アフガン・イラク・北朝鮮と日本

戦争も人権抑圧もNO!万国のプレカリアート団結せよ!

共謀罪 話すだけでも命がけ

2017年05月24日 21時17分47秒 | 秘密保護法、共謀罪を廃案に!

 

 5月21日に大阪市西区の靱(うつぼ)公園で開かれた大阪弁護士会主催の共謀罪法案反対集会に行ってきました。集会は14時から始まりました。最初は集合場所が分からず苦労しました。私は今はもうどこの組織にも属していません。一応、個人加盟のユニオンに加入していますが、それも今は名前だけです。だから今回の集会も、あくまでも自主参加です。チラシだけが頼りなので、14時前ギリギリになってようやく会場にたどり着く事が出来ました。

 集会は大阪弁護士会の現・前会長挨拶(あいさつ)から始まりました。共謀罪はテロ対策ではなく市民監視が狙い。従来なら犯罪の証拠がなければ処罰されなかったが、共謀罪が認められると、たとえ証拠がなくても政府批判をしただけでテロリストにされてしまう。(弁護士会会長)
 続いて参加団体の代表挨拶。弾圧や密告よりも無関心が一番怖い。東京から来た若者が梅田ヨドバシカメラ前で共謀罪反対の座り込みを続けている。京橋駅前でも毎週チラシ配りをしている。どんな深い夜でも明けない夜はない。共に頑張りましょう!(秘密保護法反対ロックアクション)
 戦前の治安維持法の時もそうだった。初めは弾圧されるのは共産主義者だけで、それ以外の合法的な労働組合や市民団体は逮捕されないと言っていたのに、市民団体はおろか宗教法人まで根こそぎ弾圧されてしまったではないか!(戦争させない千人委員会)
 花見とテロの下見をどう区別するのか?弁当持っていたら花見で双眼鏡を持っていたらテロの下見?じゃあバードウォッチャーはテロリストか?こんなデタラメな法案なぞ通してはならない!(民進・共産・社民各党国会議員)
 戦前の治安維持法下では天理教も弾圧され、施設は軍に接収、教義も無理やりねじ曲げられた。二度とそんな歴史を繰り返してはならない(天理教奈良分教長)
 弾圧よりもそれを恐れて市民の方が自分から萎縮してしまうのが一番怖い。もうそうなったら安倍政権の思う壺だ。ところが、森友学園・加計(かけ)学園の例を見ても分かるように、実際に追い詰められているのは安倍政権の方だ。諦めずに頑張りましょう!(安保法制反対ママの会、SADL、関西市民連合などの市民団体)
 皆さんのお陰で戻って来る事が出来た。凶暴化した奴らが共謀罪法案を出してきた。今こそ立ち上がろう!今こそ奮い立とう!(沖縄・辺野古の基地建設反対運動の闘士・山城博治氏)

 集会には4千人が集まりました。15時からはいよいよパレードです。靭公園を出て御堂筋を難波まで歩きました。私は最初、パレード最後尾の新婦人、全労連などの部隊に参加していましたが、その前を歩いている秘密保護法ロックアクションの人たちのラップ調のパレードに次第に惹かれ、そちらに移動して歩くようになりました。
 「共・謀・罪反対!勝手に決めるな!テロ対策って嘘つくな!物の言えない社会を作るなら!「いいね!」も出来ない社会を作るな!不安を煽る政治をするな!市民の生活監視をするな!国民疑う安倍は辞めろ!維新を除く野党は頑張れ!強行採決促す維新は要らない!自由を守れ!共謀罪は絶対廃案!」
 ロックアクションの人達がかかげていた幟(のぼり)の中には「肉球新党、猫の生活が第一」というものまであり、猫パンチみたいな拳(こぶし)を上げていたのが印象に残りました。

 

 

 でも何故、そこまでしてまで私がその法案に反対するのか?それは、そんなものが成立してしまったら、いよいよ自由に物が言えなくなるからです。これは決して、私のような人間だけが対象になるのではありません。皆さんのような一般市民の、およそ政治的とは言えないような何気ない会話も、十分取り締まりの対象になるのです。

