アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

小沢一郎を真に乗り越える為に必要なもの

2010年02月07日 16時18分08秒 | 未完の政権交代
 

 昨年来から続いてきた小沢献金問題は、政治資金団体「陸山会」への4億円寄付がゼネコンからの賄賂によるものかどうかという、一番肝心な事は何一つ解明されないまま、元秘書3名の逮捕・保釈、小沢不起訴という曖昧決着で、とりあえず幕切れとなりました。
 本来ならば、「財界による政治支配」という根幹にこそメスが入れられなければならないのに、追及する方もされる方も、一部の例外を除いて、その根本問題には決して触れようとはせずに、お互いに相手を貶める為の政争の具としてのみ、この問題を利用してきました。だから、盛り上がっているのは、政争に加わっている当事者と、それに加担しているマスコミのみで、それに嫌々付き合わされてきた国民としては、「やっと終わったか」というのが正直な感想です。

 田中角栄や竹下登の愛弟子として、自民党の要職を歴任した後、新進党・自由党と渡り歩いてきた小沢が、清廉潔白な訳がないし、国民もそんな事は薄々分かっていた筈。それでも敢えて麻生自民党から小沢(鳩山)民主党への政権交代を国民が選択したのは、自民党政治の清算を小沢の豪腕に期待したからに他なりません。「同じワルならまだ反自民の方がマシ」という消去法での選択だったのです。
 自民党は、そこが全然分かっていないし、分かる事も出来ない。自民党が自民党である事を止めたら、もはや解党するしかないのは、自民党自身が一番良く分かっているから。だから「財界による政治支配」には一切手をつけず、企業・団体献金廃止にも頬かむりしたまま、ひたすら小沢への個人攻撃ばかりに血道をあげているのです。しかし、これまでの積年に渡る自民党政治の出鱈目さを思い知らされてきた国民には、もうそんな事は通用しない。

 他方で小沢(鳩山)民主党も、何故先の総選挙で国民が政権交代を選んだのかが、もう少しは自覚していると思っていたが、やはり何も分かっていなかったようです。だから、後期高齢者医療制度の見直しや普天間問題にしても、総選挙で示された民意に沿って、今までの自民党政治を改めさえすればそれで済む問題なのに、徒に迷走を繰り返すばかりで、要らぬ混乱を招いてしまっている。
 そうして、自民党政治をそのまま踏襲し続けたばかりに、沖縄・名護市長選での反基地派の勝利という、本来ならチャンスである筈のものまでピンチにしてしまうような体たらくなのですから、もうお話になりません。
 国民は、決してそんな小沢や民主党に満足している訳ではありません。今の小選挙区制の下では、これまでの自民党の悪政を止めるためには、まだ海のものとも山のものとも分からないが、自民党を下野させる最短距離の位置にいる民主党を、とりあえずは支持するしかなかった。だから、みんな民主党に投票したのです。それが本当に分かっていたら、小沢もこれまでのような横柄な態度は決して取れなかった筈です。

 それでも自民党を復活させる訳にはいきません。だから自民党・右翼や産経新聞の小沢民主党バッシングには組しない。しかし、当の小沢民主党も、過去の自民・民主大連立騒動を見れば分かるように、根本においては自民党と同床異夢なので、とても日刊ゲンダイの様に積極的に擁護する気にはなれない。
 では、自民・民主の両党以外であれば何でも良いのかとなると、勿論そうではありません。新自由主義で自民党以上に自民党的な「みんなの党」や、極右反動・排外主義のネオナチでしかない平沼・田母神・在特・新風なんてのは、もはや論外です。右派や新自由主義派に対する批判については、今まで散々書いてきましたので、ここではこれ以上書きませんが。
 だから私は左翼を、とりあえずは共産党を応援し、今も選挙のビラ撒きを手伝ったりしているのです。しかし、では何故、左翼が民主党にとって代わる事が出来ないのか。それをここでは考えてみました。

