Yahoo!プレミアム」に加入していなければ5000円以上の入札ができなかった買い手に対する制限も、一部商品カテゴリーを除いて撤廃している。出品、入札の両方のハードルを大幅に下げたことで、ヤフオク!の流通総額が今後拡大するのは確実だ。
 全世界で2億人以上の利用者を抱えるLINE(東京都渋谷区)も今秋、「LINE MALL」を開始する。スマートフォンに特化したEC(電子商取引)モールだ。企業だけでなく個人もスマホで気軽に販売できる環境が整う。
 とはいえ、「高額品などは個人間売買にならないだろう」と思われる方は多いだろう。だが、それは単なる思い込みかもしれない。かつてヤフオク!で見知らぬ個人から衣服を買うなどということが想像もできなかったように、高額品を躊躇なく買える未来が迫りつつある。

不動産も個人間売買に
 例えば、不動産だ。まずは「Zillow」という米国のサイトを見ていただきたい。どの物件でも良い。例えば「Los Angeles」と入力して、個別の物件情報を見ていくと、きっと驚かれるはずだ。
 物件の詳細な場所、売却価格、時系列での価格推移、築年、間取りは当たり前。周辺の家の地価までが掲載されており、相場まで瞬時に分かる。「既に欧米では不動産の個人間取引が主流になっている」と不動産コンサルタントの長嶋修氏は指摘する。
 もっとも、日本ではこうした情報は現在、基本的に不動産会社しか入手できない。だがここにきて、複数のネット企業が、同様のマーケットプレイスの開設を検討している事実がある。
 中古物件は、個人間売買が多いため、建物の消費税は基本的に課税されない(土地には、そもそも消費税が発生しない)。ただし、意外とかさむのが、不動産業者に支払う仲介手数料だ。
 手数料は、最大で成約価格の3%プラス6万円に消費税を加えた額と決められている。この手数料は、売り手と買い手の双方に、それぞれかかる。
 すなわち、2000万円の物件なら、66万円と消費税3万3000円で、69万3000円。取引全体では138万6000円。8%増税後は、これが142万5600円となる。大きな金額の取引の中で埋もれがちだが、冷静に考えると、決して小さい額とは言えない。消費増税が進み、家計不安が高まれば、仲介業者を通さない取引の割合は増えていくだろう。
 個人間売買で最も不安なトラブルを未然に防止する策もある。
 品質面の不安を補うため、「住宅診断(ホームインスペクション)」と呼ぶサービスを活用する方法だ。専門家が建物の現状を点検し、プロの目でアドバイスしてくれる。その料金は5万~10万円だ。
 ただし、不動産に関わる契約は複雑で、素人の手に負えないことが多い。そのため、「契約書類作成などは、宅地建物取引主任者資格を持つ業者に依頼すべきだ」と不動産コンサルタントの長嶋修氏は述べる。改めて買い手を探す手間などがないため、費用は10万~30万円程度に安くしてもらえることが多い という。

活況を呈する中古車個人売買
 もう1つの高額品、クルマの個人売買も活発化してきた。「3年後には常時10万件を流通させたい」と意気込むのは、クルマの個人間売買サイト「CARTOGO」を運営する、トロイカの大橋賢治社長だ。
 同サイトに出品されている商品を見ると、10万~100万円近いものまで様々。それぞれにつき、売り手と買い手のやり取りが公開されている。「SOLD OUT」という表示も目につき、着実に成約実績が増えている。
 来年4月以降、中古車を企業から購入すると、10万円のクルマでは8000円、100万円なら8万円の消費税が発生する。個人から購入すれば、その分が浮くというわけだ。
 メリットはそれだけにとどまらない。ご存知の方も多いだろうが、実はほとんどの中古車の場合、販売店の店頭に並ぶクルマのフロントガラスに表示されている価格では買えない。各種手続きや納車費用などの諸費用が別途、十数万円分発生するためだ。個人売買は基本的に総額表示なので、消費税よりもお得になる。
 心配なのはトラブルだ。品質保証やキズはもちろん、名義書換なども個人の責任でやらねばならない。
 ノーベル経済学賞をとった経済学者、ジョージ・アカロフ氏が、米国で「レモン」と呼ぶ欠陥品問題を論文にまとめたのは有名だ。良質な商品と欠陥商品が混在し、購入するまでその内容が分からない市場では、欠陥品ばかりが出回るようになるという理論だ。
 日本では車検制度があるため、最低限の品質は保たれている面はある。トロイカの大橋社長は「800件程度が成約したが、トラブルは報告されていない。個人の顔が見える取引なので、めったなことはできないという、責任感が芽生えるようだ」と述べる。
 ネットというインフラの普及に消費税という家計に対する大きなインパクトが加わった。これまでの企業主体の取引という経済のルールは大きく変わろうとしている。
 消費増税をキッカケとした「個人の逆襲」という未来。それは、すぐそこに迫っている。 ≫(日経ビジネス:ライフサプリ:総点検消費税・広岡延隆)


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