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北教組の深い闇 選挙活動、指導要領否定…諸悪の根源「46協定」とは(産経新聞)

2010-02-26 19:44:15 | 日記
 北海道教職員組合(北教組)の本部や幹部宅に札幌地検特別刑事部の家宅捜索が入った。昨年8月の衆院選で民主党の小林千代美衆院議員の陣営に北教組から裏金約1600万円が提供され、選挙費用に使われた-というもので、労働組合から政治家への政治献金を禁じた政治資金規正法違反の疑いだ。その後、判明したことだが、1600万円の裏金の原資は北教組がプールしていた主任手当が含まれていたという疑いも浮上している。

 ■割れたコップに水を注ぐ行為

 歴史的な経緯を見ると、主任制度や主任手当は日教組に長年に渡って目の敵にされた日教組運動の象徴的なアイテムだ。主任手当とは正式には教育業務連絡指導手当などと呼ばれる。校務を円滑に進めるために学校には校長、教頭といった管理職とは別に教務主任や学年主任、生徒指導主任、教科主任といった教師同士の共通理解や業務連絡のとりまとめ役となる主任という教員が置かれ、一日200円程度の手当が支給される。

 ところがこれに日教組は「教師に上下関係をもたらす」と反発。各地で激しい反対闘争が繰り広げられ、制度自体が機能不全になった地域もある。仮に主任制度が制度としては残っている地域でも、主任教諭を任命するはずの校長から任命権が奪われたり、教師達が勝手に輪番制にして骨抜きにされた学校もある。反対闘争と一口に言っても様々な形態があるが、支給された主任手当を受け取らない、支払われるや直ちに、組合に集約する「拠出運動」を展開する-というのが最も代表的なものだ。

 これらが税金の目的を歪めるものであることはいうまでもない。学校をよくしようと打ち出された教育政策によって、教育予算が確保されても割れたコップに水を注ぐようなもので、水は次々とこぼれていくからである。

 ■結局は組合の財源

 が、組合側は「受け取った資金をどう使おうがそれは、受け取った側の自由」という論理で、こうした反対闘争を正当化してきた。問題は組合に集約された後の使い道だ。北海道ではこれを「もらういわれはないお金」として道教委に突き返していた。これを返還闘争という。昭和53年から平成19年まででこの金額は累計55億円にものぼる。

 しかし、道教委は19年6月までこれを北教組に突き返していた。拠出も返還も許されない以上、北教組の返還金こそ「受け取るいわれがないお金」というわけだ。結局、主任手当は組合財政にプールされ、裏金の原資となり、組合の裁量で使われていたのである。

 全国的に見ても、主任手当が組合の財源に充てられるケースは珍しくない。

 例えば神奈川県。神奈川県教組では組合で「教育振興基金」なる独自基金を作っている。教育のために資する事業に充てると掲げているが、同基金の規約には堂々と「原資には主任手当とその運用利子を充てる」と書かれてある。基金残高は一時40億円にものぼった。県教委は県議会でこうした実態を追及されると、「遺憾」とはいうが、拠出そのものを辞めさせる手立てを講じることはなかった。主任手当をめぐる不正常な動きは何も北海道に限った話ではないのである。

 主任手当が裏金の原資になっていたということは、税金をもてあそんで選挙運動を賄っていたことになろう。主任制が骨抜きになって、犠牲になるのは、児童生徒のはずだが、組合はこういう疑問にもまじめに答えようとせず、教育委員会もその悪弊に手出しできない、もしくは見て見ぬふりをしているのである。 

 ■組合天国の学校

 北教組が小林氏の支援を始めたのは、小林氏が比例復活して初当選を果たした平成15年の衆院選とされる。各選挙区を担当する労組を決めた際、激戦区の5区には組織力がある北教組に決まり、それ以降、小林氏陣営の選対本部には北教組幹部が入って選挙を仕切ってきたという。

 組合員の教員にもノルマが課され組織的な選挙活動にかり出される。こうした活動が、北教組では半ば公然と続けられてきた。

 17年9月の衆院選の前には北教組の札幌支部にあたる、札幌市教組が全校配布した「指令書」を出した。文書には1区の横路孝弘氏、2区の三井辨雄(わきお)氏、3区の荒井聡氏、4区の鉢呂吉雄氏、そして5区の小林氏の計5人の選挙を応援することを明示した上で、候補者ごとに計5人の教員がリストアップされ、選挙戦の専従担当者に任命。さらに組合員には集会参加やチラシ配布、電話作戦などの動員行動を指示し、1人につき5人の支援者獲得を目指すよう呼びかけた。

