以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

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ハーネスのショート?!

2016-01-14 19:02:01 | 日記
先日の104Egのメインハーネスの記事で色々とご質問を頂戴致しましたので少々その話題にでも触れさせて戴きます。。。

W124についてのご質問が多かったですが、、、結構まだまだお好きなお方が手放さなずに頑張ってらっしゃるんですね。。。

それでもって少しでもサスペリアの様な実際起きてしまったら心臓麻痺でも起こしそうな恐怖の高額故障を防ごうと色々と情報を集めてらっしゃるのですね。。。

では幾つかの御質問に触れておきましょう。


Q1:104Eg用新品ハーネスを持参して改良を受けてくれますか?


事前にお打合せ戴ければ対応致します。

その際、ハーネスの品番と現車の車台番号をお知らせ下さい。

その際に金額と納期を回答致します。

事前の打ち合わせも無しにいきなり現物を弊社宛送付されても着払いで返送となる可能性が高いので御注意下さい。



Q2:1991年式の300E-24Vですがハーネスのショートによるリスクは?


このモデルはKE制御なのでエンジン上を這っているハーネスは水温センサー等の信号線、アイドルエアバルブのソレノイド信号線です。
水温センサー線は電流値も低く、仮にショートしても大きな被害は考えにくいです。

アイドル時の制御不良、A/Cの動作不良、高速電動補助ファンの回りっぱなしが考えられますが、レアケースでどちらかと言うとA/C制御パネル自体の劣化&不良が多いと感じます。

又、A/CシステムはMASやEGS、A/Cリレーの不良での不調も多いのでハーネスに起因する故障は少ないです。。。

アイドルエアバルブのソレノイド信号はショートしますとOVPリレーの頭にある10Aヒューズが飛びますので、この時点でハーネス補修とアイドルエアバルブの交換にて対応するのが無難です。

この場合の症状としてはアイドリングが2000rpmとかになりますから、そのまま乗るとATミッションをやっつけることになりますよ~~~。。。

更に言いますとアイドルエアバルブ自体も内部のコイルの劣化でリアクトル値が下がりON-OFF時に過大電流が発生する場合があります。ヒューズ飛びの多くはアイドルエアバルブに起因していることが多いので御注意下さい。

OVPリレーの頭のヒューズを交換してヒューズが飛ばなければ取り敢えずは動けますが、、、必ず専門家の診断を受けて下さい。


尚、点火系のイグナイターであるEZLやクランクポジションセンサーのハーネスラインはエンジン本体との接触が無いので劣化による断線やショートは稀でウチでも聞いたことがありません。

EZLの死亡は劣化による死亡が多いのでそちらの方が重要かと思います。EZL本体のコストは凄い価格万円ですから。。。

尚、以上はKE車全体に言えることなのでモトロニック制御の1993y~1995yのモデルとは故障の傾向が結構異なります。

KEはインジェクターも燃料供給もメインは機械式ですから全てを電気に頼る様な設計ではないのでポイントを押さえておけば路上で止まって悲劇のヒロインにならんで済むことが多いです。

まあ、極端言えばバッテリー、EZL、点火コイル、デスビ、プラグコード、燃料ポンプ&フィルターとOVPリレーが生きていればコンピュータが死亡しても何とか走れちゃいます。。。それがKEです。。。(笑)

あまりに走り込んだKE車はプレッシャーレギュレータとフューエルアキュムレータの劣化による抜けやインジェクターの垂れ流しやパッキン不良にも御注意ね。。。燃圧命のKE車ですから。。。

つまり、、、電気系統よりも燃料が流れて来る部分に凄い圧力を要する燃料ラインが存在するのでKE車はまずはココですな。。。(笑)

KE車のインジェクターは電気を使ってないのがまた素敵。。。長時間駐車後の始動困難って大体燃圧不良が多いのです。。。

まあ、エンジンがかかってしまえば普通に走れちゃったりするからここがまた昔の直噴ディーゼルのトラックみたいで頼もしいですな。。。(笑)

冷却系統はサーモとホースとポンプ、Radキャップ、Radサブタンク、ファンカップリングに気を配ってあげて放置しないことですな。。。

どれも二次災害を引き起こす部分ですからね!

でも、この辺をキチンと手入れしておけば後は日頃の消耗品交換で楽しめるのがKE車ってトコですな。。。



 Q3:W124のV8モデルの恐ろしい故障について教えて下さい。 



まあ、何と言ってもASR付きの500E/E500に多い「ASR」ランプ点灯でアクセルポイントが奥に逝ってしまった場合が最悪でしょう。。。

この場合の多くはスロットルアクチュエータの本体から生えているハーネスの熱劣化によるショートや、スロットルアクチュエータ内部でのショート等々がまず第一に考えられます。

こうなってしまうとハーネスのショートが原因でE-GASモジュールのスロットルアクチュエータコントロールを行うEFP基板が即死していることが殆どです。

この場合のE-GASモジュールはEFP基板が部品で入手不可なので修理対応は不可です。新品交換対応又は中古良品があれば交換となります。(ウン十万円也。。。)

スロットルアクチュエータも交換になりますので新品交換で対応となります。合掌。。。

E-GASを壊す前にスロットルアクチュエータの早期交換が要となりますね。。。

後はATのインヒビタースイッチに接続されるATケーブルの劣化&ショートですかな。。。これも「ASR」点灯の原因になります。。。

この場合は「ASR」点灯のままで普通に走れちゃったりするので「?」と、なりがちですがコレも悪くするとE-GASモジュールの電源回路に異常を来すことが間々あります。。。

その場合はE-GASモジュールの修理で対応可能な場合も多いですが、悪くすると前述のEFP基板までが死亡する可能性も無きにあらずなので御注意ですね。。。

後は、、、オルタネータとセルモータの同軸POSケーブルの劣化もショート事故を起こすと大変危険な大電力ケーブルですので注意が必要ですね。。。


その他、、、KE車と同じく、、、イグナイター、、、EZLの劣化による昇天も新品でウン十万円の故障ですから恐ろしいですねー。。。スペアは持っておきたいところですがね。。。


V8モデルは直6に比較すると故障すると恐ろしいことになるリスクを秘めたモデルと認識して付き合ってゆく姿勢が大事ですなぁ。。。


まあ、何にしても愛車を愛して止まないのならば二次災害発生前に対処する余裕は絶対に欲しいところですよね。。。


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