あなたがそこにいる限り









4章~あなたがそこにいる限り~


  -For the wind break-








君がいたから、僕はここにいる。


   でも・・・ 君はもうここにはいない。


  この空の下、君は何を考えているの・・?



    君のいる場所にも、同じ風は吹いてるのかな・・・?










 彼女の名前は、黄昏 藍。


   たそがれ って書いて、「こうがみ」って読むんだって。


 黄昏 藍、


  ちょうど、1年くらい前にここに来て。





    半年前にここからいなくなった女の子・・・


















  ──彼女は、5月に引っ越してきた。




 学校の近くの小さなアパートに引っ越してきた彼女は、なんだか他の子とは違う感じがした。



なんだろう・・・






   なんだか、いつも遠くを見るような、そんな瞳をしてた。




 



  ・・・遠くを見ているんじゃない・・




 そう、彼女の目は、きっとこの世界を見ていなかったんだろう・・。








   すぐに壊れてしまいそうな



     そんな女の子だった。














 僕は、毎日のようにそのアパートから出てくる彼女を見ていた。


まぁ、偶然見えるだけなんだけどね。








 そんなある日、彼女が僕に話しかけてきた。







  「ぁの・・・ よく会います・・よね?」



    余りにもいきなり話しかけてきたので、驚きを隠しきれなかった。




           「あ、あぁ、そうだね・・。」







   「えと・・ この辺りに住んでる方ですか・・?」






         「う、うん・・。」





  何を話していいかもわからず、ただ簡単に返事を返す・・。





   「あの・・ お願いがあるんですが・・。」


   「聞いて・・くれませんか・・?」









   見ると、今にも泣き出しそうな顔で話してる・・


    

        「あぁ、いいよ、なんでも言って」








  普段なら絶対こんな事言わない。


   でも、この時は違ったんだ。


     

  彼女の事、好きになったからかもしれない。


 なんにしても、彼女がそうさせた事に違いはなかった。















  「──友達に・・なってくれませんか・・?」








  少しの間、沈黙が流れる・・。




  「だめ・・ですか・・・?」








       「いいよ、今日から友達。ね? だから泣かないで・・。」





  女の子が泣いてる・・・ 僕はどうしていいのかもわからずに、そう言う。













   ──五月晴れと呼ぶにふさわしい、青々とした空の下。 僕と彼女は最初のつながりを得た。
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