女の一生

銀も金も玉も 何せんに まされる宝 子にしかめやも

優しい雨

2005年06月10日 | 嗚呼、青春の日々
あなたと初めて出会った時、ピンときた。
絶対この人はあたしにとって大切な人になる。
お互い最初から恋に落ちた。
魅かれあった。
すぐに付き合うようになって、そしてどんどん魅かれていった。

付き合ってから3ヶ月の月日が流れた。
そんな時に、あたしは偶然、昔大好きだった人の結婚を知る。
胸が苦しくて、しめつけられる様な気持ちになるあたし。
あたしはあなたにだだをこねて、こっそり結婚式を見に行きたい、と言った。
それで君の気がすむなら一緒に見に行こう、そうあなたは答えてくれた。
きっと心の中ではむっとしながらも、優しくて甘い声で答えるあなた。

季節は6月、梅雨の時期。
小雨がしとしとと降る日だった。

二人で傘を差しながらとぼとぼ歩く、あたしたち。
ちょっと元気のないあたしの手を、優しく引いて歩くあなた。

教会の鐘の音が響く。
純白のウエディングドレスを着た花嫁さんは、とてもキレイで輝いて見えた。
その隣で、幸せそうに、そして少し恥ずかしそうに微笑む、大好きだったあの人。

ぼんやりと眺めているあたしに、あなたは語りかける。

僕はいつか、この日のことを僕たちの子供に話すんだ。
こうして雨の日にふたりで手をつないで歩いたこと、
紫陽花がとてもきれいに咲いていたこと、
きみをとても好きだということを。
そんな日を僕は夢見ているんだ。

今日の雨は、なんだか温かくて、とても優しい。

帰り道は、相合傘で帰ろうか。

道端の紫陽花は、とてもきれいに咲いていた。


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事実をもとにしたフィクションです。
かなりきれいに書き過ぎた。

あたしってば本当に間の悪い女なんだよね。
どうしてこうもめぐり合ってしまうのか・・・。

短大を卒業した数年後、あたしはとあるプロダクションでバイトしてました。
そこは、イベントや結婚式のプロ司会、地方テレビやラジオのリポーターやナレーターなどを派遣する会社。
そんな事務所で電話番やスタッフのスケジュール管理、簡単な経理をしていました。

そんな仕事をする、とある日のこと。
いつものように、結婚式のプロ司会発注のFAXが送られてきました。

手にとって見ると、そこには見慣れた名前が・・・。


そう、それは前に大好きで、ストーキングしてた(笑)レイジの名前でした。
(参照:レイジ


こんな巡り合わせってあるもの~?!


その時、すでに詩人と付き合いだした頃。
彼のことは大好きでしたが、あまりに突然なレイジの結婚が衝撃的で、ショックで泣きました。

そんな悶々とした複雑な気持ちを抱えながら迎えた、レイジの結婚式当日。
あたしはどうしてもレイジの結婚式を遠くからでも一目見たくて、
泣きながらゴネていたら(わがまま)、彼は優しいので一緒に行こうと言ってくれました。
ええ、本当に神様のような方です。

本当は教会まで、グチグチとケンカしながら行った覚えが・・・。(苦笑)
詩人の彼は、手のかかるしょうもない女だな、といった諦めの境地でもあったと思いますよ。

それでも優しくて、深い愛情を注いでくれた彼。
この日から、詩人はあたしにとって絶対的な存在になった気がします。
こんな間の悪い巡り合せも、人生どう転ぶかわからないもんですね。


紫陽花を見ると、この日のことを今でも思い出します。

年とると、どの季節も思い出ばかりでいや~ね。(笑)


紫陽花つながりでTB送らせて下さい♪
☆takeさんの紫陽花の風景
☆モケーレさんの紫陽花

【追記】
☆takeさん演出の優しい雨
☆きみ駒さん作、ふたりのその後の『優しい雨』
おふたりのおかげで、ますます素敵なお話になっていて感動です。

☆ぷよぱぱさんの「浮気モノ?!」
紫陽花にこんな素敵な意味があったとは知らなかったぁ。


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39 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
思い出って・・ (たまご王子)
2005-06-10 14:58:08
いいですよね。

そして、かなり美化されるけど・・・。(笑)



詩人の彼なかなかいい人ではありませんか。

一緒に行ってくれる男なんて、なかなかいないと

思いますよ!(そう思うのは私だけかな??)



タイトルの「優しい雨」って、

同じタイトルの歌、小泉今日子が昔歌ってましたよね??





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アメねぇ~ (Mondo)
2005-06-10 15:43:22
私が あげはさんの立場ならば・・・

やっぱり結婚式を見に行くだろうなぁ

でも、彼とは行かないかな?

別になにがあるわけじゃなくても

昔の彼(好きな人)っていうだけで

なんだか後ろめたい気がするから・・・。



未練ってことじゃないけど

昔の彼(好きな人)が今頃どうしてるか

なんとなく気になるものですよね。
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詩人さん (うり坊)
2005-06-10 15:52:55
尊敬します。

うりには絶対に無理だと思う…

思い出は思いっきり美化しましょう!

自分だけの宝物ですからね

だいたい

そうでもしなけりゃ

生きてられん

ψ(-▽-)ψウケケケ

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おぉ。 (フジコ)
2005-06-10 16:37:24
センチで、とてもステキな思い出。。

「優しい雨」のタイトルにもピッタリですね。

ちょっとウットリしちゃった。



フジコも思い出の旅にでちゃおうかな♪
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やっぱり (m帆)
2005-06-10 17:42:14
詩人はいい人すぎるよ~!!あげはにはもったいな・・・いやいや、あの頃はまだまだ子供だったんだよね。



求ム!!あげはの全てを受け入れてくれる殿方!!



う~ん・・・いるかなぁ・・・
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すんません・・・ (紗雪)
2005-06-10 17:47:48
な・・・泣けました(涙)



すごいなぁ、詩人さん・・・。

すごいなぁ。

こんな風に愛されたら幸せだろうなぁ・・・。



思い出の美化はありきです。多分。

さゆもそうだと思うとこあるし。

リアルタイムはドロドロだったりも・・・する(苦笑)



でもねぇ。思い出。

ちなみに、6月と雨は、ツライかな、さゆにはね・・・。

姉さんの言う通り、

確かに歳とると、どの季節にも

様々な思い出がゴッソリあって・・・

懐かしくもあり、痛くも・・・あるかなぁ。

全くなんもナイよりはいいのかもね。



大事にしてね。思ひ出。

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コメントありがとうございます。 (あげは)
2005-06-10 18:24:24
すいません、今から羽を広げ、羽ばたいてきますので、またゆっくりお返事しま~す。

皆さんも良い週末を!

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今日 (カオリ)
2005-06-11 00:00:17
「優しい雨」歌ってきました。



いい歌だよね。
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もし彼女にそんなこといわれたら (LOVIN)
2005-06-11 02:10:35
OK。ですね。普通に結婚式見に一緒に行きますよ!



オイラは見に行く方が「想い出になってる」って感じで問題無いけどなぁ・・・妬かないよ。



「妬かないよ、妬かないけど。帰りは二人でメシ食って帰ろうね!」って言う。

(なんだかんだ言ってちょっと心配 笑)
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Unknown (take)
2005-06-11 04:34:39
トラバありがと。

で、私もアゲハ原作、演出takeで、書いてみました♪

恥かしいけど読んでみてくださいな。
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