Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

まずはグロービッシュから

2011年02月11日 | 教育

Newsweekの日本版は、私のお薦めサイトなのですが、その特集記事に『非英語圏のEnglish~英語じゃなくてグロービッシュ』

http://www.newsweekjapan.jp/stories/2010/11/post-1809.php

というものがあります。

記事を読んでいただければ分るのですが、『グロービッシュ(GlobishGlobalEnglish)』とは、『語彙が少なくて表現もシンプルな英語 / 英語が母国語ではない人も言いたいことを容易に伝えられる新しい言語』ということです。

“・・・ネリエールは日本IBMにいた90年代、英語が母語ではない人が話す英語のほうが、英米人よりずっとうまく韓国人や日本人の顧客と意思疎通を図れると気付いた。

 英語を第1言語とする人間にとって、標準的な英語は極めて便利なコミュニケーションツールだ。しかし途上国の英語使用者は、表現を簡単にして「nephew(甥)」を「the son of my brother(きょうだいの息子)」、「oath(誓約)」を「words of honor(誓いの言葉)」などと言い換える。ネリエールはこの新しい英語を「グロービッシュ」と命名した。

 この呼び名はすぐに国際社会の注目を集めた。英タイムズ紙の記者ベン・マッキンタイアは、インドの空港で耳にした国連平和維持部隊のスペイン人兵士とインド人兵士の会話をこんな記事にした。「インド人はスペイン語を、スペイン人はパンジャブ語を話さなかったが、難なく理解し合っていた。彼らが使ったのは、文法も構文も無視した極めて簡単な英語。それでも互いに理解できたし、私にも分かった。今から思えば、彼らが話していたのは世界で最も新しく、最も広く使われている言語──グロービッシュだった」”

以上は記事の抜粋なのですが、マッキンタイア記者のコメントなど特に頷ける人が多いのではないでしょうか。

嘗て「母国語にプライドを持っているから、英語を知っていても話さない」と言われたフランス人でさえ、今は英語がそんなに得意ではなさそうな人であっても、しっかりグロービッシュで応じてくれます。

(もっとも、昔英語を話すフランス人が少なかったのは、プライド云々ではなく、フランス語を理解する外国人がまだ多かった時代、英語を真剣に学んだり使おうとするフランス人が多くなかったせいではないかと思います。

フランス語といえば、アメリカ人の友人ティムさんから彼がフランス国境に近いイタリアの村に滞在したときの話を聞いたことがあります。「ここはフランス語の方が通じるだろう」と彼がフランス語で話しかけても、村人達は(片言)英語でしゃべりたがって、フランス語が使えなかったと。)

世界共通語としてエスペラント語を考え出したザメンホフは、英語を学びながら「何故、comeの過去形はcomedではなくてcameなんだろう?」と疑問を持ったのが、エスペラント語を生み出すきっかけであったということを読んだ記憶があります(うろ覚えです)。

学校の英語教育で英語が嫌いになる人のなかには、comecame toothとteethのような単語の不規則変化といったものから、冠詞や現在完了形のようなものがそのきっかけになることも多いでしょう。(実はこれらをマスターしていないアメリカ人もいて、現在完了形などは、これを使わない人もいると聞きます。)

単語の不規則変化については最初から覚える必要はあると思いますが、覚える単語数は最小限にし、文法の間違いに寛容、ネイティブの発音を聴かせても喋る方の発音はあまりこだわらない-間違っても良いからシンプルな英語でコミュニケーションがとれるようになることを小学校高学年から中学2年くらいまでめざし、その段階をクリアしたものだけが本格的に英語を学びだす・・・というような方法で英語を学ばせれば、『6年以上英語を習っても英語(グロービッシュ)を一言も話せない日本人』は減るだろうと、私は考えます。

コメント
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