2章~大切な人~

数奇な運命が渦巻く・・・ すべては、天の導くままに・・・


2章~大切な人~

・・・そのとき、僕は眠っていた・・・

あの子・・・ 水無瀬もまだ眠っているのだろうか・・・?


そんなことを考えていると、目が冴えてきてしまった・・・


まだ4時過ぎだ・・・ 日は昇っておらず・・・ 親もまだ眠っている・・・

外は真暗だ・・・



僕は、私服に着替え、書き置きをして 近くの公園に散歩に行くことにした、


7月の、すがすがしい風が吹いていた・・・



公園・・・ この公園に来るのは、ずいぶんと久しぶりだ・・・


幼少の時に来た時は、もう少し広くて、きれいだったのだが、



今は半分廃れている・・・



公園は、誰もいないかのように・・・ いや、誰もいないのであろう・・・ 水を打ったように静まり返っていた・・・


しばらくベンチで休んでいたが、僕は広場に噴水があるのを思い出し、それを見に行こうと思い、ふと立ち上がった・・・


『きゃっ』


突然、聞き覚えのある女の子の声が聞こえた・・・


心臓がバクバクしている・・・ それは、間違いなく水無瀬だった・・・


光:お、おはよう、 偶然...だね・・・


本当に偶然だ、 僕は、ここに来ることを前から予定していたわけではないし、彼女は僕の家を知らないはずだ・・・


なんとなく、聞いてみる・・


空:水無瀬・・・ いつも、ここにいるのか・・・?


  水無瀬は微笑み、そして答えた・・・


光:ううん、違うよ  今日は、早く目が覚めちゃったから・・・ ただなんとなく・・・


それから、1時間くらい経っただろうか・・・?
 

朝日が昇る・・・




光:キレーだね・・・


空:うん・・・


ふと、水無瀬の方を見る・・・  笑顔・・・ なんてかわいい・・・ 思わず、じっと見てしまった・・・



光:どーしたの?

空:い、いや・・ 何も・・・


光:ぁ、じゃあ私、そろそろ帰らないと・・・ 学校でまた会おうねっ

空:あぁ、じゃあね




まぶしい笑顔・・・ まだ心臓はバクバクと音を立てていた・・・



数分後・・・ 僕もおなかがすいてきたので、家に帰ることにした・・・


空:(そういや・・・ 向かいの家って誰か引っ越して来たんじゃなかったっけな・・・) 

ふと表札を見る・・・ しかし、引越してきたばかりなのか、まだ表札はないままだ、



空:(まぁ、そのうちあいさつにでも来るでしょう・・・)


僕は、朝食をとり、制服に着替え、家を出た・・・



外に出て・・・ 門を閉める・・・


光:ぁ、おはよー


 それは あまりにもいきなりだった、



  なぜだ、なぜ水無瀬がここにいる・・・


空:ぉ・・・はよう・・


光:へ~ 空君って、こんな近くに住んでたんだぁ 私の、お向かいさんなんだねっ


  なんか、名前で呼ばれてるし・・・


光:ぁっ、 下の名前で呼ばれるの嫌いだったりしない・・・?


 読心術ですか



空:そ、そんなことないよ


光:よかったぁ、じゃあ、よろしくねっ 空君



 時として流れとは残酷なものだ



  一緒に登校することになってしまった・・・

辺りの男子の目が気になる・・・ いや・・・ 男子だけではない・・・ 視線のすべてが気になってしまう・・・


そして・・・ この状況は・・・  クラス中の・・・ いや・・・ 学校中の男子を敵に回してしまった・・・

突然、水無瀬が話しかけてくる、 いや、一緒にいるときに話しかけるのは普通なのだが・・・


光:ねぇ、空君って、付き合ってる人いるの?

   ・・・かわいい顔していきなり何を聞くんだこの娘は・・・


空:えぇ、いないよ、そんな人・・・


光:ぇ~、あやしいなぁ・・・ 空君、かっこいいのに?


   照れる


空:そ、そんなことないよ・・


  自分でかっこいいとか言える分けなかろう


光:じゃあ、好きな人は?


   ・・・これほど答えにくい質問はない・・・



空:・・・


光:私は好きだよっ 空君のこと、


  これはなんだ、あれか? 友達として好きと言っているのか? それとも、僕をおちょくっているのか?


空:な、何、急に・・・そんなこと・・

光:あははっ、かわいーっ 空君、


  やっぱり冗談だったか・・・


空:か、からかうなよ・・・



光:ううん、本気・・・だよ・・・?


  朝から何を言ってくるんだこの娘は・・・ 顔が赤くなっているのが自分でもわかった、

2人はもう学校の前まで来ていた・・・


僕と水無瀬は、そこで歩みを止めていた・・・

   そのとき、チャイムが鳴った・・・




光:ぁ、急がないと・・・  先に行ってるねっ?

空:あ・・うん・・・


  さすがに即効遅刻するわけにもいかないのだろう



  しかし、僕はそれどころではなかった、



   告白・・・されたのか・・・?   出会ってまだ2日しか立っていない状況で・・・


  それに・・・僕なんかでいいのか・・・?  そして・・・ 答えは・・・


   決意を固めた・・・




空:(どんな顔して教室に入れと・・・?)


  教室に入ると、すでに授業は始まっていた・・・


森田:どうした紅羽、 お前が遅刻なんて珍しい・・・


紅羽:ごめんなさい先生、 理由は聞かないでください、


そのとき


生徒の一人がとんでもない発言をする・・・


「俺、今朝空と水無瀬が一緒に歩いて学校に来るの見たぜ」



空:(ちっ、だまってやがれこんにゃろう・・・)


男子の全員に睨まれている・・・



水無瀬は、申し訳なさそうに下を向いている・・・



森田先生にかけるしかなかった・・・・  授業を・・・始めてくれ・・・



そう願った瞬間・・・・




奇 跡 が 起 こ っ た 




森田先生:まぁ、授業を続けるぞ、 空、席に着きなさい


  た、助かった・・・


しかし、席に向かう途中・・・



あれ



そういや




水無瀬って僕の隣の席になったんだっけ・・・・





  僕は、冷やかされることを覚悟し、その日を過ごした、


帰りは、別々に帰ることにした、



水無瀬は、授業中に何度も何度もこっちを向いて謝っていた、













次の日・・・・ 僕は、あの公園にいた・・・



覚悟を決めた・・・




水無瀬と待ち合わせをしているわけではないが、ここに来れば会える・・・
そんな気がした・・・



そして・・・



光:空君っ

  透き通った声... 本当にうれしかった、


そして・・・・


    僕の人生でもっとも緊張したであろう瞬間・・・



一言一言で勇気を試される・・・



空:おはよう、水無瀬・・・   大事な・・・話があるんだ・・・


水無瀬も頬を赤く染めた・・・



空:僕も・・・水無瀬のことが・・・


その後、僕は何を言ったか覚えていない・・・ でも、はっきりと聞いた・・・ 


光:これから、よろしくね、




明日から夏休み・・・ そこには、確かに蒼いかぜが吹いていた・・・


大切な人・・・  僕は・・・彼女を守りたい・・・





 
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