12章~世界の鐘が鳴り響く時~

アルは、再び主軸世界に戻り、戦争を止め・・・ そして、主軸世界を守ることをセリア達と約束した・・・


セリアを・・・ みんなの期待を裏切るわけにはいかない・・・ そう思いを決め、 アルは全ての魔力を失ってでも、人類を守ることを天に誓う・・・


アル:「天空を覇しめし光の神よ、我を守りたまえへ、守護の光盾、『ブレス=フロスト』」

   優しく、そして美しい光がアルを包み込む・・・


アル:よし・・・ 行くか・・・


   アルは、鐘に触れ、主軸世界へ・・・



  しかし・・・ そこには、とても信じられないような光景がただ広がっていた、


アル:な・・・ なんなんだ・・・ ここは・・・?   全てが・・・ 全てが生気という生気を失ってやがる・・・


  そこは、例えるなら、まさに地獄と呼ぶにふさわしい場所だった。


  アルは、戦争を始めた国々にいる罪のないたくさんの人々の姿を想像した・・・


  そして・・・


アル:もう・・・ こうなったら・・・ 全員助けるのは・・・無理なのか・・・



アル:完全に消すしか・・・ いや、それじゃあ、このまま放っておいても変わりはないか・・・      なら・・・


アル:「闇に屈さぬ光の精よ、我の下に集いて、偽りの正義を羽織りしおろかなる人間に光の裁きを、高位精霊魔法、『白銀の咆哮!!』」

 美しい銀の光を纏った大量の光の矢は、他者を傷つけようと考える全ての悪しき者に降り注ぐ・・・


アル:な・・・  なんて数だ・・・


その数は、アルの予想をはるかに超えていた、


アル:この世界に・・・ こんなにも悪しき考えを持っている人間がいるなんて・・・


矢の嵐は、一向に止む気配すら見せない、その嵐をよそに、アルは主軸世界の中心に存在する、大聖堂へと向かった。


アル:ここはまだ戦争の被害が少ないようだな・・・

アルは、難民たちを助けようと、全ての真実を話すことにした、

アル:「空間の壁を切り裂け、大地の轟きを感じよ、完全空間転移魔法、『ゲート』」

アル:これで、安全な場所へいける、 さぁ、みんな早く・・・

  しかし、その場にいたほとんどの人が、いや、その場には少なくとも、アルの話を信じた人間はいなかっただろう、 しかし、その時 後ろから声がした、

   3人でアルに話しかけているようだ、 その声は、とても懐かしく、そして、力強くもあった、

その3人とは、最初に共に鐘を目指した、セファ、シン、レビンだった、

セファ:俺は信じるぜ・・・ この世界は終わるんだ・・・ 今はアルを信じるしかないんだ・・・


シン:僕も・・・ 


レビン:みんな・・・ わかってるはずだ・・・ この世界はこのままでは滅びるんだ、 今は、少しでも希望があるほうへ進むしかないだろう・・・ みんな・・・ アルを信じて・・・ きっと助かる・・・

その時、協会の建っている大陸に、核が向けられた、 その情報は、いち早くその場にいた人間の下へ知れ渡った、


シン:な・・・ そんな、ここは、戦争とはなんの関係もないじゃないですか・・・ 彼らは、本当に人類が滅びてもいいと思っているのでしょうか・・・


セファ:さぁ、いよいよ時間がねえぜ・・・ さぁ、みんなどうするんだ・・・?

レビン:どうするもなにも、僕らに残された道は・・・ ただ一つだろう・・・ 迷うことなんか、なにもないだろう・・・

大聖堂にいた人間、その数約690人、大人も子供も入り交ざって、最後の希望を求め、アルが出したゲートにみんな走りこんだ、

そして、核爆弾がその島に着弾すると思われる2分前、 ついに、セファ、シン、レビン、そして、アルだけがその場に残っていた・・・

セファ:じゃあ・・・ 先にいくぜ・・・ アル、またな・・・

セファがゲートをくぐり、そして、シン、レビンが続いてゲートをくぐり、平行世界へとたどり着く、


その時・・・ 平行世界の全ての場所に、たしかにアルの声で、こう響き渡った・・・
「みんな、悪い・・・ 戻れそうにない・・・ 後は・・・ 頼んだぜ・・・」
その言葉が消えた瞬間・・・ 二つの世界、全ての場所に、透き通るような、でも、悲しみのこもったような鐘の音が響き渡った・・・

セファ:な・・・ やばいぞ・・・ アル...早く来い!!!

 しかし、その声は世界の壁を隔ててアルの下に届くはずもなく、すぐに鐘の音にかき消される、

アル:みんな・・・ 本当にすまない・・・

その声は、迷いが無く、そして、力強かった、

セファ:おい!! 早くこい!! 主軸世界が消えるかもしれないんだぞ!!

アル:あぁ・・・ 知ってるよ・・・

セファ:じゃあ、早くこっちに...

アル:すまない・・・

セファ:な・・・ なんで謝るんだよ・・・? どうしたんだよ・・・?

アル:俺は・・・ みんなの所へは行けない・・・ この世界の最後を見届けないといけないんだ・・・

セファ:おい! 何言ってんだよ!! 

アル:今まで、ありがとう・・・ みんな・・・ 世界を・・・ 頼んだぜ・・・


 そう言い残し、彼はもう話しかけてはこなかった、


  『世界の鐘の音が鳴り響くとき、その世界は終わりを迎える』 


  主軸世界は消滅した・・・ 一人の勇気ある少年と共に・・・
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