アフガン・イラク・北朝鮮と日本

戦争も人権抑圧もNO!万国のプレカリアート団結せよ!

今日の高江こそが明日の日本だ

2016年08月31日 13時40分53秒 | 辺野古・普天間・米軍再編


 この前の日曜日に、大阪・天満橋のエルおおさか(府立労働会館)で開かれた沖縄・高江の講演会に行ってきました。
 講演会を主催したのは、「辺野古に基地を絶対につくらせない大阪行動」という団体です。今までもJR大阪駅前などで、沖縄・辺野古への基地移設に反対してビラまきなどをやって来た団体です。この団体の事は私も今まで何度かブログなどで紹介して来ました。
 最近はマスコミもオリンピックやSMAPの解散騒動ばかり取り上げ、沖縄の事なぞほとんど取り上げないので、「今の辺野古や高江の動きを知る良い機会だ」という事で、急きょ参加する事にしたのです。
 ちょうど同団体も加入する共闘組織の結成2周年という事で、沖縄の歌を歌ったり今までの活動を振り返ったりした後、沖縄から来られた北上田毅(きたうえだ・つよし)さんの講演が行われました。
 この北上田さんというのは、沖縄の辺野古で、普天間基地の移設工事を止める為に、抗議船の船長の一人として活躍されてきた方です。「チョイさんの沖縄日記」というご自分のブログで、日々の活動を紹介しておられます。沖縄の基地反対運動にとっては、なくてはならない人のうちの一人です。



 ここで、まず高江の紹介をしておきます。沖縄本島北部の東村(ひがしそん)にある高江は、山原(やんばる)と呼ばれるジャングルに囲まれた人口150名ほどの集落です。本島南部にある県庁所在地の那覇市から来るには、自動車でも片道3時間ぐらいかかるそうです。(ちなみに沖縄では、行政区画の村も「むら」ではなく「そん」と発音します)
 この自然豊かな高江は、周囲を米軍の北部訓練場に取り囲まれています。米軍がゲリラ戦の訓練を行なう場所で、ベトナム戦争の時期には集落全体がゲリラ戦の標的とされた事もありました。「標的の村」という映画に、その当時の事が詳しく描かれています。私も地元の上映会で、この映画を見て、その感想をブログに書きました。最近では、安倍首相夫人の昭恵さんも、この映画を観た後、知人と一緒に高江の座り込みテントをお忍びで訪問した事で、ちょっとした話題になりました。
 現在、その高江で、集落を取り囲むようにして、米軍のヘリパッドが6ヶ所も作られようとしています。ヘリパッドとは小規模なヘリポートの事ですが、飛来するのが、彼の悪名高いオスプレイです。オスプレイは、回転翼が離着陸時にはヘリコプターモードに、飛行中はプロペラ機モードに変わる事で、即応性に優れているという触れ込みで、米軍や自衛隊が本格導入を検討しています。しかし、モード切り替え時に事故が多発する事から、別名「未亡人製造機」とも呼ばれ、米本土では住宅地上空の飛行が禁止されている機種です。離着陸時の騒音も半端ではなく、6ヶ所のうち2ヶ所のヘリパッドが稼動しただけでも、既に騒音で逃げ出す住民が出ています。そんなヘリパッドを、住民にはろくに知らせないまま建設しようとしているので、もう20年ぐらい前から、住民や支援者が訓練場のゲート前にテントを張って、抗議の座り込みを続けています。それに対して、安倍政権は全国から警察官や機動隊、民間の警備業者を総動員して、座り込みの排除やテント撤去を強行しようとしているのです。





 しかし、このヘリパッド建設強行には様々な違法性が指摘されています。講演会場で配られた上記の地図を基に、その違法性について説明していきます。

(1) 県警・機動隊の私物化
 現在、国は全国から500名を超える警察官や機動隊員を沖縄・高江に動員し、高江の座り込みを阻止しようとしています。しかし、都道府県警を統率できるのは、本来は各都道府県の知事しかいないはずです。沖縄・普天間基地の辺野古移設反対を掲げて当選した今の翁長(おなが)・沖縄県知事が、同じ沖縄・高江の米軍基地拡張に賛成するはずがありません。では、なぜ、国は全国から応援部隊を増強できるのか?実は、形式上は沖縄県公安委員会の要請によって行われたとされる応援部隊の増強も、その予算が国から支給されている事が最近明るみになりました。実際は、国が沖縄県の頭越しに、勝手に他県に応援要請をしていたのです。沖縄の高級ホテルに滞在して豪勢な食事を堪能しながら、住民弾圧に明け暮れる他府県(その中には大阪も含まれる)の警察官・機動隊員の滞在費に、私たち国民の税金が違法に使われているのです。これを「私物化」と言わずして一体何と言うのでしょうか?

