アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

中山成彬は即刻議員辞職しろ!

2008年10月01日 22時42分18秒 | 麻生政権で自民終了
 中山成彬の件で、しつこいようですが、あともう少しだけ。実を言うと、こちらもこの件で手を煩わされて、いい加減迷惑しているのです。でも、どうしても言っておかなければならない事なので、睡眠時間を削ってでも、敢えてこの件に拘っているのです。そういう事なので、もう後は手短にまとめます。

 国土交通相辞任に追い込まれた中山成彬が言った事の、一体何が問題だったのか。確かに、中山が口にした、「成田空港反対派はゴネ得」「日本は単一民族国家」「日教組が強いと低学力」の、それぞれの発言自身も、いずれも事実に反した、デマゴギーともいうべきものでした。最後の「日教組が強いと低学力」というのも、その論拠は全くデタラメでした。

 しかし、仮に百歩譲って、如何にトンデモな発言であったとしても、中山成彬の立場からすれば、「自身の考え方を開陳したまでだ」と逃げおおせる事は、まだ可能でした。たとえ、中山自身が下記で白状したように、「日教組組織率と学力テスト順位の相関関係なども、実はどうでも良い、単なる言い掛かりでしか無かった」という事であっも。

・中山氏「言葉狩りだ」テレビで強弁 一夜明け、憔悴どころか(産経新聞)
>ただ具体的な根拠は示さず、全国学力テストの成績が下位で、日教組の組織率が低い大阪府に言及し「組織率(の問題)ではない」「文部科学相時代には大阪に行っていない。日教組が入らせなかった」と話すにとどまった。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080929-00000096-san-pol

 だから、先日のエントリーでも引用した「日教組組織率と学力テスト順位の間に相関関係無し」という朝日新聞記事の真偽について、産経新聞や中山支持者が何やら巻き返しに出ているようですが、実はそれすら今回の事件の本質ではないのです。

 「日教組が強いと低学力」というトンデモな思い込みを開陳した限りでは、まだ「あれは失言だった」として、謝罪でお茶を濁す事も可能でした。ところが、その後、中山はどうしようもない事を言ってのけたでしょう。「日教組をