アフガン・イラク・北朝鮮と日本

戦争も人権抑圧もNO!万国のプレカリアート団結せよ!

花粉症ゼロをダシに改憲あおる奇亡の党

2017年10月11日 23時43分26秒 | 戦争法・集団的自衛権NO!

 立憲民主党に続いて、小池百合子率いる「希望の党」も選挙公約を発表しました。そこで、同党のHPに飛んで、早速その公約を見てみました。以下がその公約です。

 1 消費税凍結 景気回復を確実にするため、2年後の消費税増税を凍結します。
 2 議員定数・議員報酬の削減 国会議員みずから身を切る改革を断行し、「しがらみ政治」から脱却します。
 3 ポスト・アベノミクスの経済政策 徹底した規制改革と特区を最大活用し、民間の活力を生かした経済活性化を断行します。
 4 原発ゼロへ 「2030年までに原発ゼロ」を目指します。徹底した省エネで、エコ社会に変えていきます。
 5 雇用・教育・福祉の充実 正社員で働ける、結婚できる、子どもを育てられる社会。そこに少子化問題解決のカギがあります。
 6 ダイバーシティ社会の実現 すべての人が輝ける社会をめざします。特に女性、シニアの力をさらに生かします。
 7 地域の活力と競争力の強化 現場に任せれば元気になる。道州制を導入し、地域が自分で決めればムダもなくなる。
 8 憲法改正 憲法9条をふくめ憲法改正論議を進めます。国民の知る権利、地方自治の分権を明記します。
 9 危機管理の徹底 外交安全保障はもとより自然災害対策も強化し、国民の生命と主権を守る万全の備えを整えます。

 一見すると、「原発ゼロ」等の野党色の濃い公約も掲げているので、「希望の党」が、まるで自民党政治に対抗する受け皿であるかのように、錯覚する向きもあろうかと思います。しかし、実際はただの誇大広告に過ぎません。なぜなら、同党の公約からは、気迫が全然感じられないからです。まずは、「希望の党」の結党宣言と、それに相当すると思われる立憲民主党・枝野代表のメッセージを、両方掲げて互いに見比べてみましょう。

「希望の党」結党宣言(同党のHPより)

 私たちが希求するものは、党の利益ではなく、 議員の利益でもなく、国民のため、つまり国民が納める税の恩恵を全ての国民に届ける仕組みを強化することにある。
 国政を透明化し、常に情報を公開し、国民と共にすすめる政治を実現する。
 既得権益、しがらみ、不透明な利権を排除し、国民ファーストな政治を実現する。
 国民ひとりひとりに、日本に、未来に、希望を生むために。 (以上引用)

「枝野代表メッセージ」(立憲民主党HPより)

 日本社会は危機の中にあります。
 分断と排除の政治が行われ、立憲主義が壊されています。
 社会の多様性が脅かされ、国民の大切な情報が隠蔽(いんぺい)されています。
 一握りの人たちがトップダウンで物事を決めてしまう、傲慢(ごうまん)な政治が横行しています。
 政治は、政治家のためでも政党のためでもなく、国民のためにあるものです。
 今の政治に怒りや危機感を持つ、多くの国民の声に応え、政治の流れを転換させたい。
 この国に暮らす多様な一人ひとりとの対話を通じて誰もが自分らしく生きられる社会をつくりたい。
 その決意をもって、私たちは、立憲民主党を立ち上げました。
 国民のみなさんの日常の暮らし、現場のリアルな声に根ざした、ボトムアップの政治を実現する。
 それが私たちの描く、日本の未来です。
 右でも左でもなく、前へ。(以上引用)

 そもそも、まだ議員の任期が1年以上も残っているのに、わざわざ衆議院を解散して、選挙をしなければならない理由は何ですか? なるほど、安倍首相は、「北朝鮮のミサイル」がどうの、そのために「憲法改正」が必要だの、ついでに「消費増税の延期」や「教育無償化」「働き方改革」の判断も仰がなくてはならないとか、色々言っています。でも、そんなものは、今でも自民・公明の与党だけで3分の2以上の国会議席を持っているのですから、別にわざわざ今、解散しなくても、その気になればいつでも出来ます。現に、秘密保護法も戦争法(安保法制)も共謀罪法案も、全部、別にそのために解散・総選挙なぞせずに、強行採決でやってのけたじゃありませんか。

