箱庭にびいだまを植えました。

杜崎アオの短歌もろもろ

題詠2017について

2017-03-08 22:17:20 | 題詠2017
「題詠100★2017」始めます(*´∀`*)

 お久しぶりでございます。
 題詠2016年からはfacebookに会場を移しての開催なんですね。
 運営方法が変わっても続いていることが嬉しい題詠ファンでございます♪
 ネット復活したし私も……とは当然考えたのですが、参加は見送ることにしました。理由は、個人情報を細かく登録することへの不安や、SNSを増やすと自己管理しきれなくなるなどの不安からです。
 しかしお題を見ているともくもくとつくりたくなり、主催者さまにお願いしてお題をお借りできることになりました。ご厚意に深く感謝いたします。
 例年通り11月中の完走を目指して、1首つくったらツイッターに流し、10首たまったらブログにまとめていきたいと思います。

 イベント本会場に伺えないのが残念ですが、きっと常連さんがばしばし風を切って走っていらっしゃるだろうな。ブログにまとめている方を探してこっそり拝見することにいたします。
 ご盛会をお祈りしております!

題詠blog2015 あとがき

2015-11-30 00:54:06 | 題詠blog2015

2015年の100首は、ゆるい連作みたいにつくりました。
ゆる~くながめていただけましたら幸いです。

065はRCサクセション「スローバラード」へ、075はFLYING KIDS「幸せであるように」への捧げものです(はぁと
五十嵐きよみさんのblogで書籍にからめた題詠を拝見し、とても楽しかったので、音楽でトライしました。機会があれば100首つくってみたいです♪


また、今年は初めて携帯から記事を投稿しました。PC画面からどう見えるかは未確認です(^-^;
トラバのたびにログイン&認証をもとめられて大変めんどうでした…
そんなさなか、gooブログ携帯版ログインサービス終了のお知らせ…
こうしてガラケーユーザーは駆逐されてゆくのです…


さて、今年詠んだうたは連作30首とこの題詠の100首、それだけです…
去年詠んだうたは……10首未満かな~ははは~(*゜▽゜)

連作は、時間的にも精神的にも余裕ができた春先に、生存報告のつもりで応募しました。2首と名前が雑誌に載ればいいな、ご無沙汰してるかたに元気だと伝えられたらいいな、と…
思いがけず30首掲載の機会をいただけて、すごく嬉しかったです。いろんな気持ちやタイミングが重なったことに驚きと縁を感じました。
これからのことは決めてないけど、ほそぼそとつづけようと思います…短歌。


数年前からインターネット環境はガラケーしかなく、いろんなサイトが利用しにくくなっています。あちこちご無沙汰していること、大変申し訳なく思っています…
このblogも携帯からは更新できなくなるので、またひきこもりですね…

近いうちにお目にかかれることを願って…
お元気で(^-^)/

題詠blog2015 百首

2015-11-30 00:48:55 | 題詠blog2015
001:呼 呼ぶ声にふりむいたけどあじさいのあいいろ淡いあわいひとひら
002:急 雨もまたなにかのしらせ交差する路面電車はさして急がず
003:要 必要とされないことのあかるさよビニール傘をひらいても空
004:栄 とうきょうはコンビニのなか清潔なパンに栄養表示をさがす
005:中心 くちびるをかさねたきみの中心の深い水へとおりてゆくこと
006:婦 はつなつの妊婦ははるか海をもつ円周率の永遠ほどの
007:度 酔芙蓉ゆめの鮮度は美しくいつもかすかにくるっているが
008:ジャム くるしいとおもうからまだだいじょうぶジャムひと匙をきれいにすくう
009:異 マネキンに異物のようなのどぼとけ夢ではパパもママもあたしだ
010:玉 ふらじゃいる ガラス玉にはせかいからとりのこされた青が光って

011:怪 まひるまのレモンゼリーをうつくしくくずすかなしい怪人のうで
012:おろか 身を引くも身をまかせるもまたおろかレモンの皮をひんやりと噛む
013:刊 どこへでもつうじるように両耳をひらく 週刊誌に秋の風
014:込 シュー生地のシューは擬音のひとつだということ込みでシュー焼きあがる
015:衛 衛星がわたしをまもりやわらかい焼き菓子みたいにねむる千年
16:荒 誰かの名をよんでめざめた(海の名を)はだしであるく荒れたガーデン
017:画面 ひつようのないものばかりうつしだす夜のテレビの画面、あかるい
018:救 手も足もちいさく折ってきょうわたし救急箱を棺としたい
019:靴 向かうべきところへゆけるのだろうか靴のうつろに足さしいれる
020:亜 水道のみずがあかるい きこえますか きこえますか わたくしの亜種

