熟メン茶々丸の「毎日が美びっとカルチャー」

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映画 関ヶ原

2017年09月07日 | 【映画・ドラマ・演劇】

ポスター画像

原田眞人監督による関ヶ原を観賞。

司馬遼太郎の歴史小説を基に、豪華キャストで天下分け目の関ヶ原を舞台に繰り広げられる戦国大作の関ヶ原、原田眞人監督により石田三成を岡田准一が、徳川家康を役所広司が演じ、西軍と東軍に分かれて豪華なキャストで描かれています。

今回の作品、賛否両論が沸き起こっていますが、僕は、好意的に今回の作品を捉えています。それは、2時間29分の短い尺の中で、いかにして原作を描き切るかに苦心されているからです。それは、今の日本映画界の抱えるシビアな実情とかつての連続ドラマや年末ドラマなど、原作に忠実になればなるほど、映画としての尺の限界があるからです。

もし原作に忠実に描くためには、少なくとも前半、後半にわけて描く必要があり、今回の劇場で観賞してみて原作を知らない世代の人も観賞している事実を知ると、もし前後半に分けていたら、興行的には失敗することは明らかです。また、多彩な登場人物の関ヶ原の戦いにいたる、細かな心理描写に映画では限界があります。

そこで、関ヶ原の中心人物である豊臣秀吉と石田三成、徳川家康を中心に描き、戦国時代で石田三成が貫いた義をテーマに描いているところを、個人的には評価しています。

個人的には原田監督の描く社会派ドラマが好きで、その手法は多岐にわたっていますが、今回は司馬遼太郎という偉大な歴史小説家に敬意を評するがゆえに、あえて監督の特色を消し、登場人物の姿を役者の個性で再現している点では十二分に成功していると思います。

たとえば、義に生きる石田三成の姿は正義感あふれるイメージが定着している岡田准一、晩年、悪政により人間としての罪を背負い死に向かう秀吉をあくの強い個性派俳優の滝藤が、そして、今までの役者像を覆すように、狸の異名を持つ家康をその外見と内面を見事に演じた役所が、ままた伊賀の忍びには、初芽や阿茶に有村架純や伊藤歩をキャスティングし、また島左近の平岳大や大谷刑部の大場泰正など、次を担う中堅の俳優が演じ気を吐いています。

この作品を機に、時代劇の大作に対する認知が広がり新しいファンを取り込みながら、司馬遼太郎の原作への興味が高まれば、歴史ドラマの映画化に希望が見出されると思います。その意味でも自らの眼で見て評価することが大切です。

 

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