 それが、なぜ今回だけ、わざわざ急に解散・総選挙に踏み切ったのか?森友・加計の疑惑隠ししか考えられないじゃないですか。この疑惑が明るみに出て以降、安倍内閣の支持率はどんどん下がり続けていました。ところが、ここに来て北朝鮮ミサイル騒動を機に、再び内閣支持率が回復する兆しを見せて来ました。それとは対照的に、野党は民進党が山尾問題でまた混乱に陥っています。そこで、一旦ここで解散してしまえば、また後4年は安泰だと、一か八かの賭けに出たのでしょう。

 だから、今回の選挙の最大の焦点は、そんな「安倍による国家の私物化を許すのかどうか?」、これしかありません。もちろん、「北朝鮮」や「憲法改正」も重要な問題です。しかし、それなら尚更の事、強行採決や解散なんかでウヤムヤにせずに、国会で「国民に丁寧に説明」する必要があったのではないでしょうか?

 その真の争点に、立憲民主党の方は、「これ以上、安倍首相による国家の私物化を許してはいけない」と、ちゃんと応えています。少なくとも、森友・加計疑惑の究明を求める国民の声に、ちゃんと向き合おうとしています。ところが、「希望の党」の方はと言うと、「既得権益、しがらみ」がどうたら、「国民ファースト」がこうたら、抽象的な言葉を並べ立てるだけで、肝心の「森友・加計疑惑の究明」については、何も触れないじゃないですか。それは、立憲民主党の公約と見比べてみると、さらにはっきりします。

「国民との約束」(立憲民主党の選挙公約、同党HPより)

 1 生活の現場から暮らしを立て直します
 ① 長時間労働の規制、最低賃金の引き上げ、同一価値労働同一賃金の実現
 ② 保育士・幼稚園教諭、介護職員等の待遇改善・給与引き上げ、診療報酬・介護報酬の引き上げ、医療・介護の自己負担の軽減
 ③ 正社員の雇用を増やす企業への支援、赤字中小企業・小規模零細事業者に対する社会保険料負担の減免
 ④ 児童手当・高校等授業料無償化ともに所得制限の廃止、大学授業料の減免、奨学金の拡充
 ⑤ 所得税・相続税、金融課税をはじめ、再分配機能の強化

 2 1日も早く原発ゼロへ
 ① 原発ゼロを1日も早く実現するための「原発ゼロ基本法」制定
 ② 成長戦略としての再生可能エネルギー・省エネ技術への投資拡大と分散型エネルギー社会の実現
 ③ パリ協定にもとづく地球温暖化対策の推進

 3 個人の権利を尊重し、ともに支え合う社会を実現します
 ① あらゆる差別の禁止―LGBT差別解消、性暴力被害者を守る支援センターの設立、選択的夫婦別姓の実現、国政選挙へのクォータ制の導入
 ② 障がい者差別解消法の運用強化、手話言語法の制定推進
 ③ 自殺に追い込まれることのない社会の実現
 ④ 子どもに引き継がれてしまう貧困の連鎖を断つための教育生活支援、虐待をなくすために児童相談所や児童養護施設、民間団体との協働を強化
 ⑤ ギャンブル依存症に対する莫大な社会コストを生じさせ、マネーロンダリングの温床となり治安を悪化させるカジノ解禁に反対

 4 徹底して行政の情報を公開します
 ① 政府の情報隠ぺい阻止、特定秘密保護法の廃止、情報公開法改正による行政の透明化
 ② 議員定数の削減、企業団体献金の禁止と個人献金の促進
 ③ 中間支援組織やNPO団体を支援する「新しい公共」の推進
 ④ 公務員の労働基本権の回復、天下り規制法案の成立
 ⑤ 取り調べの可視化をはじめ、国民から信頼される司法制度の確立