 確かに共産党は、自民・民主両党よりはよっぽどマシです。それは「政治とカネ」の問題一つとっても明らかです。でも実際には両党よりもはるかに小さい。勿論、それには小選挙区制の影響もあるでしょう。しかし、決してそれだけに解消は出来ないと思うのです。何故なら、私自身が、今はこの党についても、以前ほどには無条件で入れあげるような気持ちにはなれないから。
 何故そう思うようになったのかについては、確かに「いずみ生協」での体験が微妙に影を落としている部分はあると思います。また「ベルリンの壁」崩壊や北朝鮮問題も多少はあるでしょう。しかし、決してそれだけではありません。旧ソ連・中国・北朝鮮の実態なんて、別に今さら産経・正論やSAPIOなんて読まなくても、既に数十年も前から薄々は分かっていた事ですから。
 かつて20数万人の組織勢力を誇った民青(日本民主青年同盟:共産党系の青年組織)が今や2万数千規模にまで落ち込んでいるのも、決して「ベルリンの壁」崩壊や北朝鮮問題などだけが原因ではないと思います。より根本的には、これだけ個人が「自由」に(但し、あくまで括弧付きにですが)情報にアクセス出来る社会で、わざわざ何らかの組織に帰属して、それに縛り付けられている事の意義やメリットが、もはやどこにも見出せなくなったからです。現に、私が離党した最大の理由も、根本的にはそこにありましたから。だから、これは単に共産党や新左翼だけに限らず、実は自民党などにも共通する問題なのです。実際、自民党の党員数なども、過去と比べたら激減していますから。

 これは確かに重要な進歩なのかも知れません。今までは帰属組織の言いなりであった個人も、自分で情報を集め始めて、自律的に物を考えるようになったという事ですから。しかし、一概に手放しで喜べる事ばかりとも限らないのではないでしょうか。
 まず、一見自由に見える情報でも、実は財界・マスコミ資本によって巧妙に操作されているという問題があります。そして、それに対する個人はというと、組織への帰属・忠誠心からの解放と引き換えに、「何も信じられない」不信の荒野に、放り出されてしまったというのが、今の状況ではないでしょうか。この中で、単に左翼イデオロギーだけでなく、人類が長年にわたって獲得してきた自由・人権・民主主義や「科学的な物の見方」といった価値までもが、以前ほどには信用されなくなってきたのではないかと。だから、この問題は実は、単に「マルクス主義の凋落」だけで済まされるような、そんな単純な問題ではないのです。
 60年代にはあれだけ公民権運動やベトナム反戦運動が盛り上がった米国で、今や地動説も信じない人々がネオコンに靡いてしまうようになってしまったのが、その何よりの証拠です。それは日本でも同じで、かつては社会党や共産党を支持した人たちまでもが、スピリチュアルや田母神や小沢の虜になってしまったのも、それが原因ではないかと。

 その様な「不信の荒野」の中で、「一刻も早く自民党政治を変えたい」という、それ自身は当然の要求から、小沢の豪腕に期待する人についても、同じ事が言えるのではないでしょうか。民主主義の面倒な過程をすっ飛ばして、手軽に成果だけを手に入れる為に、誰かの豪腕に他力本願ですがろうとしている、という点で。確かに、その気持ちはよく分かります。私自身がそうでしたから。
 しかし、それでは、ヒットラーや橋下徹・石原慎太郎・森田健作・サルコジ・ベルルスコーニらの豪腕に期待した人と、結局は同じではないかと。消極的とはいえ小沢に一縷の望みを託した私も含めて、その他力本願の「横着民主主義」意識から脱却出来てこそ、初めて国民は小沢・橋下や民主党をも乗り越えて、真の自律や自民党政治の転換を実現できるようになるのではないでしょうか。
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14 コメント

