Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

イタリアのセルジオさんの質問と、外向き志向の日本人

2011年09月30日 | 友人・知人

フランスのペンフレンドを募集したとき、イタリアの50代始めのセルジオさんと言う男性からも、「私はフランス人ではなくて申し訳ないのだが、私をあなたの友人グループのひとりに迎えてくれませんか?」というメールを貰いました。

イタリア人ははもうすでにペンフレンドがいるので増やすつもりはなかったのですが、その文面がなかなか誠実そうだったので、彼には、「私にはトリノに2名、ミラノに1名、ボローニャに1名の定期、不定期の文通をするペンフレンドがいますが、もしそれが気にならないのでしたら是非」と返事をだしました。

彼は、「友人グループの一人に加えて」と言ってきたくらいなので、それも気にならないようで、こうしてすぐメールの交換が始まりました。

さて、このセルジオさん、普通のペンフレンドとはちょっと違って、簡単な自己紹介のあとにいきなり、「日本では、ここ数年、鬱傾向がある人が増えていると思いますか?特に女性に。」と聞いてきます。

日本人と心の病については、ドイツの心理学者・セラピストのトーマスさんとも話題にするのですが、輸出コンサルタントをしているこのセルジオさんが聞いてくるのは、ちょっと訳がありそう。

とりあえず、

「日本には、確かに鬱症状がある人は増えていると思います。それは、主に仕事に関連-無理な労働、ワーキングプアー、失業、職場環境の問題-が発端になっているものが多く、むしろ女性より、男性の方が増えているのではないか、と個人的には感じます。まあ、これは日本に限りませんが。

しかし、日本の場合は鬱を含む心の病をタブー視する傾向もあって、本当は治療なりセラピを必要とする人でも自分一人でかかえこみ、その結果自殺に至るケースも少なくないのでは、とも思います。」

と感想を述べ、このあとに

「ところで、この鬱傾向を持つ-実は私が今までペンパルサイトで出会い、メール交換をしてきた人たち-日本人、外国人に限らず-には少なくない気がしますが、こうした人の場合『心から話ができる人を求めている人』を求めてペンパル募集をしているようにも思えます。あなたも、そういうペンフレンドを持っているのですか?」

と振ってみました。

案の定、セルジオさんは日本人の親しい友人(というよりパートナー)、そしてやはりペンフレンドと話していて、こういう感想を持ったと答えてくれました。

そして彼は、

「日本の社会は、体面を重んじる、そして家庭でも職場でもオープンなコミュニケーションがとれないのではないか-若い人たちはどうかわからないけど、友人やペンフレンドと話していると、そう思ってしまう。」

と。

この後の私の返事は以下。

「セルジオさんが接してきている日本人というのは、海外に留学したり、おそらく欧州文化大好きな人たちであるのではないでしょうか。

そうした人たちには、(私が勝手に命名したものですが。)『国籍同一性障害=日本人でありながら、日本以外にいるほうがしっくりする。重くなると、日本にいると息苦しくなる人』も若干います。

日本は体面というよりも、家庭のおいても職場においても『皆が同じ』であることを求められることが多いので、彼らは日本にいることでリラックスができない、思いつめる人もいるのではないか、そう思います。」

実は『軽い国籍同一性障害』でもある私は、こうした人たちのイライラが理解できます。

また、このなかには、仕事を辞めて海外に語学留学をしたりする人もいて、語学を身につけてきたものの、日本でそれを活かす場がないことにがっかりしたり・・・という人もいるでしょう。

以前、『内向き志向の若者』

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20100619

を書き、ここで私は「・・・『英語ができる、海外に興味を持っている子』だけが優れていると思いませんが、得てしてそういう学生達(未知の世界に興味がある子達)のほうが、自立し、自身で考える力が身についているのだろうな、とは思います。」と書きましたが、この『自立、自身で考える力』を大切にする文化が日本はまだ発達途上で、これが『内向き志向』を増やす原因のひとつである気がします。

(もちろん、『重度の国籍同一性障害』の人たちの場合は、日本の環境以前に、彼ら自身に問題があるケースが多いと思います。)

コメント
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