ひろせ明子の市議日記

無所属・無会派。
市議として日常で見たこと・感じたことを綴っています。

反対討論 その3

2010年12月26日 | 議会

指定管理者に更新制を導入した事案での反対討論をしました。

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指定管理者反対討論(議案第23号ないし第26号指定管理者の指定について)

私はこれまで一貫して指定管理者制度の導入に反対して来ました。その理由は、そもそもが、この制度は民間の活力を利用して市民へのサービスをUPする、経費の節減も目的にしています。サービスUPと経費節減は相反するものであり、もしそれが可能と言うことであれば、そのしわ寄せは必ずそこで働く人の賃金にはね変えざるを得ない、つまり労働条件の悪化を招き、十分な管理を任された福祉や教育が出来るはずがない。また、この制度は3年~5年に一度の更新時に競争にさらされるわけで、そこで働くひとにとっては何年かに一度首を切られる危険に晒されて行くわけで、長期的展望に立った生活設計など描けないことになり、生活の不安と同居する仕組みになります。

公がまさに官製ワーキングプアに手を貸すに等しいことになるからです。

今回の指定管理者の議案、4事業中3事業が公募せずに今までの指定管理者の更新です。
これは、私が危惧して来た数年に一度競争に晒される危険性を回避したと思われ、その点では評価したいのですが、それでは何のためにこの制度を導入したのかが問われます。数年に一度競争することが、直営による運営と異なるのではなかったのでしょうか。
競争するからこそ、そのスキルもUPする、緊張感により公が行うより良いサービスになると構図だったはずです。

更新制がこのように認められて行くと、一度指定管理者に指定された事業体は何としてでもそこにいたいが為に、一歩間違うと行政との癒着構造になりかねません。例えば、選挙時に応援するとかの形で力を発揮して行くという事も考えられます。
この問題は、議会はもっと真剣に受け止めるべきです。

浦安市の特殊事情

浦安市の特殊な事情からも、議会はもっと厳しく指定管理者の導入を判断すべきです。
特殊な事情とは、選挙戦にまつわる話です。議会や委員会で私は何度も取り上げてきていますが、指定管理者の事業に携わる人は市長選挙で現職市長の応援に入ることが可能です。法律的にはなんら問題がないそうです。
実際、この秋の市長選挙でも「組織ではなく個人」という名の下に、現職市長の応援に回った事例が出ています。保育園、文化施設、福祉施設と次々に指定管理者制度が導入され、これまで公が運営していた施設を民間やNPO、福祉団体などに渡しています。それらの施設の運営に携わる団体の関係者が一斉に選挙時に動き出したら、この町はどうなるのでしょうか?
実際、市長選時に現職市長を応援する事が暗黙の了解のようになって来ています。

指定管理者が行う仕事は、本来公が行うべきものです。しかし、経費削減あるいは民間のノウハウを導入してサービス向上をするという目的のために参入しているだけで、この目的以外のことではこれまでの関わりと同じにすべきですつまり、選挙時には一定の制約を条例等で課すべきです。何の規制もない状態で、ドンドン指定管理者の参入を認めることは、一市長の長期政権を保証する制度になってしまう危険性を貼らんでいます。これでは決して市民のための行政にはなりません。

今回提案された四事案、形は審査していますが、その審査結果を見ると、何のための審査なのか疑いたくなります。
評価点数、例えば100点に換算したとき、少なくとも80点ないしは85点以上は要求すべきです。新規参入ではなく、既に事業を行っている事業体の審査なのですから。

もし、公募していて今回の得点よりも高得点者がいた場合、その不利益は市民が受ける訳ですから、審査基準を明確にして、厳しい審査をすべきです。その審査過程も公開にすべきです。

条例で規定すべきだ


指定管理者制度は(その導入は)基本は公募の筈だが、その規定すら浦安市の条例にはありません。
公募をやめて、今回のように実質「更新制」でやる場合は、きちんとした客観的な決まりが必要です。「浦安市の公の施設に係る指定管理者の指定の手続き等に関する条例」には、指定管理者を選定する時に「公募」を明確には規定していません。条例制定時に何故この条文を入れなかったのかは不明ですが、各地の条例を調べてみたら、きちんと明文化している条例がいくつもありました。帯広市、京都市、武蔵野市などです。そこでは、新規は公募が前提ですから、公募によらないで指定管理者を選定する場合、例えば今回のような更新の場合もきちんと条例で定めてあります。

浦安市の場合も、早期に条例を改正して公募が前提であること、そして例外の場合はどういう場合かをきちんと条例で定めるべきであることをこの場を借りて要望します。

浦安市は現在63施設に指定管理者制度が導入されています。そして今後今回のように更新が出てくるでしょう。その為にも、早期の条例改正を訴えたいと思います。

今回の事案、1事案だけ競争をしています。新浦安地域包括支援センター事業です。更新にしなかった理由は、これまでの事業とは内容が異なるからとのことでした。

そして、その結果、これまで指定管理者だった事業体が撤退を余儀なくされました。これまでそこで働いていた方は、撤退して行く事業体が他の部署に移す、つまり首切りはしないとのことですが、その保証はどこにあるのでしょうか?また、万が一首切りをしても、市が関与する問題ではありません。そこが問題なのです。この不況時に、どの事業主も余分に人を抱えているはずがありません。人件費は目一杯抑えているはずです。指定管理者制度は、そこで働く者にとっては大変非情な制度です。市にとっては都合が良い制度なのでしょうが。以上、指定管理者制度が本来的に抱えている問題が多過ぎるという事と、事浦安に関しては特殊事情があるのであるから、その審査はもっと厳しいものにすべきだという理由で反対します。

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