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求令状起訴

2015-05-07 | 続・むささび日記
求令状起訴について、相談があったので備忘録として。


まず、求令状起訴というのは、検察官が、起訴の際、起訴状に「求令状」との記載をし、それを契機に、裁判官が職権で勾留するか否かを判断するのが実務上の取扱いを言います。

何でこんな扱いがあるかというと、勾留と行った身柄拘束には、その効力はその被疑事実にしか及ばないという事件単位の原則があるため。
たとえば、起訴前勾留された同じ罪で起訴された場合、自動的に起訴前勾留が起訴後勾留に切り替わります。(自動的にとは、改めて勾留裁判をすることなくという意味です。事件単位の原則にも反せず、起訴前勾留の段階で裁判官が審査しているから良いだろうという発想なんでしょうが、個人的にはどうかなと思います。)
ところが、A罪で起訴前勾留して調べていたら、実はB罪だったのでB罪で起訴したという場合(例えば、窃盗だと思ってたら、意外に強盗事件だったという場合)、自動的に起訴前勾留を起訴後勾留に切り替えると、事件単位の原則に反しますので、起訴後勾留の裁判が必要となります。

この場合、起訴した時点で、起訴前勾留の効果が無くなりますので、被告人を釈放しなければなりませんが、起訴後勾留の裁判がなされるまでの間、被告人の身柄を拘束する法的根拠がありませんので、その間に逃げられたら検察も裁判所も困ってしまいます。
それを何とかするために、検察から先に裁判所へ「求令状」ですと事前に連絡して、起訴と同時に被告人に勾留質問をおこないその場で起訴後勾留の裁判をすることで、身柄拘束のタイムラグを無くそうという扱いをしています。それを起訴状に書いているのは、間違えないようにという配慮からでしょうね。(規則164条第1項2号からは、「逮捕又は勾留中」と書けば良いだけで「求令状」まで書く必要は本来ありません。)

で、求令状の場合、何が問題となるかと言えば、被疑者段階の弁護人が起訴によって解任され、起訴後勾留の決定がなされて裁判所から国選弁護人が再度選任されますので、その間、弁護人が居ない状態になります。ですので、起訴後から保釈請求ができるのですが、求令状の場合、国選弁護人が選任されるまでのしばらくは、弁護人による保釈請求は望めない場合がでます。いわゆる弁護人の不在です。

あと何でそんな求令状をするのだろうという場合、例えば、◯月◯日の覚せい剤自己使用罪(A罪)と×月×日の覚せい剤自己使用罪(B罪)が判っていて、最初、A罪で起訴前勾留をとって捜査し、その後、B罪でいわゆる求令状起訴をする。そして、第1回公判までにA罪を追起訴するという扱いがあります。 否認事件であれば、たまにある例だそうで、当初は、新種の嫌がらせか若しくは弁護人への便宜を図っているのかよくわかりませんが、あとで、判ったのは、裁判官の勾留質問での返答で被告人の自白を期待している場合があるとのこと。あとで、それを証拠として出す腹であったらしい。
まあ、油断も隙もありません。(>_<。)

それから、求令状起訴による起訴後勾留の争うのに、どうすればいいのか。
基本は、普通の起訴後勾留と同じですので、本筋は、保釈でしょうね。ただ、保釈そのものは起訴後勾留が有効であることを前提にしますので、厳密に争うのであれば、準抗告か勾留執行停止によることになるでしょうね。
まあ、保釈であれば、その可否は単独の裁判官で審議しますが、準抗告の場合、裁判官の合議体で審理をしますので、田舎の裁判所には準抗告は答えるようです。(^_^;)

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