脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

米沢市「なごみの部屋」の実践報告3-認知症対応型通所介護事業所「ぷちハウスなごみ」

2016年12月10日 | 施設での実践

「なごみの部屋」研究会の報告が続きます。ここで使っている画像も、発表の前に私が目を通したパワーポイント原稿からのものです。(パソコンからだとパワーポイントから読み込んだ画像がきちんと見えますが、iPadからだと見えないものが混じります。訂正できないのです。ごめんなさい)
3番目の発表は「認知症対応型通所介護事業所」からの発表でした。
 
この「認知症対応型通所介護事業所」を利用する人たちの脳機能レベルの内訳です。中ボケレベル(MMS23~15)の方が28%、大ボケレベル(MMS14以下)の方が50%、MMS測定不可が22%・・・
MMS測定不可ということは、単語や短い文章の復唱もできないし、物の名前も言えません。もちろん時や所の見当識は皆目わからない状態です。

「デイサービスセンターコスモス」の方々の脳機能レベルと比べると、「ぷちハウスなごみ」の28%の人たちが中ボケレベルなのでその層だけが多少は重なるかもしれません。今回発表したケースでいえば、MMS23点以下の2名は、失語症のためにMMSテスト点数の低下があったわけですから、生活レベルでいえば中ボケではありません。つまり「ディサービスセンターコスモス」利用者の方々と 被ることがない程、「ぷちハウスなごみ」を利用する人たちは脳機能の低下が進んでしまっているということです。

発表者のS木さんは、穏やかに噛んで含めるような説明をしてくれましたが、日々担当者はどんなに大変かと、気が遠くなる思いでした。

この下のスライドからは、大変さと苦悩までも伝わってきます。

働きかけのレベルが、「デイサービスセンターコスモス」とは全く違いますね。もちろん「お達者サロン」とは比べるべくもありません。それでも多少の改善はありそうです。脳機能がよくなったというよりは、本能により近いところで安全が認識された程度だと思います。どれほどの努力が注ぎ込まれたか考えるだけでも、もったいない!もっと早くから対応していれば…と歯噛みする思いに駆られます。
 
改善の傾向はあるのですが。半端じゃないほどの努力が注がれても、この程度しか改善できません。この努力をもっと前の段階で使うべきでしょう。
これだけ重度になっても、MMSをやる意味はあります。「残っている機能は何か」を知ることができるからです。

ここに掲げられた目標はその通、り正しいです。でも、MMSが測定できなくなってなお「その人らしさ」はあるのでしょうか?
もう一つの問題は介護者のストレスをどのように解消するかということも避けては通れないでしょうし、
 
厳しく解説を加えましたが、介護されている方たちの苦労を思うと胸が詰まります。さいごにS木さんが「先の発表のように、はっきりとした改善の報告ができたらと思います。努力はこれからも継続していきますが、すっきりと改善することは難しいと思います」と言われたとき、不覚にも涙が出そうでした。
認知症は前へ前へと、人生をさかのぼっていけば、必ず正常に社会人として生活していた時代があるのです。「お達者サロン」の皆さんのようにその時から予防しなくては。万一脳機能の低下が加速されても(行きつくところは大ボケです)、早めに見つけて生活改善すれば、脳機能は元気を取り戻すことが可能です。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 米沢市「なごみの部屋」の実... | トップ | 米沢市「なごみの部屋」の実... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

施設での実践」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。