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プレカリさんの場合は (修正資本主義者)
2010-02-08 00:58:30
>選挙のビラ撒きを手伝ったり
思うんですが、無論チラシ配りも重要な仕事だとは思うのですが、常々「共産党を必要としなくなり離党しましたが、何か?」みたいなことをどこでも毎度連呼しておられる。この大きな相克があると思うんですけれども。
ハマスってありますよね
なかなか武装闘争から抜け出すことができず、全面的に擁護するわけにはいかない勢力と自分は思っているのですが。でもハマスの支持は一定の住民層に強固に存在しているらしい。それはハマスが自前の病院を運営していたりする大衆の直接利益になる働きがあるからじゃないかと思います。そしてその担い手は堂々とハマス支持を唱えている。
やっぱりある程度国民大衆に実のあがる、思想信条が違い偏見を持ったままの立場の人でも、目の前の成果に一目瞭然で、自分の身近な生活の苦難の軽減のために現に骨を折ってくれる人の姿に人は動かされているのではないかと。
それが「自分の勤めている会社への仕事の配分」となれば角栄小沢型になるだろうし、医療なら民医連、業者なら民商、組織労働者なら労組などなどにつながるのでありましょう。そういうよりどころとなる大衆組織を強く大きくすることも、プレカリさんのご意見では(民青同盟を代表例に)今では不可能のように指摘されていますが、それはどうかな。
科学主義・実利主義・(疎外された)生産力主義 (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2010-02-08 10:58:49
科学的社会主義(=マルクス主義)とは、本来、思想と科学が統一された観念体系だったんですよね。事実認識と価値認識が統一されたものが本来のマルクス主義だったということです。つまり、科学的社会主義とは、空想的社会主義の非科学的主観性は乗り越えたとしても、自分が思想(=主義)であることも十分自覚したイデオロギーだった。「一人は万人のために・・・・」なんて言うスローガンも事実認識では無く、価値認識(=規範意識)でしょ。レーニンの「(社会)科学の党派性」命題なども、そのへんを押さえた物言いだったはずです。

ところが、実証科学の隆盛とその実利性の確認を背景にして、マルクス主義を単純な科学主義に曲界・矮小化する動きが日本などでは強まった。不破哲推奨の「科学の眼」などもその流れに乗るものだと思います。あの「眼」に対しては、哲学や教育学の専門家などから痛烈な批判が出ています。

しかし、今日、地球と人類を破壊するまでに「進歩」した実証科学には強い疑念が提出されています。西洋医学などに対しても然り。
それらは、しょせんは目先の実利を追求するだけの疎外された生産力なのではないのか、という疑念や批判のことです。事実認識が、本来人間に備わるべき健全な価値認識と分離してしまっている。前者が後者を圧殺してしまっているという。

いろんな問題を考える(=認識行為)前提として、どうでしょ?
Unknown (A)
2010-02-08 21:01:06
旧政権と既得権を共有する連中が検察をして仕掛けたクーデターでしょう?
しかし、大新聞やテレビと同じようにムカついたのは、日本共産党の堕落。外務官僚と癒着しているという話もあります。http://blog.goo.ne.jp/project_aiu
支持する場合でも主体性はこちらが確保しておきたい (プレカリアート)
2010-02-08 23:31:50
>>選挙のビラ撒きを手伝ったり
>思うんですが、無論チラシ配りも重要な仕事だとは思うのですが、常々「共産党を必要としなくなり離党しましたが、何か?」みたいなことをどこでも毎度連呼しておられる。この大きな相克があると思うんですけれども。(修正資本主義者さん)

 うーん、相克ね。バリバリの党員からすればそう見えるかもね。ただ私は、別に共産党が嫌いになったとか、そういうのは全然ないのですよ。生協みたいな共産党なら、もう御免蒙りますが。
 私は、生協退職後も暫くは、地元の居住支部で活動していました。居住支部での活動は、別に査問とかツメとかは全然なくて、逆に「老人クラブ」みたいで物足りなかったぐらいで。
 しかし、転職した事もあって、次第に会議に出れなくなってきました。党費も後で1年分を一括払いする形になってきた(塵も積もれば何とやらで)。その後、掲示板やブログもやるようになる中で、別に「共産党だけが常に絶対正しい」とも思わなくなった。そんなこんなが重なって、もう面倒になって党をやめたのです。
 しんぶん赤旗も、こちらは本当は今でも取りたいのですが、早朝出勤時間に新聞配達が間に合わなくなり、夜もブログ更新に時間が取られる中で、次第に読む時間が確保出来なくなって、購読をやめたのです。
 記事では、話を分かりやすくする為に、「共産党だけが絶対正しいとは思わなくなって」云々の部分だけを強調しましたが、実際は今述べた通りです。
 だから、党に愛想を尽かしてとか、そういう動機でやめたのではありません。居住支部の党員とは今でも普通に挨拶を交わすし、ビラの全戸配布も今まで通り担っています。
 でも、何かといえば「共産党員のくせに」と、ただの精神論でしかない「専従者論」を振り回され、職制党員に嫌々付き合わされる様な活動スタイルは、もう生協時代で散々懲りている。だから、今さら入党する気にはなれません。党員である限り、たとえ今の「老人クラブ」みたいな支部であっても、いつまた組織に縛られるようになるかも知れませんので。
 でも、左翼としての誇りや社会主義への確信については、今も持っています。今も党を支持し、活動にも部分的にではあっても加わっているのも、その為です。しかし、昔のような盲従状態には絶対に戻りたくはない。あくまでもフリーハンドはこちらが確保しておきたい。

