アフガン・イラク・北朝鮮と日本

戦争も人権抑圧もNO!万国のプレカリアート団結せよ!

参考資料:日雇い派遣原則禁止ってどう?~四トロ二次会での議論(2)

2010年03月27日 23時34分01秒 | 反貧困・新自由主義
(以下、第1部からの続き)

■労働者派遣業について
■投稿者:伊達 純 投稿日:2010年 3月26日(金)14時56分51秒

 そもそも労働者派遣業そのものが、労働基準法の禁止した中間搾取(ピンハネ)ではないかと思う訳です。

 最近、『昭和史』(遠山 茂樹、藤原 彰、今井 清一 岩波新書)を読んだのですが、昭和初期、やはり日雇いやピンハネが盛んに行なわれていたのですね。戦後、労働基準法で中間搾取を禁じたのは、そういった歴史的な経過を踏まえてのことではないでしょうか?

 それから、これは派遣ユニオンの関根秀一郎さんが広島で講演をした時に言っていたことですが、派遣先も、マージン(まさに中間搾取であり、ピンハネ)を支払わなければならないので派遣労働者を雇うのは高くつくと言っていたということを聞きました。

 考えてみれば日雇いや短期のアルバイトは昔からあった訳で、その際に派遣会社を通していたのでしょうか? 通していませんでしたよね。

 確かにインターネットと派遣会社を利用することで日雇いや短期の仕事を見つけやすくなったということは言えるかもしれないけれども、別に派遣会社を通さずにインターネットで仕事を見つけるということも可能ではないでしょうか?

 例えば日雇いや短期の仕事情報を書き込むことの出来るインターネット掲示板を派遣ユニオンやフリーター全般労組などの労働組合がボランティアで運営する。別に派遣ユニオンやフリーター全般労組に限らない。日雇いや短期アルバイトを募集している会社(複数の会社の連合体も含めて)が運営したってかまわない訳ですよ。これならインターネットを利用はするけれども、派遣会社を通したら取られる中間搾取(マージン、ピンハネ)なしで日雇いや短期の仕事を見つけることが出来ますよね?

 あるいは労働組合が職業紹介を無料で行なう。これだと中間搾取にはなりません。

 こうなると派遣会社は存在そのものがムダではないか、とすら言える訳で。

 登録型派遣は、確かに日雇いや短期の仕事を自分で見つける手間を省いてくれるということはあるかもしれません。しかし、やはり労働者派遣業が中間搾取であるということを踏まえると、問題ありと言わざるをえません。

 私も詳しい訳ではありませんが、そもそも職業紹介や職業教育(訓練)をヨーロッパでは労働組合が行なっているということを聞きました。ところが日本の労働組合が職業紹介や職業教育(訓練)を行なっているという話はついぞ聞きません。そういうところにも日本の労働組合、労働運動の弱さがあるのではないでしょうか?

※しかし、まことさんの問題提起へは私もレスをつけようと思っていたんだけど、人民食堂で「あ」法師やプルトニウム猫を相手にしていて、よねざわさんに先を越されちゃったな~(苦笑ひ)。

■労働者供給業者としての労組
■投稿者:dk 投稿日:2010年 3月26日(金)16時33分1秒

労働組合は、現行派遣法以前から、労働者供給業(派遣に近い)を営むことができたはずです。理由は伊達さんが言われているように、中間搾取の阻止のためですね。
一部組合が実施しているはずですが、正社員クラブの性格が強い大きな組合連合には期待できないかも知れません。案外、労働組合には色々な可能性もありそうです。
http://www.asahi-net.or.jp/~RB1S-WKT/qa7040.htm

■Re: 労働者派遣業について
■投稿者:バッジ@ネオ・トロツキスト 投稿日:2010年 3月26日(金)18時19分40秒

伊達 純さんへのお返事です。

>  こうなると派遣会社は存在そのものがムダではないか、とすら言える訳で。
>
>  登録型派遣は、確かに日雇いや短期の仕事を自分で見つける手間を省いてくれるということはあるかもしれません。しかし、やはり労働者派遣業が中間搾取であるということを踏まえると、問題ありと言わざるをえません。


その通り!
就労斡旋業務の資本主義的企業化こそが「先祖返り」としての新自由主義の究極の姿なんです。そして、このような「民営化」こそは「所得介入」を行うという点でマクロ経済観点から不生産的・寄生的な資本主義の典型。


>  私も詳しい訳ではありませんが、そもそも職業紹介や職業教育(訓練)をヨーロッパでは労働組合が行なっているということを聞きました。ところが日本の労働組合が職業紹介や職業教育(訓練)を行なっているという話はついぞ聞きません。そういうところにも日本の労働組合、労働運動の弱さがあるのではないでしょうか?


日本の労組が労使協調的な企業別組合として長らく過ごしたことによる限界(ツケ)ですね。
(ちなみに、オレは、労働組合というものは、企業別どころか産別や地域別でももう古いと思いますね。
産別労組の限界については自動車産業の黄昏みたいな業界丸ごとのスクラップ&ビルドが起こることを資本主義の歴史は証明したし、地域別にしても「職場」という空間概念が成立しない業種が近年多く登場してきていますからね)

■労働組合による労働者供給事業
■投稿者:まこと 投稿日:2010年 3月26日(金)23時09分10秒

労働組合による労働者供給事業は新運転(新産別運転者労働組合)などが展開していますね。

http://www.sinunten.or.jp/

以下、濱口桂一郎氏の「新しい労働社会-雇用システムの再構築へ」(岩波新書)に掲載されているコラム「日雇い派遣事業は本当にいけないのか?」より引用します。

『実は、労働組合による労働者供給事業や臨時日雇い型有料職業紹介事業においても日雇いという雇用形態が一般的です。そして、そのこと自体がそこで働く労働者にとって問題とされたことはありません。むしろ、日雇いが悪いという一方的な決めつけによって、労働組合の労働者供給事業が弾圧されたことがあるのです。