 例えば、職場でバイトの小杉君が、社員のノブ太と言い争いになったとしましょう。そこでノブ太が切れて小杉君の事を「テロリスト」呼ばわりしたとしても、小杉君は凶器も何も持っていないので、「それは不当な言いがかりだ」と今ならまだ言い返せます。しかし、共謀罪法案が成立してしまったら、たとえ凶器を持っていなくても、言い争ったという行為だけで、「こいつはもうすぐテロをやらかすに違いない」と警察が判断したら、それで取締りの対象にされてしまうのです。たとえ証拠がなくても、話し合っただけで、心の中で思っただけで、警察は取り締まれるようになるのです。だから「共謀罪」法案と呼ばれるのです。(文中の登場人物はいずれも仮名)

 もちろん、政府はそんな事はおくびにも出しません。「これはテロを取り締まる為の法案だ。この法案がなければオリンピックも開催できない。上司をぶん殴ってやろうか相談したぐらいで、いちいち逮捕されたりしない」と、政府は言います。でも、実際はどうだったでしょうか。戦前に治安維持法が制定された時も、「この法律はあくまでも共産主義者を取り締まる為のもので、それ以外の合法的な労働組合や市民団体の活動まで取り締まるものではない」と言いました。ところが実際は、共産主義者や社会主義者だけでなく、自由主義者や文化人、宗教者や一般市民も大勢投獄されました。創価学会の初代会長も捕まり獄死しています。戦争が始まると、それがさらに酷くなり、「もっと腹一杯食いたい、もっと早く帰りたい、朝から晩までこき使うな、戦争なんてもうウンザリだ」と庶民がうっかり漏らしただけでも、隣組に通報されて警察に連行されました。治安維持法違反容疑で検束された人間はのべ10万人近くに上ります。その中で「194人が取調べ中の拷問・私刑によって死亡し、更に1503人が獄中で病死した」(ウィキペディアの記述より)と言われています。だから、共謀罪法案は「現代の治安維持法」と呼ばれ、今まで三回も廃案になったのです。

 それでも政府は懲りずに、四たび同じような法案を出してきました。今度は「テロ等準備罪」新設法案と巧妙に呼び名を変えて。マスコミも政府の目を恐れ、「かつての共謀罪法案の構成要件を改めて新たに提出されたテロ等準備罪新設法案」云々と、政府の言い分をそのままオウム返しにして、政府にとって都合のよい形でニュースを流しています。まるで、「この法案がなければテロは取り締まれない」「表現の自由が損なわれる、監視社会になってしまうとの野党の言い分は誤解に過ぎない」と言わんばかりに。この21日には大阪以外にも東京や福岡などで同じような集会やデモが行われたにも関わらず、読売・産経やNHKはその事実すら報道しませんでした。もはや言論統制そのものではないですか。

 でも、実際にはおかしな事だらけです。「計画しただけでは処罰しない、テロの下見などの準備行為があって初めて処罰の対象になる」と言いながら、何が「計画」「準備」に当たるのか?という基本的な質問にすら、政府はまともに答弁できないのです。「花見とテロの下見をどう区別するのか?」と問われて、「弁当とビールを持っていたら花見で、双眼鏡と地図を持っていたらテロの下見」だと、苦しまみれの答弁に終始して。「じゃあ、花見のついでにバードウォッチングもしようと、双眼鏡や地図も持っていたらテロリストにされてしまうのか?」と重ねて聞かれたら、もう立ち往生してしまっているじゃないですか。

 

 

 こんなデタラメな法案、通ってしまったら、証拠もないのに、警察の思い込みだけで犯罪者に仕立て上げられてしまいます。例えば、ATMで引き出した預金が生活資金かテロの資金か、どうやって区別できますか?今ならまだ、「証拠もないのに罪をでっち上げるな」と言えます。でも、こんな法律が通ってしまったら、「ATMで引き出した預金はテロの資金ではない」という事を、今度は私たちが警察に証明しなければならなくなるのですよ。私たちがいくら「生活資金だ」と主張しても、警察が「いいや、これはテロの資金源だ」と言い張ったら、もうそれで終わりです。お札にはテロ用とも生活用とも書いていないのですから。密室での取調べの中で、ある事無い事でっち上げられて、警察のシナリオに沿った供述調書にサインさせられるのがオチです。