>ハマスってありますよね・・・そういうよりどころとなる大衆組織を強く大きくすることも、プレカリさんのご意見では(民青同盟を代表例に)今では不可能のように指摘されていますが、それはどうかな。

 これは否定しませんよ。多分、この日本でハマスに相当するのが民商や生協でしょう。これらの団体は、民青とは違って、今でも組織を拡大していますしね。私は、今は未組織の非正規雇用労働者として、どこの組織にも属していませんが、若し不当解雇とかの憂き目に会えば、その時はまた共産党のお世話になるかもしれません。
 しかし、その場合でも、あくまでも主体性(フリーハンド)はこちらが確保しておきたいのです。仮に個人加盟の労組に加入して闘う場合でも、大阪労連に入るか、大阪全労協やその他の独立系組合に入るかは、その時々の状況に応じて、自分で判断して決めたいと思います。
 そうでないと、単に「労組にお任せ」では、地元自民党有力者への陳情に明け暮れていた、かつての地方農協幹部と、何ら変わらないと思うので。
バカなこと言ってんじゃねーよっ!w (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2010-02-09 12:06:55
>旧政権と既得権を共有する連中が検察をして仕掛けたクーデターでしょう?

世論調査でもすでに6割7割が小沢辞めろコール挙げてるんだぜぃ。
有権者の政治的前進願望を後ろから引っ張るようなヤツがクソミソ一緒の書き込みすんじゃねーよっ!www
観点が違う (修正資本主義者)
2010-02-11 05:28:28
いえ、違うんですよ
> うーん、相克ね。バリバリの党員からすればそう見えるかもね。ただ私は、別に共産党が嫌いになったとか、そういうのは全然ないのですよ。生協みたいな共産党なら、もう御免蒙りますが。
プレカリさんの話を常々拝聴し、プレカリさんの人となりを見聞きしてる人が、プレカリさんが言うからと共産党支持にまわるでしょうか?
片方でプレカリさんがチラシを配っておられる。無論それは意見を同じくする人に配布しているだけではなく、あまり関心ない人、別の観点から見ている人に対して、共産党独自の視点から真実を伝えている(プレカリさん自身それが真実だと思うから堂々と配っているのだと思います)わけですが、その配っているプレカリさんの口から出る言葉、何かにつけて「自主的態度で」という話。無論それぞれ自主的に自ら学んで、何が真実か知りたいわけだし、それには民主的議論の煩雑さと同じぐらい煩雑で、まことさんや三浦さんのような専門に研究されている人級の日々の努力が居る事だと思うのですよ。圧倒的多数の大衆はあんまりまこと三浦級の努力は政治の真実を直視するために骨折りしてないわけですが。で「私はもうね、やってられないと離党したわけですよ共産党は。でもね共産党のチラシには正しいことが書いてあるからプレカリは自主的立場から配布に協力してやってるの。あんな以前つとめていた生協みたいなスターリン型非人道的な組織だったら御免蒙りますよ」なんて口調でとうとうとまくし立てるわけですよ。それを聴いて、そのチラシとプレカリさんの顔と見比べて、その人はプレカリさんの言うことに全幅の信頼を寄せるように傾くか、共産党のチラシの書いてあることに、自主的興味関心から、図書館に通い、赤旗縮刷版や一般紙も過去のをひっくり返して研究を始めるか、図書館のPC端末を繰って毎日研究に没頭するかということです。
出発点としては「なんで共産党が伸びないか」あるいは「共産党のような立場の共産党にかわる政党(共闘を拒まない政党など)」が登場しないか、ということでした。ここに相克があると申しているのです。
相変わらず振動してるねぇw (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2010-02-11 14:42:42
>その人はプレカリさんの言うことに全幅の信頼を寄せるように傾くか・・・

修正主義者のくせに幻想も深いねぇ!w
誰が今時そんなこと期待してるの?
「信頼を寄せる」方も信頼を寄せられることを期待する方も「全幅の」なんか遣り取りしてないんだよっ!