 なぜ、こんなことがまかり通るのか-。様々な要因がある。まず、教員や教組にこうした行為が違法であるという認識が乏しいことがある。自分たちの政治信条を公教育に持ちこむことにも憚らないのだから、選挙活動にも歯止めが利かないのもうなづけるだろう。

 第二に法律の不備だ。公立小中学校の教師は身分上、地方公務員だが、政治的中立性に関しては、国家公務員なみの制限が課される。ところがそのことを定めた教育公務員特例法には違反しても罰則が明記されていないのである。これでは歯止めが利かないのも当然である。

 第三に北海道の場合、教育委員会や学校を教組が牛耳って、抑え込んでいるからにほかならない。

 ■諸悪の根源46協定

 その点で北海道の教育の病の深刻さを象徴するのが、昭和46年に締結された46協定と呼ばれる道教委と北教組との間で取り交わされた念書の存在だ。学校校務のあらゆることに組合が口出しできることを容認、教育現場で猛威を奮った諸悪の根源といっていいだろう。

 本来、学校運営は校長に権限がある。しかし、北海道では組合の学校支部「分会」によって牛耳られ、教育委員会が手出し出来ずにいるのである。

 様々な問題があるのだが、数点だけ指摘しておこう。念書には「勤務条件に関わるものは全て交渉事項とする」という一文がある。組合が教委と協議するのは原則、勤務条件に限られる。学校で何を教えるのかといった事柄は学校教育法に基づき学習指導要領で定められているのである。児童生徒が毎日、どの教科を勉強するのかを定めた時間割や学校業務の割り振りは校長が全責任を負って定めるものである。従って国会の議決を経て決まった法律が定めたことや、校長に権限がある事項(管理運営事項という)を勝手に労使協議に委ね、歪めることは許されない。国家や地教委、校長の決めたことが現場の協議で勝手に歪めるのは民主主義に対する挑戦といっていいだろう。

 では交渉事項に出来るものは何か。それは給与や勤務時間、休暇などの勤務条件に原則限られる。ただし、この場合も校長と組合の学校支部である「分会」との間で交渉する-ということは原則あり得ない。

 ■際限なき拡大解釈

 ただ、問題は管理運営事項と、勤務条件とが密接なつながりがある場合がある。例えばある教員にとって意に反する人事異動があったとする。さしあたって住宅をどうするか、という問題が突きつけられている、といった場合だ。

 法律はこの場合、人事そのものを交渉テーマにして人事を撤回させるようなことは断じて許していない。あくまで人事に伴う通勤や住宅整備といったことは勤務条件に関わる点のみ、交渉テーマに出来る。常識的なことだ。

 ところがこれを拡大解釈して念書にあるように「勤務条件に関わるものは『全て』交渉事項とする」としてしまうとどういうことになるか。こうなると学校の時間割も教育課程も学校業務の割り振りに至るまで勤務条件に関係あるという理由で次々と交渉テーマとして持ち込まれ、労使協議でどうにでも歪めることが可能になるのだ。「道徳教育を強化すると言っても、勤務が大変になる。反対だ」「小学英語導入で勤務が多忙になるので反対」といって勤務と関連づけてしまえば、全てを労使交渉の対象に含めることは可能となる。

 文部科学省や道教委からの通達、通知の類も大きく歪められたり、骨抜きにされ、学校まで正常な形では浸透していかないのである。それは「通達については労使双方で確認の上、出すことにする」という一文があるからだ。「教職員の意向を十分に尊重するとは合意と同趣旨である」という文章もあった。こうなると、教組が首を縦に振らない限り、通知、通達は流せなくなるし、仮に流せても運用上の留意点を設けたり、独自の解釈が付け加わわるケースもある。

 彼らは盛んに「話し合いが大切」とか「民主的な学校運営」という。しかし、その内実は組合の要求に校長が従うという意味である。要求が通るまで突き上げ同然の交渉が延々と続く。正に組合活動の「解放区」が学校だったのである。

 北教組は全国学力テストにも滝川市のいじめ自殺に端を発する道教委の実態調査にも「非協力」だし、学校の授業内容を定めた学習指導要領にも否定する立場を堂々と打ち出しているのである。

 流石にこの46協定について道教委は19年破棄を表明。ただし、協定の破棄を北教組は認めておらず、あくまで一方の当事者によって破棄された状態にある。学校現場を長年に渡って支配して、染みついてきた組合に及び腰の風土は全くといっていいほど変わっていない。北教組に反省はないのである。

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