 5 立憲主義を回復させます
 ① 専守防衛を逸脱し、立憲主義を破壊する、安保法制を前提とした憲法9条の改悪に反対
 ② 領域警備法の制定と憲法の枠内での周辺事態法強化により、主権を守り、専守防衛を軸とする現実的な集団安全保障政策を推進
 ③ SACO合意から20年たっても実現できていない現実や米軍再編による状況変化を踏まえ、辺野古移設について再検証をし、沖縄県民の理解を得られる道をゼロベースで見直す
 ④ 北朝鮮の核実験・弾道ミサイル発射は極めて深刻な脅威であり、断じて容認できない。北朝鮮を対話のテーブルにつかせるため、国際社会と連携し、北朝鮮への圧力を強める。平和的解決に向け、外交力によって北朝鮮の核・ミサイル放棄を訴え、最後の一人まで拉致問題の解決に取り組む
 ⑤ 共謀罪(テロ等準備罪)の廃止、水際対策など真に実効性あるテロ対策の実施(以上引用)

 「希望の党」の公約とは全然違いますね。「希望の党」の公約の中で、貧困・格差の是正について触れているのは、5番目の「雇用・教育・福祉の充実」だけです。
 しかし、本当に「雇用・教育・福祉の充実」や「ダイバーシティ(多様性)社会の実現」を目指すなら、貧困・格差の問題は避けて通れないはずです。派遣切りや先進国最低クラスの最低賃金、今やデリヘルが福祉施設と化してしまっているシングルマザーの貧困、大学を卒業しても奨学金が払えずサラ金並みの返済に追われる学生の貧困、母子や一人暮らしの高齢者の孤独死もありふれた光景になってしまった、この日本で、まず解決すべきなのは、これらの国民の生き死にに関わる問題でしょうが。抽象的な「しがらみ政治からの脱却」なんかではなく。

 個人の権利が尊重される社会を実現するには、安倍政権による国家の私物化、憲法無視の政治をまず変えなければならない。国家機密の名で何でも隠ぺいするのではなく、情報公開を推進しなければならない。お友達優遇ではなく公平で民主的な、憲法に基づく政治をしなければならない。「右でも左でもない、ボトムアップの政治」に立脚してこそ、初めて「しがらみ政治からの脱却」も実現できる。だから、私たちは「希望の党」などという抽象的な名前ではなく、「立憲=憲法を守る」「民主」という党名にしたのだ…公約の内容が具体的で、それぞれの内容に一貫性があります。

 もちろん、立憲民主党の公約にも、異論がある点はいくつかあります。例えば、「議員定数の削減」だけでは「国民主権の否定」にしかなりません。「給料泥棒の議員を減らせ」だけでは、最後には「国会全廃」に行き着いてしまいます。問題は議員の数ではなく質の低さにあるのですから、そんな世襲議員やタレント議員を生み出さないような選挙制度に変える事でしか、この問題は解決しません。
 そういう不十分な点はありますが、それでも全体的に観たら、今までの日本の新党の中では、一番まともな公約だと思います。

 それに対し、「希望の党」の公約や、小池代表の実際の言動はどうか?
 なるほど、「希望の党」公約の各項目も、それぞれ細かな小項目に分かれ、立憲民主党の公約以上に細かな内容がズラズラと書かれています。ここでは、いちいちそこまで紹介しませんでしたが。でも、いくら読んでも、書かれている事がバラバラで、他の項目の公約とどう繋がっているのか、全然分からないのです。

 例えば、「地方分権の推進」を言いながら、別の所では「安保法制も日米同盟も強化する」と言っています。では、沖縄の人々が普天間米軍基地の辺野古移設に反対したら、「地方分権」で認めてくれるのか?絶対に認めないでしょう。いくら「地方分権」と言っても、あくまで国家統制の範囲内に限られるのです。
 そもそも、本当に「地方分権」が大事だと思うなら、なぜ連邦制にしないのか?広大な多民族国家でなければ、連邦国家にしてはいけない理由なんて、一つもありません。日本よりも狭く、移民以外は少数民族なんてほとんどいないドイツも、実は「ドイツ連邦共和国」という連邦国家です。それは何故か?ナチスによる全体主義に対する反省からです。なのに、小池百合子も橋下徹も、せいぜい「都民ファースト」や「大阪都構想」「道州制」どまりで、連邦制を主張しないのは何故なのか?はっきり言ってやりましょう。自分が「地方のナチス」として君臨したいからです。ただそれだけです。
 そんな「地方分権」なら、安倍政権にとっては、むしろ好都合です。「地方の事はお前らの責任でやれ。ワシは知らん」と逃げれますから。その上で、「米軍基地や原発の誘致を決めるのは、あくまでもワシや。お前らはそれに必要な道路や水道を、どのように負担するか決めるだけの権限しかないのだ。どの教育予算を削って回せば良いか、決めてくれれば良い。いくら地方分権と言っても、所詮その程度のものだ」という事です。

