明日を見たとき





13章






     ~明日を見た時~








-lost Memory









藍が帰ってきて、数ヶ月が経った




   僕が望んでた日常が、全部帰ってきたんだ。









     でも、なんだろう・・




 今日はなぜか、胸騒ぎがするんだ・・。










    



  ──日本に戻って数ヶ月経った


     こっちの生活にも大分慣れてきたし、今の生活が楽しいのは駆のおかげ。



   


   この幸せが、一生続いたらいいのに・・



      そんな事ばっかり考えて、最近は勉強にも集中できないんだ









  今日は、駆が会いに来てくれるって言ってたし、いい一日になりそうだな♪












  ──ふと僕の中に、何かがささやいた。




      そして、僕は真実を知る・・。





 本当の空


   その存在が、とても遠く感じた・・。



     でも、伝えなくちゃならない、そう思った。



 僕は、彼女のいるアパートの前に立っていた。








  インターホンを押して少しすると、彼女が部屋に入るように言った。



片付けでもしていたのだろうか




  「ごめん、散らかってて・・」

    

        「いや、いいよ。」





  「ほら、座って。」


        「あぁ・・。」





 僕は、彼女の・・・ 藍の目を見てこう言う・・




         「なぁ、藍・・。 大切な話があるんだ・・。」




  「な、なに? 急に改まって・・」




     悲しい、でも言わなきゃならない・・・


  だって僕は・・。





         「藍、本当の空を、僕は見れそうにない・・。」






 「・・・どうして..?」






         「この世界は・・・、人も、空も・・。 全部が創り物なんだ・・。」



  「え・・?」


         「君はここに、閉じ込められてるんだよ・・。」



  「それって・・」




       「──僕も、本当はいない・・。 本当の空を、僕は見れない・・。」





  ・・そう、彼女は誰かにこの世界に送り込まれた・・。


       ここにいても、一生幸せになんかなれないんだ・・。










  ──そうだ、これが真実だったんだ・・。




      全部思い出した・・




 私は昔、どこかの研究所に連れていかれて、それであの世界に・・。



 

   なんの目的かは知らないけど、でも


 彼に会えてよかった、

        そう思った。








     ・・・でも、全部思い出したら私、


        この世界には居られないんだね・・。




 周りの景色が、色を失っていく・・。 

      

     私は、元の世界に戻されるんだ・・。




  崩れて行く景色の中で、駆は私にずっと微笑みかけていた・・。
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