9章~不知火~

 ・・・もうすぐクリスマス、年末っていろいろあって忙しいけど、大切な事がたくさんありすぎて、すぐ時間が経っちゃう・・・

       毎年見てるあの光を、今年も皆で見に行くんだ・・・

   9章~不知火~

  2学期が終わり、忙しい時期になった。

      受験勉強だってしなきゃならないけど遊びたい、みんなそう言ってる中で

           僕らには格段の余裕があった・・・


蒼海:空! 私にも推薦来たわよ!

空:これで全員高校は決まったも同然だな。

輝:そうだな、今年も遊んで終われそうでよかったよ


     毎年この季節になると決まって皆で集まるイベントがある。


     クリスマス  町はクリスマスムード一色、そこにはサンタと名乗る赤と白の服を着た人達が蔓延り、キラキラした飾りつけがあちこちにされている。


  普通、友達やらで集まってプレゼント交換なんかをするのだが、僕らのクリスマスは一味も二味も違った。


未来:今年も集まったな。

輝:毎年思うけど、これ絶対趣味悪いって思われるよな。

         毎年、輝の家に集まって、なぜか冬に、しかもこの日だけにみんなで怖い話を持ち寄って話す、それが習慣になっていた。

蒼海:ちょっと、今年は変な仕掛けとか無しだからねっ?

      最初は蒼海を怖がらせようと思って輝が発案したものだったが、今ではもう恒例となってしまった。

            去年は未来がいい所で急に蝋燭が消えるように仕組み、大騒ぎになったものだ。

未来:大丈夫だって、今年は話だけでも十分眠れなくなるから。

蒼海:ちょ、ちょっと、怖い事言わないでよ!

空:まぁまぁ、皆それ目的なんだから、

蒼海:うぅっ・・・ 空まで・・・

                蝋燭1本の光だけがその部屋を照らす・・

                   全員が話し終えると、僕らは自分の家に帰った。

                        蒼海だけは怖がって外に出ようとしなかったけど・・  






         31日の夜・・・ もうすぐ長かった一年が終わろうとしていた


              毎年この日には、近くの海で不知火が見れる、夜の海に咲く幻灯は、今年は一段と美しく見える・・・


光:わぁ・・・ すごい...

空:後何分だ?

輝:後2分42秒で年越しだよ

         静かな中で、除夜の鐘の音だけがゆっくりと響く・・・


輝:後10秒・・・

       輝の方を見て、そしてまた海の方を振り向いた。

          その時計の秒針が12の数字を横切った瞬間、目の前にさっきまであったぼんやりしたきれいな輝きがなくなった。

蒼海:・・・ぇ?

輝:不知火が消えた・・・? こんな時間に・・?

           毎年、僕らが帰るまで消える事のなかった夜の灯が、この日に限って消えた、

                 これは、偶然なのかな・・・?


          後ろで人の気配を感じた。    


白夜:よぉ、また会ったな。

            背筋がゾクっとした・・・   

白夜:今日は、お前に忠告しにきてやったんだ。空。

蒼海:な、空がなんだっていうのよ!

白夜:まぁ聞け、 空、お前には確かに選ぶ権利がある、でもな。 お前は必ずどちらかを失う。選択肢は2つだ、大切なもの2つ、2つとも失うのは簡単だが・・・。 二つとも得ることはできない。 だから・・・ せめて選んでおくんだな、後悔のないように・・・


       そう言い終えると、白夜は小さなビンに入っていた液体を口に含んで、夜の闇に消えていった・・・

             夜の闇に溶け込みながら、彼はこうつぶやいた。

白夜:じゃぁな、6月24日にまた会おう。


          僕らはそのまま潮風に吹かれて、朝日を見た・・・
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