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中韓、ウソ並べ世界に「反日」浸透 「外交危機」認める河野太郎外相がなすべきことは?

2018年01月17日 10時46分13秒 | 国際・社会
 河野太郎外相(55)が8日、地元の神奈川県茅ケ崎市の会合であいさつした際、「日本の外交は危機に直面していると言わざるを得ない。今までと同じことをやっていたのでは国益を守ることはできない」と発言した。さらに、中国が他国で道路や橋などのインフラを整備していることに触れ「(海外の)どこへ行っても建設現場には中国語の看板がかかっている」と話したほか、国際会議などで日本の主張が通りにくくなっているとの認識も示したという。

 日本の外相がここまで率直な危機感をあらわにしたことを歓迎したい。年頭にスリランカやモルディブなどへ実際に足を運んで中国の動きを把握したからこそ、こういった認識を表明することができたのだろう。だが、河野氏の認識は周回遅れだと思わざるを得ない。というのも、中国の国際社会の浸透ぶりは驚くほど進んでいるからだ。


中国のインフラ整備に変化

 インフラ整備で中国が先行しているのは旧聞に属するといっても過言ではない。最近では、パキスタンのグワダル港やスリランカのハンバントタ港のように、中国から支援を受けて港湾施設を整備したものの、自国で管理できずに中国国有企業に管理権を譲渡するケースも出ている。時間とカネをかければ、争って領土を奪うことなく軍事にも転用できる外国の拠点を手中に収めることができるようになっている。

 また、これまでは中国といえば「悪質なインフラ整備」の代名詞といわれてきたが、実態は変わり始めている。

 アフリカのある国では、日本企業よりも中国企業の手がけた道路整備のほうが出来が良く、地元住民は中国が整備した道路を「日本がやった」と誤解するほどだという。東南アジアの国でも、日本企業は悪質な道路整備のやり直しを強いられたケースもあるほどだ。こうした状況を詳しく知る関係者らは「中国も学んでいる。いつまでも質のいいインフラが日本の専売特許というわけにはいかなくなる」と指摘する。

 だが、インフラ整備は目に見えるだけましかもしれない。もっと恐ろしいのは目に見えない教育や思想面での中国の浸透だ。


教授が批判の的に

 近い将来、日本でも起こりそうな出来事と思う事態がオーストラリアで起きている。

 昨年8月、ニューサウスウェールズ州にある国立ニューカッスル大学の講師が、台湾と香港を「国」と表現した教材を使ったことが大きな騒動となった。現地紙などの報道によると、講師はソーシャルメディアで中国人の激しい攻撃にさらされた。

 さらに、教材を問題視した中国人留学生たちは、講師とのやり取りを秘密裏に撮影し、その動画を現地の中国語メディアに提供した。動画で学生は「すべての学生の感情に配慮しなければいけない」「中国人学生はこのクラスの3分の1もいて、あなたは私たちを不快にさせた…生徒に敬意を払うべきだ」などと講師を非難した。これに対し講師は「気分を害したのであれば、それはあなたの意見だ」と応えたという。

 中国語メディアによると、在シドニー中国領事館も出てきて、同大に見解をただしたという。

 オーストラリアでのこうした騒動はニューカッスル大で4例目という。同国最古の名門大学、シドニー大学では、IT講師が授業で使用した地図で中印国境沿いの地域がインド領とされていたことに留学生グループが激怒し、中国版LINE「微信(ウィーチャット)」に書き込み、講師批判が起こった。学生たちは講師の謝罪を要求し、大学側が講師に代わって謝罪する事態にまで発展したという。

 事柄の性質は異なるが、ほかにも講師や大学側が中国人留学生から突き上げを受けるような事態が相次いでおり、国内では学問の自由が脅かされているとの懸念が広がっている。

 オーストラリアの大学に在学する中国人留学生は13万人といわれる。中国人留学生の受け入れは資金難にあえぐ大学には欠かせない存在だ。それだけに、大学側が中国人留学生よりも弱い立場にならざるを得ない現状が背景にあるとの指摘もある。


中国人同士の監視?

