熟メン茶々丸の「毎日が美びっとカルチャー」

長沢芦雪展 愛知県美術館

江戸絵画における奇想の画家の一人、長沢芦雪の本格的な展覧会が愛知県美術館で開催されています。僕も5日の内覧会にて観賞してきました。近年の若冲ブームの中で、常に脇役の存在であった芦雪が今回の展覧会で日の目を見たことは、芦雪ファンの僕にとっては感慨深い展覧会でした。

会場には、ニアミスで日曜美術館でおなじみの俳優の井浦新さんも、芦雪ファンの一人として来館されてましたが、芦雪の発想と卓越した筆さばきに感嘆されてました。

長沢芦雪は、江戸絵画の巨匠、円山応挙の弟子であり弟子としては決して優等生ではなかったようです。しかしながら、応挙もその実力を認めていたことが、同じ題材に作品を比較する展示でよく理解できます。時に精密に時に指をも筆に変える大胆な描写など、以前は芦雪の自由奔放な部分に目が向いていましたが、動物や唐子などにみられる細密な作品の中にある巧妙な動きなどは、若冲の発想とは異とし大胆不敵です。また、具象と抽象が混在する屏風絵には、二つの空間が同居しながらも独立した作品としても完成されたジャンルを超えたおもしろさを感じます。

今回は、和歌山県無量寺の龍と虎の襖絵が展示再現され、また、若冲ブームの契機となったプライスコレクションの芦雪の傑作「白象黒牛図屏風」も展示され芦雪が得意とする生き物たちが会場内に満ち満ちています。

25才で応挙の弟子となり45歳の若さで亡くなる僅か20年の間に自らの画業を駆け抜けた異端の絵師の生涯を目撃してみてください。






ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「【美術鑑賞・イベント】」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事