10章~戻る事のない時間~

  何ヶ月も・・・ それを考え続けた・・・。

   10章~戻ることのない時間~

   今年は、閏年と言って、4年に一度だけわずかな時間の誤差を埋めるために作られる仮想の一日が存在する。
          2月29日・・・ その日僕は街を歩いていた・・・

     人ごみは好きじゃなかったけど、なんとなくそこに紛れてしまいたかった。

       ふと路地の方を見ると・・ 少し奥手に店を構える、80歳くらいの老婆の姿が見えた。
        客もいないようだったので、僕は何気ない気持ちでそちらに歩を進めた・・・

   老婆の近くまで来たとき、老婆はすっとその場に立ち上がりこう言った。

老婆:よくぞいらっしゃった。空よ・・・。 

空:あなたは・・・? どこで僕の名前を・・・?

         老婆は少し微笑みこう言う・・

弥生:私は、4年に一度しか商売をしないただの占い師だよ・・・。 如月-弥生って言ってね。 面白い名だろう?
               二月と三月の間の日・・・。あるようでない・・・、いるようで居ない・・・。 それが私だよ 空。


空:いるようで・・・ いない・・?

弥生:私の占いはね・・・。 今日のこの日にしか当たらない、4年に一度しかね・・・。  でも...

       老婆はまっすぐにこっちを見て言い放つ

弥生:この日にした占いは、絶対に外れない───

         ───絶対に外れない・・・
          ───今日のこの日だけ・・・
           ───全てを知る事になる・・・

     この先僕は・・・、水無瀬はどうなってしまうんだろう・・・?

弥生:どうする? 空、この「先」に起きる事を知らずに「その時」を向えるのも、全てあんたの自由だ・・・

         大切なのは、知る事なのか・・? それとも・・・

弥生:一つ言っておく・・・ 最後は空が決める事、そして、「今」の未来を変える事だって出来る・・・。 
           それがあなたの「力」 そして、それが最後まで失われる事のない唯一の光・・・。

        ───答えはもう・・・ 出てるじゃないか・・・。

空:未来は・・・ 自分で創っていく・・・。

        2月29日のこの日に... 僕は全てを・・・。 この先に起こる事全てを受け入れる決意をした・・・。

                                       ───たとえ、何が起こっても・・・
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