「全幅の信頼」なるものは、スターリン主義のような一種宗教的盲信の世界でもあるんだよぉwww
長年「赤旗」で偉そうな能書き言ってた大谷みたいなケース(3、4日前の「赤旗」掲載の「批判」読んだかい?)だって希じゃない昨今なんだからね、そんな幻想を前提にしないこと!!!
去年の2月9日カキコの続きw (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2011-09-26 20:11:04
小沢の子分たちへの一審判決、漸く出ましたね。
「検察ファッショ」だなんてトンチンカンなレッテル貼りして大騒ぎした小沢提灯持ち連中、今回はどんな論陣を張るつもりなんだろうねぇ?

ま、死刑制度などでも揺れる江川紹子女史みたいな御仁には、良い試練だろうねw
法律学の幻想や地べたを這う実証主義の奴隷たちにとって、小沢裁判は格好の試金石でしょうよ。
江川紹子の白を黒にする論法 (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2011-09-27 11:48:11
彼女のブログ、ちょっとチェックしてみたら・・・

 「それにしても、陸山会事件とは何だったのだろうか。小沢氏の3人の元秘書は、政治資金収支報告書への4億円の記載を巡って起訴されたはずなのに、それ置き去りにされ、どんどん事件が拡散している。検察側は水谷建設からの5000万円を強調し、まるで実は贈収賄があったかのように印象づけ、さらには石川議員の政治資金を巡る問題まで法廷に持ち出されている。
 小沢氏に連なる人たちは、何か怪しい、何か隠している、けれども結束力が強くしっぽを出さない――そんな雰囲気作りだけが、着々となされている感じもする。
 検察側と弁護側の力量の差ゆえなのか、裁判長の訴訟指揮によるものか、その辺はよく分からないが、果たして刑事裁判の在り方として、こういうことでいいのだろうか……。」


だってさw

これじゃオールド左翼の大好きな「階級観点」の欠落どころか、「推定無罪」や「職務権限」、「証拠」などの概念についての真っ当な探求努力さえゼロですよ。

大観航空機事件の時の社会党の右往左往を皮肉ったミヤケンの名セリフじゃないけど、正に「実証主義は不可知論に転落する」ですな。

それにしても、こんなにレベルの低い「ヒトラー待望論」の焼き直しじゃ、「ニッポンの知性」も推して知るべしだよねwww
補足説明 (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2011-09-28 10:19:52
「江川紹子の白を黒にする論法」というタイトルは若干舌足らずでしたかね?
「白を黒」じゃなく、「黒を白」じゃないか?という疑問も出るかと思います(ま、どっちでも良いんだけどw)。

「白を黒」と書いたのは、小沢に冤罪を着せるという意味ではなく、反対に、江川などの小沢擁護派がこの問題に「国策捜査」だとか「検察ファッショ」だというようなレッテル貼りをしているからなんですね。オレはこの事件に限っては、検察は「白」だと思いますよ。むしろ、小沢検挙が遅きに失したぐらいだと怒っているのです。

この問題では、小沢擁護派の方が現象面にのみ囚われて「法学的幻想」や「地べたを這う実証主義」の虜になっているのではないでしょうか。
陰のキングメーカーを務める権力者であり金権政治の権化でもある小沢に対してまで「推定無罪」だとか「職務権限の有無」だとかを問題にするような態度は、左翼どころか常識人としてさえどうかと考えます。

追記:「法学的幻想」とは、現実生活の堆積が明文法を産み出すのではなく、先験的に存在する法や理念が現実を産み出し律するかのごとく考える転倒した現実把握態度のことです。
この立場は、太古エデンのアダムとイヴの時代から現行の法体系が完備していたかのごとき擬制をも産み出す観念論の一変種にすぎません。
「法学的幻想」や「実証主義」の立場では、被抑圧者である人民大衆を守るはずの論理を、大衆にではなく権力者の方に適用してしまう点でトンチンカンにもなるのです。

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