 他の公約も、言っている事が矛盾だらけじゃないですか。「原発ゼロ」を言いながら、今の原発の再稼働は容認しているのですから。今でも、稼働している原発はたった5基なのに。ドイツでは、今や、エネルギー源の2割から3割以上が自然・再生エネルギーです。別に2030年まで待たなくても、その気になれば直ぐにでも実現できるのです。要はやる気の問題です。
 他にも、「ダイバーシティ社会実現で多様性が大事」と言いながら、民進党との合流に際しても、リベラル議員は最初から門前払い。門前払いしたのはリベラル派だけで、極右で原発推進の「日本のこころ」出身の中山恭子はフリーパス。「しがらみ政治からの脱却」と言いながら、まるで結婚サギで結納金だけ召し上げるみたいな真似をして、民進党の前原代表から政党助成金だけだまし取って。情報公開を看板に掲げながら、議員のインタビューも飲み会も禁止して離党者続出。雇用や福祉の問題も、小池たちにとっては、人権保障とは無関係の、「少子化対策」という国策遂行のネタでしかない。言ってる事とやってる事が全然違う。

 

 そして、公約の道しるべとも言うべき「12のゼロ」(上記参照)に至っては、もう有権者をバカにしているとしか思えません。①原発ゼロ ②隠ぺいゼロ ③企業団体献金ゼロ ④待機児童ゼロ…までは、まだ良いでしょう。しかし、その次の、⑤受動喫煙ゼロ ⑥満員電車ゼロ ⑦ペット殺処分ゼロ ⑧フードロスゼロ ⑩花粉症ゼロ ⑪移動困難者ゼロ ⑫電柱ゼロ…に至っては、「そんな事の為に、わざわざ何百億円もかけて解散するのか?」と言う他ありません。
 しかも、⑨ブラック企業ゼロが、⑤受動喫煙や、⑥満員電車や、⑦ペット殺処分のゼロより、後回しなのですよ。⑪災害による移動困難者の問題も、最大の被災民である原発事故からの避難者の問題を、避けて通る事はできないはずです。それらの人たちの人権が、なぜペット以下なのか?小池、お前は犬公方か! 

 これらの公約の立て方を見て、戦前の教育勅語と非常によく似ているなと思いました。教育勅語も、「親を大切にしろ」「よく勉強しろ」等の、一見当たり障りのない徳目が、前の方にずらっと並んでいるでしょう。しかし、それらの徳目は、最後の「戦争になったら我が身を捨てて天皇陛下を守れ」という徳目を、補強するものでしかなかった。「親を大切にする」のも「よく勉強する」のも、ひたすら「お国」や「天皇陛下」や「自分の出世」のためでしかない。

 ここで、もう一度、最初の「希望の党」の公約をよく見て下さい。小池が本当に実現しようとしている公約は、7番目の「地域の活力と競争力の強化」(弱肉強食の競争・格差社会へ)、8番目の「憲法改正」、9番目の「危機管理の徹底」(国家統制の強化)だけなのです。これらが、「教育勅語」でいう所の「お国の為に死ね」に当たる幹の部分です。それ以外の「消費増税凍結」や「原発ゼロ」、「花粉症ゼロ」等などの公約は、それを覆い隠すための「親を大切に」等の当たり障りのない、小池にとっては単なるリップサービスに過ぎないのです。もう「毒まんじゅう」公約そのものじゃないですか。

 そもそも、何で立憲民主党のように、具体的な理想を党名に掲げる事が出来ないのか?「希望の党」という、いちいちカッコで括らないと表記できないような、抽象的な党名しか掲げる事が出来ないのか?およそ政党である以上は、どんな党でも、その党の理想を党名に掲げるものです。その理想=「希望」の中身こそが大事なのに。なぜ掲げる事が出来ないのか?これも、はっきり言ってやりましょうか。「自分が日本のヒットラーになる事しか考えていないから」です。これでは「国民ファースト」ならぬ「小池ファースト」、「希望の党」ならぬ「奇亡の党」でしかない。

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