 もし、それで首尾よく「あなたの疑いは晴れました。疑ってどうも済みませんでした」と、警察があなたを釈放しても、警察にとっては痛くもかゆくもありません。取調べの過程で、警察はあなたの個人情報を十分収集できたのですから。本音では「今回は取り逃がしてしまったけれど、今後もずっと張り込みを続けて、次は必ず捕まえてやるからな」ぐらいにしか思っていないかも知れません。しかし、あなたはそうではありません。拘留されている間は家にも帰れないし仕事にも行けない。近所や職場で悪い噂が立てられたりもするでしょう。「そんな目に遭うぐらいなら、もう何もしないでおこう。職場で社員と言い争ったりしないでおこう。ブログで会社や政府の批判なぞもしないでおこう」と、大抵の人はなってしまうでしょう。それどころか、自分にかけられた疑いを晴らす為に、他人を無実の罪に陥れる人も出てくるかも知れません。もうそうなったら、日本中が密告だらけ、冤罪(えんざい)だらけになってしまいます。

 「組織犯罪処罰法改正案」というのが、「共謀罪」法案の正式名称です。「テロ等準備罪」新設法案ですらないのです。なぜかと言うと、この法律は、元々は麻薬取引やマネーロンダリングなどの経済犯罪を取り締まる為のものでした。オリンピック開催前に締結しなければならないとされる国際組織犯罪防止条約(TOC条約、パレルモ条約とも言う)でも、取締りの対象はあくまでもマフィアや暴力団でした。「テロ対策」は後付の理屈にしか過ぎません。「せっかく秘密保護法で情報統制できるようになり、戦争法(安保法制)で海外の戦争に自衛隊を派遣できるようになっても、憲法9条と護憲運動がある限り、自分の好き勝手にはできない。労働運動がある限り、労働者を安い賃金で長時間こき使う事もできない」と考えた安倍晋三が、これらすべてを一気に抑えつける事ができるように、いきなりこんなものを持ち出してきたのです。

 「共謀罪」という概念も、元々、日本の法律には無かったものです。「証拠が無ければ罪に問えない」という罪刑法定主義が、日本のあらゆる法律の大原則ですから。その上で、強盗・殺人犯などの重大犯罪に限って、未遂罪などの例外が設けられているに過ぎません。これならまだ理解できます。準備行為の範囲が殺人未遂などの具体的事例に限られていますから。そして、テロ対策についても、日本には爆発物取締法や騒乱罪などの形で、それに見合う法律がすでに定められています。わざわざ、こんな法律を新たに制定する必要なぞ、どこにも無いのです。

  

 実は「共謀罪」と言うのは、産業革命時代のイギリスで、労働組合運動を弾圧する目的で考え出された概念です。二人以上が集まって何かよからぬ相談していたら一網打尽にひっ捕まえる事ができるように。それがアメリカに渡って、「共謀罪」として、公民権運動やベトナム反戦運動を弾圧するために猛威を振るうようになりました。ブラックパンサーなどの運動が、この法律によって弾圧を受けました。そういう法律なんですよ。この法律は。その一方で、贈収賄や汚職などの権力犯罪については、巧妙に取締りの対象から外されています。「組織犯罪処罰法」と言いながら、権力犯罪についてはフリーパスで、労働組合や市民団体、一般市民だけを取り締まるのが目的です。皮肉にも、共謀罪法案が衆議院を通過したその日に、「共謀罪」の母国イギリスで自爆テロが起こりました。もし、「共謀罪」法案でテロが防止できるなら、こんな事は起こり得なかったはずです。

 そりゃあ、政府も日本国民1億2千万人全員のメールやインターネットの書き込みを、毎日全部いちいち監視している訳ではないでしょう。そんな事していたら仕事になりません。でも、これだけインターネット技術が発達し、GPS捜査などの手法が確立している現代においては、政府はその気になれば、いくらでも国民を監視・統制する事ができます。いざとなれば、普段から目星をつけていた人物を、いくらでも別件逮捕で連行して、簡単に犯罪者に仕立て上げる事もできます。いくら録音や録画で取り調べを可視化できるようにしても、それ以前の尾行や捜査段階で、プライバシーを丸裸にされたら、国民はもう何も言えなくなってしまいます。今ですら、選挙で公認権を握っている与党の総裁や幹事長に、誰も頭が上がらなくなってしまっているではないですか。弾圧そのものよりも、それに国民が萎縮し、何も自由に物が言えなくなってしまう。そこにこそ、「共謀罪」法案の真の恐ろしさがあるのです。

 こんなものが通ってしまったら、それこそ日本も北朝鮮と変わらなくなってしまいます。おちおちブログも書けなくなります。もう国や会社に何も言えなくなってしまいます。そんな事にならないように、是非、皆さんも共謀罪法案に反対して下さい。

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共謀罪反対集会(集会編) (たたかうあるみさんのブログ)
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