平々凡々 されど日々新たなり  ~この指に 止まってくれる 風を待つ~

ゆく川の流れは絶えずしてしかも、もとの水にあらずとか-。「今までのこと これからのこと 何気なく感ずる小さな夢のことを」

OUJ(放送大学)の旅・心理学探究 (13) ~自己効力感~

2015-02-03 | 放送大学(OUJ)

     

             ~散歩路に見る雲々とその時々の光~

 ’15.2.3(火)

下記は心理学学習初期の頃(3年ほど前)、東京に住む知人にあてた返信メールである。

この頃の私の心境を懐かしく垣間見ることができ、忘れないためにも今ここに提示しておこう。

 

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「Rモード」全開のMさんへ 

 

こんにちは。

読みましたよ。「気付力が夢を叶える!」

お送りしていただいた本の読後感をお礼がてら述べてみます。甚だ自分よがりな所があるかとは思いますが、

気になさらぬよう素通りしてお読みください。

 

地域で生活するようになって5年ほどになりますと、ごく平凡な地域社会の枠に収まることも必要なこととなり

区長やら氏子総代やらおよそサラリーマン時代には考えてもいなかった現実的な時を、習慣性と大衆性を帯

びた役割の中で過ごしております。

さて、

毎年いただく年賀状からもあなた様の気力は十分伝わってきましたがそれが“気付力”だったとは存じません

でした、正直--。

 

読んでみてナルホドと意気に感ずる場面がたくさんあります。

潜在的な力を、意識して引き出す次元から知らず知らず実現させる次元へと高めていく過程がこの本の中に

詰まっておりました。

 

私の知る複数の自律的な学習論、

一つは「達成動機づけ」というアトキンソン説、

一つは「自己効力感」というバンデューラ説、

一つは「原因帰属」というワイナー説、

から知りえた限り、

教える側からの働きかけだけでなく、学習者自身が自分の動機づけをコントロールすることこそが大切だと

思っていましたから、この著書の内容に大いなる共感を覚えました。

 

いずれの説も「達成場面」を想起するところに源泉があり、まさにこの本の中でバンデューラの名を見たとき

は心震えるものがありました。

 

 1981年バンデューラの実験「目標設定による自己動機づけと、目標設定の違いによる効果に関する研究」

によれば、自己効力は、一日当たりの目標が適度に挑戦的で目標に達したという達成感をその日のうちに

味わうことができる「近い目標」群でもっとも効果があったのに比し、「大きくて遠い目標」群の効果は、目標を

設定しない群とほとんど変わらなかった、といいます。

 

つまり、

よく「目標は大きいほどよい」と言われますが、大目標のままでは効力期待も低く行動に移せないので小さな

目標に分解することが有効というわけです。小さな目標なら「自分にもできる」という効力期待を持ちやすいの

でしょう。

小さな達成感を何度も経験することで「自分はやればできる人間なんだ」という自己認知が形成されてくると

いうことから、

結論、

「効力期待」を高めるには「大目標より小目標」なのだ!!

 

私が心理学に興味を抱いた経緯は以前お話ししたようなことのほかに、にほんご教育に関心があったからで、

私にすればにほんご教育の歴史と潮流において心理学はいかなる意味を持っているのか、を知りたい、と

思っているのです。

 

資格を取ってそれを機に社会に出るという大それた気持ちは、70歳に近い現在ではもはや毛頭なく、心理学

という学術的な環境の中に自分を投じてみたいと思っているだけです。

 

3.11即ち東北大地震と福島原発事故以降、

日本人は何を根拠に社会生活を営むべきか、私たちの生活は人と人との相互作用がどれほどその基盤となっ

ているのか、がより鮮明になってきました。

 

数少ないとは申せ、

あなた様からの便りがいつも新鮮でわが人生への刺激となっていることは間違いなく今回も例外でありません。

 

大きな目標も小さな目標から成立する、という気持ちを忘れることなく、いつの日かあなた様に心理学との

関係性においてにほん語教育や地域にほん語ボランティア学習に新しい問題提起ができる日の来るその報告

のできますことを期待せずにお待ちください。

 

いただいたあなた様の健康そうな写真を見て、20数年前海外関係の職場でご一緒した当時の明るくて気分が

大きいあなた様が当時の最先端ワープロであった富士通社のオアシスを自由に扱っている姿を思い出しました。 

メール、長くなって申し訳ありません。

また

何かありましたら元気になるネタ話など教えてください。

 

それではお礼かたがた報告まで。

急な寒気にお気をつけくださり、

いついつまでもお元気で。

 

話のわかりあえそうな“ハツラツMさん”へ

自然豊かなわがふる里の地より、

K.A