 異なるケースもある。大学に関する情報提供オンライン雑誌「INSIDE HIGHER ED」は1月3日付で「学者と政治家が中国政府による国際的な学究的環境への影響を懸念」とする記事を配信した。

 記事は、ある講師の体験を紹介している。それによると、この教員が米国の大学で教鞭をとっていたとき、中国人留学生が1989年の天安門事件での民主活動に関する発表を行った。すると、この発表のことが中国政府に勤める学生の父親の上司の耳に入り、上司から父親に「知っておくべきだ」として伝えられたというのだ。

 また、同じ講師がオーストラリアの大学で体験したのは、中国人の女子留学生がチベット人の焼身自殺について発表したことが、中国にいる両親に報告されていたことだった。講師は同誌に「教室にいた誰かが中国に伝えなければあり得ない」と語っている。中国人同士の監視によるものだろう。

 中国国内で、中国人同士を監視するのは勝手だが、外国、それも言論の自由や表現の自由などが中国共産党の思想よりもはるかに尊重される民主主義国家で、中国人留学生が自国の思想を持ち込んで民主主義を脅かす事態はもっての外である。

 そういえば、昨年は英ケンブリッジ大学の出版局が、中国研究誌「チャイナ・クオータリー」のウェブサイトに掲載された論文約300点について、中国の要請に基づいて中国からの接続を一時遮断した。論文は天安門事件やチベット、台湾問題などに関するもので、中国国内での研究が難しいテーマばかりだという。接続遮断を要請した中国の意図は分かりやすいほど明白だ。

 中国お得意の検閲を海外にまで強要するのはあり得ないが、伝統あるケンブリッジ大学でさえ、中国国内での英語教材の販売中止を突き付けられ、中国の要請に一時的であっても屈してしまったことは悲しいことである。


歴史戦に目を

 話は河野氏の問題意識に戻るが、河野氏にはインフラ整備だけにとどまらず、歴史戦にも目を向けてもらいたい。どれだけ歴史がねじ曲げられ、日本の名誉がおとしめられているか。この状況こそ危機的ではないのか。

 中国や韓国が慰安婦問題、南京事件、徴用工などの歴史問題を“武器”に、膨大なカネと外交力を駆使して日本をおとしめようとするのは、日米を離間させ、日米同盟を弱体化させるためだ。だから、米国をターゲットにした反日活動は根強い。

 中韓などによる反日活動は侮れない。極めて戦略的である。日本は過去の出来事について被害者に一切謝罪していない、責任を認めていないなどと嘘を並べ立てて、日本外交の信頼性をおとしめるのだが、中韓は長い時間をかけて、欧米やアジア諸国の政治やシンクタンク、大学・大学院などでこうした主張を浸透させる。

 その成果は思わぬところで突然、表面化する。日本と良好な関係にあるフィリピンの首都マニラで、慰安婦像が突然現れたのも、中韓や日本の一部による活動の結果と推察できる。

 それなのに、日本政府は中韓や日本国内の一部が流布する嘘をただしてこなかったどころか、嘘を容認するかのような曖昧な態度に終始してきた。最たるものは平成5年、慰安婦募集の強制性を認めた河野洋平官房長官談話であることは言うまでもない。

 河野太郎氏は外相に就任する前は外務省の無駄を省くことを重視し、外務省とぶつかってきた。おかしなことをおかしいと言う姿勢は貫いてもらった上で、ぜひ、これまでの言うべきことを言わないままできた日本外交を修正して、外務省を「外国と仲良くするための組織」でなく「日本のために闘う組織」にしてもらいたい。日本外交が直面した危機を回避するには、外務省自身が変わらなければ何も始まらない。河野氏はこの先頭に立ってほしい。