(2) 県道の不法占拠
 国が米軍ヘリパッドを作ろうとしている北部訓練場を縫って、県道70号線が北に延びています。沖縄本島最北端の国頭村(くにがみそん)と他の市町村を結ぶ唯一の生活道路です。そこを国が、工事車両を通すために、ここでも沖縄県の頭越しに、違法に通行規制を行っているのです。工事車両が通る間は、他の車両は一切通過できません。今や、工事車両は「警備員に守られて運ばれる世界一高価な砂利」「大名行列」と皮肉られる有様です。
 しかも、生活道路の公道でありながら、別に犯罪捜査の必要もないのに、警察が恣意的に検問を行い、工事車両だけを通して住民の通行を禁止する。そして、反対運動を「犯罪者」呼ばわりし、憲法で保障された住民の請願権を踏みにじっているのです。これが、果たして法治国家のする事でしょうか?

(3) 村道の違法使用
 北部訓練場内の道路はほとんどが農道ですが、一部は村道となっていて、地元の東村が管理しています。上記の地図でも、県道70号線から分かれて新川ダムに至る区間が村道になっています。東村の村長は工事の村道使用を今も拒否しています。本来なら、村道を工事車両が通る事はできないはずです。

(4) 国有林の違法伐採
 北部訓練場内には国有林が広がっていて、世界遺産の「やんばるの森」として、天然記念物の希少生物ヤンバルクイナやノグチゲラの貴重な生息域となっています。工事の際も、一定以上の大きさの樹木を伐採するには、沖縄森林管理局の許可が必要です。工事区間の一部で、その許可を取らずに国有林の伐採を行っていた事が明らかになりました。

(5) 過積載ダンプのダム堰堤通過
 6ヶ所のヘリパッド建設予定地(上記地図の赤丸を付した場所。今はその中のN1、H、Gの3地区で工事が行われている)に入ろうとする工事用車両は、新川ダムの堰堤を必ず通過しなければなりません。ところが、ダムの堰堤には10トンの重量規制がかけられているので、本来なら土砂や工事用資材を満載したダンプは通過できないはずです。ところが、実際は重量ダンプが我が物顔に通行しています。これでは、いつダムが崩壊しても不思議ではありません。正に危険と隣り合わせの杜撰(ずさん)な工事です。
 その危険解消の為に、上記地図の北(上)の方のN1ゲート(この前座り込みのテントが強制撤去された)からN1裏(ここでは今でも座り込みが続けられている)に延びる旧林道の拡張工事や、工事用モノレールの設置、自衛隊ヘリでの資材搬送などが計画されています。旧林道とは名ばかりの獣道の使用や、人力で支柱を埋め込んで作るとされるモノレール建設は、実際はあり得ないので、最後の自衛隊ヘリによる緊急搬入が、最も可能性が高いと言われています。

(6) 基地拡張工事に伴う赤土流出
 先述したように、工事予定地の北部訓練場は、米軍のゲリラ戦訓練場であると同時に、希少生物の生息域でもあります。工事に際しては、国有林伐採の許可や、沖縄県の赤土流出防止条例に違反しない事が求められています。わざわざ、取って付けたような工事用モノレールの設置まで考えなければならないのも、ひとえに、この貴重な自然が残されているからです。ところが現実には、工事が最優先なので、ジュゴンの生息域が脅かされている辺野古と同様の事態が、高江でも繰り返されようとしています。

 私も高江の事は既に知っていましたが、まさか、これほどの違法行為を国が行なっていたとは思いませんでした。
 元はと言えば、沖縄の北部訓練場も普天間基地も、米軍が占領期間中に、「銃剣とブルドーザー」で住民から土地を奪い、勝手に線引きして造成した物です。条件付きではなく無条件で沖縄県民に返還すべき物です。ところが、当時の自民党政権(橋本龍太郎内閣)は、1995年の米軍兵士による少女暴行事件で、全県ぐるみの基地撤去運動が盛り上がった際に、それをSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意で「条件付き返還」の話に巧妙にすり替え、実際は老朽化した基地の返還と引き換えに、最新鋭の基地を作ろうとしてきました。よく言われる「普天間基地の辺野古移設」も、実際は「移設」なんかではなく「新基地建設」なのです。
 高江のヘリパッド建設も、北部訓練場内の中で、使用価値の低い山がちのジャングルだけを返還し、重要部分は継続使用できるようにする為のものです。その為に、宇嘉(うか)川河口の水域を米軍に提供して海兵隊の上陸訓練も可能にし(上記地図の青色部分)、垂直離着陸機オスプレイも使用できるヘリパッドを作ろうとしているのです。