021:小 小説のようにふるゆき地上には聖地が足りずきみは出てゆく
022:砕 砕けてはまた満ち寄せる物語どこかへおいてきたかなしみが
023:柱 家はいつものがたりするわたくしはあおい氷柱をそだててねむる
024:真 夜のうちにとけはじめてたりんかくを真水でゆすぐ氷点下 晴れ
025:さらさら 直角にまがるさみしさ町の名をおぼえる気などさらさらなくて
026:湿 ゆきどけのまえに荷物をまとめよう湿り気のある風もここから
027:ダウン 用済みのダウンコートのやわらかくかさばるものをいだくいとしさ
028:改 なくしてもこまるものなどなくなれば改札口を抜けてゆく虹
029:尺 ゆるせぬとゆるすの尺度ひだまりはあるのに白線のこちらがわにも
030:物 訪れる春の数だけ名があって古い書物を閉架にしまう

031:認 生きるからよごれていくしよごすから承認画面に押しつけるゆび
032:昏 きのうよりきみがとおいね抱擁を昏い川だと思って渡る
033:逸 こんこんと夜の刺繍は逸脱をゆめみることりたちがあふれた
034:前 さくらばな、いそいでゆくな 千年も前にこの日を知っていたなら
035:液 めくるたびページを減らすゆびさきに消毒液のつめたいにおい
036:バス 誰も目をあわせず夜のバスはゆく魚影のようなまちだとおもう
037:療 満月の療養所から海までのながいてがみのようにあるいた
038:読 旅はいつもひとりだきみが読みさしのページにはさむたばこのにおい
039:せっかく すこし距離をかんじてほしいせっかくの浴衣をかくすように組む手を
040:清 清らかにひとつのたまの割れてのちはなびはきえる 闇をのこして

041:扇 まがらないまなざしはあるきみの手にたたみこまれた扇子の漆黒
042:特 特にないと答えてそっと手離した紙ひこうきが川を越えゆく
043:旧 さびついた旧国鉄の路線図にさがす行くことのないまちの名
044:らくだ ゆっくりとかたむく月に気づかないきみはいつまでらくだのたばこ
045:売 地下道にコンテナ置いて野菜売る人のとなりに詩を売るひとが
046:貨 貨物車とぬるい夜風がすれちがう遠いものほど手をのばしたい
047:四国 いくつかの問いは涌き立ちとなりあう四国のようにかたちをつくる
048:負 負けることきらいなきみに書き送るみどりのインクゆびをよごして
049:尼 死とエロス森にとどまる尼たちのひそかな呼気もみずをふくんで
050:答 たぶんその答えは耳にそぐわないひかり ひかりはまっすぐにくる

051:緯 詩集から落ちたひかりが乾いてる緯度の高いまちのあおぞら
052:サイト 理由なら聞かずにすごす 地上絵のサイトに鳥をきょうも見にゆく
053:腐 腐りゆく実のあかさとかあまさとかそれでもきみといたいこととか
054:踵 いっぽんの針として飛べるかもしれず踵きれいにつけて立つとき
055:夫 飛ぶための工夫のはてにすてられた線路のようで、あさはさびしい
056:リボン 受け取り人のいないてがみのようにリボンは風にきえてしまった
057:析 かさかさと薄まるそらの分析をすれば一枚いちまいが秋
058:士 雨にしずんだ森をあなたはみたろうか 救急救命士は来たろうか
059:税 いいえいいえそれはわたしのあまみずです 税関の手が次から次へ
060:孔雀 同じ人と同じことをくりかえし孔雀の国は遠いとこなつ

061:宗 ききわけのいいこだなんて 宗主から銀をまぶしたケーキがとどく
062:万年 署名して万年筆をおく きっときっとわたしにうまれかわるよ
063:丁 手続きのひとつのような死であれば丁寧にパンケーキ焼く午後
064:裕 ふりかえる余裕ならまだほしくないケーキ皿にみっしりケーキならべて
065:スロー ラジオからスローバラード聞かれないわたしと聞かないきみのあいだに
066:缶 空き缶が時代のようにさみしくて流星群のみえないよふけ
067:府 これまでもこれからもそこにいる政府 花は花のままねむりきる
068:煌 生年と没年あわく引きむすぶあれはゆきむし煌めきながら
069:銅 いちにちがはじまりふたり青銅のまぶたをさらす朝焼けだろう
070:本 いつのまにかわたしの本とすりかわる父の言うこと、母の言うこと

