空の飛び方





6章~空の飛び方~




follow wind







私はその日、海岸に小さなビンが流れ着いているのを見つけた。



  (珍しいな、こんな所に流れ着くなんて・・・。)



 私がいる街の南側は、少しだけ海に面していて、潮の流れの関係で 物が流れ着く事がほとんど無い場所なんだそうだ。


私は、何気なくそのビンを拾い上げた・・。


 中には手紙が入っていた。

   ボトルメールってやつだろうか・・?




  (海の向こうにいる人からの手紙・・か・・)



 私はそのビンの蓋を開け、手紙を取り出した。


  中に入っていた小さな紙には、薄く罫線が敷かれていて、
    それは、とても懐かしい物のような気がした。




  小さく折りたたまれたその紙を開くと、そこにはこう書かれていた。




 「この空の下で出会ったあなたへ、
   お元気ですか? 僕は元気です。
    あなたとはもう会えないかもしれないし、
     この手紙だって着かないだろうけど。

  どんなに離れてたって僕らは繋がってる。
   
    君がこの世界のどこかで、本当の空を見つけられるって信じてます。



  それと・・・ 僕からも言っておきたかった事があるんだ。

   僕に楽しい時間をくれて、ありがとう。」





  差出人の住所や名前は書かれていなかった、

    当然と言えば当然なのだが、私は何か釈然としなかった。







 (あれ・・ この手紙・・ 日本語で書いてある・・?)







 ・・・なんだろう、なんだか、とっても懐かしい気がするな・・





 その日、何かを考えてたわけでもない。


  ただ、気付いたらそこにビンがあって、私はそれを拾ってた。








 (──不思議な日だなぁ・・)







 この日から、私は、毎日その手紙を読み返す・・
  何度も、何度も・・・


      ──本当の空を、探して・・・
















──その日僕は、その場所に立っていた。


  蒼く澄み渡ったその海には、人の姿はなかった。






   ──彼女のもとに、届くといいな。




 僕は、澄み渡った海に小さなビンを投げ込む。



     小さなビンに、たくさんの想いを込めて・・


















・・・毎日、毎日その手紙を読み返した。

   私に宛てて書かれた物なわけないと思うけど。


でも、なんだろう


  この手紙を読んでると、何か、心の奥が熱くなる・・


 ──もしかして、本当に私に宛てて書かれたのかな・・・?



 そんな事を考えると、ドキドキする気持ちと、また、それと一緒に

 


   ──昔を思い出すかもしれない


 その恐怖感に包まれた。





 思い出さないほうがいいから、忘れてしまったのであろう 過去の記憶・・



それを思い出す事・・・
 それが、私にとって唯一の恐怖となっていた。



気が付くと、私は空を見上げていた・・・。






        ──本当の空ってなんなんだろう・・

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