 しかし、悲惨な沖縄戦を体験し、戦後も米軍占領下で基地の重圧に苦しめられてきた沖縄県民には、そんなマヤカシは通用しません。だから、辺野古でも高江でも、もう20年以上も座り込みによって、新基地増設を阻止してきたのです。
 その結果、今や米国の政権内部からも、沖縄からの基地撤退を容認する声が上がり始めています。ところが、あくまでもSACO合意に固執する安倍政権は、工事をせかす米政権内部強硬派の目を気にして、中国脅威論なども煽りながら、反対運動弾圧に血眼になっているのです。
 現在、普天間基地の辺野古移設を巡って、国と県が訴訟合戦を繰り返しています。県が前知事の移設承認を取り消したのに対し、国がそれを無効にしようと、行政不服審査法の手続きを悪用して、国が県を訴えるという前代未聞の事態になりました。今は裁判所の和解案に沿って、国地方係争処理委員会で審査が続いています。
 もし、ここで仮に同委員会で国よりの審査結果が出ても、実際に国が移設を行うには、公有水面埋立法に基づく設計変更や、県から岩礁破砕許可をもらったり、流入河川の流路変更申請をしなければならないのです。工事に伴う赤土流出防止条例に基づく県との協議も必要です。もはや北朝鮮やアフリカの独裁政権と変わらない姿となった安倍政権でも、これらの手続きをことごとく無視する訳には行きません。もし、国が辺野古移設や高江のヘリパッド建設強行に固執し続けても、泥沼のような裁判闘争に絡み取られて身動きが取れなくなるだけです。
 それ以外にも、台風の来襲や、辺野古の海底で新たな遺跡や希少生物が発見されたり、高江でも天然記念物の野鳥ノグチゲラの繁殖期に入れば、そのたびに工事中断を余儀なくされます。追い詰められているのは住民や県ではなく、むしろ国の方なのです。

沖縄タイムス記者も拘束 高江で取材中、機動隊聞き入れず(2016年8月21日 14:28 沖縄タイムス)
 20日、沖縄県東村の高江橋で機動隊が市民らを排除する様子を取材していた本紙記者ら報道関係者も拘束され、バスとバスの間に押し込められた。「記者である」ことを訴えたが最終的に聞き入れられず、取材活動を制限された。
 本紙記者は午前10時26分すぎ、排除の様子を取材していたところ、機動隊4人に囲まれた。背中を強く押されながらバスとバスの間に連れて行かれ、すでに拘束されていた市民ら15人と一緒に押し込められた。
 県警に「取材中である」ことを訴えると、一度は解放された。だが午前10時41分すぎ、別の機動隊に再び拘束され、バスとバスの間で身動きが取れず、取材活動を制限された。他社の記者も同じく拘束された。
 小口幸人弁護士は、記者の拘束について「主権者が知るべきことを報道する権利を侵害する行為で許されない」と話した。交通を妨げるなど、排除される理由がなかった中での拘束に「法律に基づいた行動だとは思えない」と述べた。
 沖縄平和運動センターの山城博治議長は「マスコミを萎縮させることにつながりかねない行為で、あり得ない」と語気を強めた。
 県警警備2課は、バスとバスの間に市民や記者を拘束したことについて「危険防止や安全確保のため。取材を規制する目的ではない」と答えた。(以上引用)
注:この他にも、本土では余り報じられない沖縄現地のニュースを、次回記事でまとめて紹介しています。関心のある方は是非そちらもお読み下さい。



 講演終了後はデモにも参加しました。講演会場のエルおおさかを出て、天満橋から梅田新道に出て、御堂筋を大阪市役所前まで総勢200名で歩きました。途中、淀屋橋の米国総領事館前では、警察の過剰警備によるトラブルもありました。赤信号で停止中だったので、デモ隊が領事館に向かって「アメリカは出て行け!」と一段と声を張り上げたのに対して、警備の警察が「早く進め!」と挑発してきたのです。どうやら事なきを得たようですが、ここにも安倍政権の狼狽(ろうばい)ぶりが見て取れました。「参院選にも勝った」という事で、一見強大そうに見える安倍政権ですが、沖縄の基地問題やTPP、年金削減、残業規制撤廃などで、ますます国民との間に矛盾を広げつつあります。追い詰められているのは我々ではなく、むしろ安倍政権の方だという事を、この講演会でも痛感しました。
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2 コメント

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正確にいうと… (あるみさん)
2016-08-31 19:57:06
本集会の主催は「STOP! 辺野古新基地建設 大阪アクション」(北上田さんのブログでもそうなっています)
http://blog.goo.ne.jp/stop-henoko-osaka です。行動開始2周年ということで催されたようです。「辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動」は呼びかけ団体の一つです・・・もっとも「大阪行動」とかやっている人の中から「大阪アクション」が出来たので、あながち間違いというわけでもありません…「大阪行動」のほうは2004年8月から、もう12年も活動を続けております。
早々のご指摘感謝! (プレカリアート)
2016-09-01 04:29:09
あるみさん、早々のご指摘有難う。早速、本文の記事もそのように訂正させていただきました。結成2周年は、「辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動」ではなく「「STOP! 辺野古新基地建設 大阪アクション」の方だったのですね。しかし、それにしても団体名がよく似ている事・・・。この辺は、もう少しどうにかならなかったのでしょうか・・・。

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