071:粉 いつまでもこどものような戸籍名ゆめのあいだに天花粉降る
072:諸 おやゆびのやくめについて諸説ありつり革にのこる誰かのぬくみ
073:会場 会場にしずんでいった編年があり聴衆はまだ生きている
074:唾 唾棄すべきことのいくつか きみだって過去からの人 遠いかみなり
075:短 しあわせであるようにまだ会うことのないひとのため短く祈る
076:舎 宿星のはるか駅舎に窓ひとついのりのような常緑の樹は
077:等 もみの木をゆらしつづける不等号、符号、轟音、音符、温度差
078:ソース まぜるのは消したいからよサバイヨンソースにみんなみんなつれてく
079:筆 おおぞらに冬の絵筆の冴えた青 かなしいことはもうおこらない
080:標 あとはもうしずまるばかり標本にガラスのふたをすればみずうみ

081:付 詩集からおちた付箋がみつからずただつもりゆく雪を弔う
082:佳 びろうどのゆめからさめてひとりでもゆくだろうひろびろと佳い庭
083:憎 みずに浮くりんぷんみたいな憎悪してきょうまた鍵をひとつふやした
084:錦 わからないままのことばもうつくしく錦は浮かぶ油膜のうえに
085:化石 ひややかなせかいの化石 いくときはどこへ行くのかだれもいわない
086:珠 こうやってとかせばあどけない雪をのせて真珠のまぶたはとじる
087:当 雪の夜は深海ずっときみにだけたどりつかない不当なほどに
088:炭 かわききった道をひとすじ持つからだ炭酸水がひりひりと刺す
089:マーク 星マークの寝台車両とおりすぎ舞い上がる雪のけむるむらさき
090:山 沈黙はつねにせかいを公平にする 山として乳房をひらく

091:略 そのままのわたしがめざめまたねむる略語だらけのまちのかたすみ
092:徴 徴候のつめたいゆびがふれてくる冴えた朝には白い風花
093:わざわざ いくときにわざわざ名前呼ぶ時に ひかりがとどけばそれもかなしい
094:腹 お腹にはなにもいません編みかけをほどいてただの毛糸にもどす
095:申 申し込むときは目を見て言えたのに ラテのハートがにじんでしまう
096:賢 まっしろなLEDの電飾にひとしくきよい賢者も愚者も
097:騙 真冬にもいちごをかざりひとびとは神の不在をやさしく騙す
098:独 孤独とは砂の方舟だれといてなにをしてても違う気がする
099:聴 (これいじょうすきになれない)角砂糖のおぼれるおとがふいに聴こえて
100:願 願わなくなる日はきっとこないだろう おなじ木をみる、きみのとなりで

完走報告(杜崎アオ)

2015-11-30 00:41:02 | 題詠blog2015
走り終えました…!

締め切り間際に投稿してる方が何人もいらっしゃったので、とても心強く感じました…(´;ω;`)

五十嵐さま、参加者のみなさま、ご覧くださったみなさま、本当にありがとうございました。

100:願(杜崎アオ)

2015-11-30 00:33:40 | 題詠blog2015
願わなくなる日はきっとこないだろう おなじ木をみる、きみのとなりで

099:聴(杜崎アオ)

2015-11-30 00:31:24 | 題詠blog2015
(これいじょうすきになれない)角砂糖のおぼれるおとがふいに聴こえて

098:独(杜崎アオ)

2015-11-30 00:29:13 | 題詠blog2015
孤独とは砂の方舟だれといてなにをしてても違う気がする

097:騙(杜崎アオ)

2015-11-29 11:19:38 | 題詠blog2015
真冬にもいちごをかざりひとびとは神の不在をやさしく騙す

096:賢(杜崎アオ)

2015-11-29 11:16:49 | 題詠blog2015
まっしろなLEDの電飾にひとしくきよい賢者も愚者も

095:申(杜崎アオ)

2015-11-29 11:14:02 | 題詠blog2015
申し込むときは目を見て言えたのに ラテのハートがにじんでしまう

094:腹(杜崎アオ)

2015-11-29 11:09:41 | 題詠blog2015
お腹にはなにもいません編みかけをほどいてただの毛糸にもどす

093:わざわざ(杜崎アオ)

2015-11-29 11:07:52 | 題詠blog2015
いくときにわざわざ名前呼ぶ時に ひかりがとどけばそれもかなしい

092:徴(杜崎アオ)

2015-11-29 06:17:08 | 題詠blog2015
徴候のつめたいゆびがふれてくる冴えた朝には白い風花

091:略(杜崎アオ)

2015-11-29 06:13:52 | 題詠blog2015
そのままのわたしがめざめまたねむる略語だらけのまちのかたすみ

090:山(杜崎アオ)

2015-11-29 06:09:29 | 題詠blog2015
沈黙はつねにせかいを公平にする 山として乳房をひらく