新運転は一九六〇年以来、労働者供給事業を行ってきましたが、翌年運輸省が旅客自動車運送事業運輸規則の改正により日雇い運転者の使用を禁止したため、反対運動を繰り広げたことがあります。当時、国会で社会党の議員は「日雇いのどこが悪いのか。そもそも運輸省が雇用関係を規制するのはおかしいではないか」と運輸行政を責めていました。結局、貨物輸送については日雇い禁止を適用しないこととされ、同労組はそちらに活路を見出していきます。しかし、日雇いが悪いという単純な発想で政策を立案することがもたらす問題点が言いがたいようです。

ちなみに、上記法案(※二〇〇八年に国会に提出された労働者派遣法改定案)は日雇い派遣事業の原則禁止を定めていますが、政府は一方で物流やイベント設営などこれまで日雇い派遣事業を活用してきた分野には日雇い職業紹介事業で対応するという意向を示しています。これは、法的構成を抜きにしていえば、日雇い派遣事業に派遣先の使用者責任とマージン規制を導入してそのまま認めることと社会的実体はほとんど同じです。』

http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0907/sin_k479.html

■労働組合による労働者供給事業(2)
■投稿者:まこと 投稿日:2010年 3月26日(金)23時30分44秒

>あるいは労働組合が職業紹介を無料で行なう。これだと中間搾取にはなりません。

とは言っても、現実に労働者供給事業を行っている労働組合も組合費という形で組合員からお金を集めているのではないでしょうか。で無ければ、継続的に労働者供給事業を行うことは不可能ですから。

労組の職業紹介にしても、それが現在の派遣会社を代替するほどの機能を有するものであるならば、現実問題としてやはり運営コストという問題を考えることは避けられないでしょうね。

この点についても、前掲の濱口桂一郎氏の著書は以下のように指摘しています。少し長くなりますが、引用します。

『実態として登録型派遣事業における登録状態に最も近いのは、労働組合の行う労働者供給事業における組合員としてのメンバーシップでしょう。(略)

登録型派遣事業とは、労働組合以外によるものであっても、一定のメンバーシップに基づく労働者供給事業には弊害がないから認めたものなのではないでしょうか。そして、そう考えれば、登録型派遣事業についても労働者供給事業と基本的に同じ規制を行えば足りるはずであり、逆に同じ規制を行うべきであるということになるはずです。

労働者供給事業については、極めて乏しい議論しかされていませんが、いくつかの裁判例は存在します。鶴菱運輸事件(略)、渡辺倉庫運送事件(略)、泰進交通事件(略)といった地裁レベルの判決はいずれも、供給先と供給労働者の関係を「使用関係」としながら、供給組合と供給先の間の供給関係が存在する限りで存続する特異な使用関係としています。(略)登録型派遣事業における派遣先と派遣労働者の関係も、社会的実態としてはこれと同じであると考えられ、同じような特異な使用関係と捉えることが最も適切であったはずです。ところが、一九八五年に労働者派遣法が制定される頃には、実態的に労働者供給事業と類似する登録型派遣事業を、請負や出向と類似する常用型派遣事業と全く同じ法的構成(「自己の雇用する労働者を……」)の中に押し込めてしまったのです。(略)

現在の仕組みでは、労働者供給事業を行う労働組合と供給先の企業が労働協約を締結し、これが供給契約になるとされていますが、そうすると供給先と供給先の間の商取引契約である供給契約が、同時に供給労働者の労働条件に規範的効力(略)を有する労働協約でもあるということになってしまい、労働法規制のあり方として問題をはらんでいます。(略)

登録型労働者派遣事業、労働組合の労働者供給事業、臨時日雇い型有料職業紹介事業を横に並べて考えると、社会的実態として同じ事業に対して異なる法的構成と異なる法規制がなされていることの奇妙さが浮かび上がってきます。そのうち特に重要なのは、事業の運営コストをどうやってまかなうかという点です。労働組合の労働者供給事業は法律上は「無料」とされていますが、組合費を払う組合員のみが供給されているのですから、実質的には組合費の形で実費を徴収していることになります。これと同じビジネスモデルである登録型派遣事業では、派遣料と派遣労働者の賃金の差額、いわゆる派遣マージンがこれに当たります。正確にいえば、法定社会保険料など労働者供給事業や有料職業紹介事業では供給先や紹介先が負担すべき部分は賃金に属し、それ以外の部分が純粋のマージンというべきでしょう。』

私見では今の派遣制度の問題点の一つには、派遣会社がどれだけ中間マージンを引いているのかが派遣労働者には分からないというところだと考えています。派遣会社には中間マージンに対する法的規制を負わせるべきですし、派遣労働者への開示を義務付けるべきだと考えます。

(転載終了)
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派遣会社は最低です (派遣会社の使い捨て要員A)
2012-06-08 08:02:26
現在、派遣要員として登録制の派遣会社から派遣されて日払いで賃金を貰っています。振り込み手数料自己負担、交通費無し、急なキャンセルの場合はペナルティー。その代わり仕事が無くても当社は保証はしません。派遣会社の規則には会社に都合のいいことしか書いてないです。派遣先ではパートのおばちゃんに「派遣だから」と言われる毎日。ちなみに、派遣会社の内勤として働いていた時期もあったので会社の内部も分かってます。インチキだらけの悪徳商売です。

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