世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●米民主党はクリントンを切れるか? サンダースならトランプに勝てる

2016年05月13日 | 日記
孤独を貫け
クリエーター情報なし
イースト・プレス


応援に感謝、励みになります!
にほんブログ村 政治ブログへ

●米民主党はクリントンを切れるか? サンダースならトランプに勝てる

あのマネーに支配された国家で「革命(レボリューション)」が起きるかもしれない。米国のワシントン勢力とウォール街勢力は、何が何でも、ヒラリー・クリントンに大統領になって貰わなければならないと、鬼気迫る勢いで、バーニー・サンダースの撤退を仕掛けている。日本のメディアも、それらの勢力に付和雷同した記事を飛ばしている。

しかし、ヒラリーが対トランプに対して、まったく対抗力を持っていない事実が、次々と判明してきている。本選になったら、トランプ候補が圧倒的勝利をおさめる可能性が、相当濃くなってきている。ロイターはヒラリーに甘いリサーチをしたようだが、両者が拮抗と云うよりは、明確な差がついたはずだ。 つまり、米国において、「反エスタブリッシュメント」の強くて明確な潮流は、動かし難い沸点に達している。こうなると、米国の「エスタブリッシュメント(ワシントン、ウォール街、軍産複合‥等)」達が、トランプとサンダースの、どちらが「最悪」ではないかを考える必要まで出てきた。

常識の通じない実業家(不動産業)トランプか、常識の通じる民主社会主義のサンダースかと云う、究極の選択に直面している可能性がある。民主党は、ヒラリーを選べば、60%負ける。サンダースを選べば、60%勝てる。さあ、どうする?「エスタブリッシュメント(ワシントン、ウォール街、軍産複合‥等)」達よである。筆者は、予備選が始まった時から、当然だがバーニー・サンダースの強さを語っていた。米国の格差是正には、トランプでは無理だし、ヒラリーでは「最悪の格差社会アメリカ」を助長する。所謂、常識的に考えれば、バーニー・サンダースしかいないのだ。

筆者は、個人的憶測だが、米民主党の本流にしても、共和党の本流にしても、何が何でも、ドナルド・トランプが大統領になるのだけは、天地がひっくり返ってでも避けたいと思っている。しかし、共和党本流は、ありとあらゆる手を使って、トランプ追い落としを画策したが、すべて失敗に終わった。もう打つ手はないのが現状だ。そうなると、民主党の大統領候補争いの「高下駄」部分にあたる特別代議員の責任が重大になる。現状の特別代議員の意志表示はヒラリー支持なわけだから、彼らが、トランプ氏を米大統領にした贖罪を一身に受けることになる。彼らは、その批判に耐えうるだろうか?民主党本流が、サンダースと政策の擦り合わせが可能かどうか、試みるような気がする。サンダースは市長経験もある、議員経験もあるわけで、立法行政にも通じている。急激で過度な社会主義を抑制してくれるのなら、そんな思いを持つ、民主党特別代議員も結構いるような気がする。無論、共和党本流も乗れる話なので、リアルな話だ。

無論、米国にも、エリートだと思いこんでいる中流以下の人々もいる。見事に勘違いしているのだが、日本ほど多くはない。この辺は、社会保障制度の捕捉の広さ、国民皆保険再度のあるなしに起因する。実態はほぼ同じような「エスタブリッシュメント」の維持社会だが、この部分が違う。また、市場原理主義的言説が、まだまだ不十分と云うこともあり、共同体的ニアンスが残っているので、その分だけ、勘違いも激しくなり「貧乏人の特権階級」と云う、奇妙な自己認識が生まれている。

しかし、近い将来「TPP」が本当に批准されてしまえば、加速度をつけて、市場原理主義が横行することになり、一気に日本社会は、一層の米国化に向かってゆく。面白いことだが、米国が、いま、そのシステムを捨てようと国を挙げてもがいていると云う時に、我が国は、その米国社会同様になりたいと、狂気の叫びを政府役人共々が叫んでるのだから、喜劇だ。ただ、日本のマスメディアは、「橋下劇場」のような雰囲気で、米国の大統領選の異変を知らせている。我々は、ハリウッド映画を観ているわけではない。現実に起きている「革命(レボリューション)」を目撃しているのだ。

こんな最中、オバマが広島訪問だとか、日産が三菱自動車を傘下にとか、それぞれに重大な事柄ではあるが、歴史的にも、日本社会への歴史的影響にしても、現在の米大統領選の異変は、実に重要だ。舛添の乞食根性、五輪招致汚職、伊勢志摩サミット、パナマ文書、甘利のあっせん収賄‥等よりも、筆者にとっては興味深い。米大統領選の流れ如何では、こうした問題の多くが、ガラガラポンと結論をみる。安倍晋三のやっている全てのことが、一気に瓦解するのだから、米大統領選は極めて、日本にとって重要だ。どうも、幾ら力説してもピンとこない人が多すぎる気がしてならない。アメリカ従属で怒る人々も、現実が見えていないようだ。


≪ トランプ氏、クリントン氏と支持拮抗 米世論調査
米大統領選挙で、共和党のトランプ氏(69)と民主党のクリントン前国務長官(68)が直接対決すると仮定した場合、両氏の支持が拮抗(きっこう)していることが11日、ロイター通信が実施した全米規模の世論調査で明らかになった。他の調査でも重要州で両氏は競り合っている。
 ロイター通信の調査では、民主党の指名獲得が濃厚なクリントン氏の支持率が41%で、共和党指名が確実なトランプ氏の40%と横一線。4月中旬には、クリントン氏が48%で、トランプ氏が31%だったが、トランプ氏が急速に支持を伸ばしていることになる。
 また、米クイニピアック大が10日に発表した、民主党と共和党が本選で常に拮抗する重要3州での世論調査では、フロリダ、ペンシルベニア両州ともクリントン氏が43%で、トランプ氏が42%と拮抗。ただ、オハイオ州では、トランプ氏が43%で、クリントン氏(39%)をリードしている。
 一方、サンダース氏とトランプ氏の対決を想定した場合、いずれの3州でもサンダース氏がトランプ氏を上回っており、トランプ氏には、クリントン氏よりサンダース氏の方が強いとの結果が出ている。(ワシントン=佐藤武嗣)  ≫(朝日新聞デジタル)


あらためて、昨日のコラムを筆者記述部を再掲しておく。「弱者の蜂起 サンダース現象は米国ではなく世界の流れに通ず」

米大統領選における民主党候補、バーニー・サンダースの勢いが止まらない。トランプ現象の方に、世間の目は釘づけだが、筆者は、アメリカの病巣の根源に迫っているのは、バーニー・サンダースの主張だと理解している。以下は、中々撤退宣言しないバーニーに苛立つ、米国のエスタブリッシュメントの心境を表した記事である。しかし、この故宇沢弘文氏の主張(スティングリッツ氏が顧問なのだから当然か)をなぞるような、バーニーの大健闘は、世界のグローバル金融経済に、強い衝撃を与えている。延いては、この流れは、世界のヘゲモニーの大きな潮目を演出すると考える。

今回の米大統領選における、エスタブリッシュメントへの、抗議のパワーの本質は、実はトランプ現象ではなく、サンダース現象の方だと云うことだ。日欧米のメディアは、かなり過激で喜劇的「劇場型」トランプに、意識下か、 無意識下は判らないが、テレビ的価値を見出している。しかし、トランプ候補の主張は、一世一代のパフォーマンスで、持続可能性と云う面から、米国や世界の支配層から見て、実は、それ程怖いものではない。完璧に怖がっているのは、サンダース氏が、「民主社会主義」と旗幟を鮮明にしている点だ。これは、政治的ポジションの話ではない。謂わば、「価値観」のパラダイムシフトを強く主張していることである。

一般のテレビニュース族達には、到底理解できない話なのだが、世界の潮流は、確実に変わった。日本の政府広報テレビと化したNHKや民放各局のニュース報道を視聴していたら、愚衆化するのは当然なのだ。日テレであろうがテレ朝であろうが、対米追随路線まっしぐらで、且つ貧乏人を特権階級と勘違いさせる誘導報道がなされている。

世界の変化は、萌芽の域を超えて、成長過程に入っている。無論、ナショナリズム的方向の吹き上がりも激化している。しかし、こちらの方には、論理的裏づけが乏しく、常に、社会下層に存在する人々の感情を動員する運動なので、カリスマ指導者が常に必要になり、持続性維持に難点がある。また、日々のゴシップや反国民的政策のひとつひとつに、強く反応するのも、一種ガス抜きを自己完結してしまい、消費文化の罠に嵌っている。もっともっと、本質に迫る、心からの鬼気が欲しいところだ。

テレビと原発報道の60年 (フィギュール彩 55)
クリエーター情報なし
彩流社


 応援に感謝、励みになります!
にほんブログ村 政治ブログへ

コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よろしくお願い

https://blogimg.goo.ne.jp/img/static/admin/top/bnr_blogmura_w108.gif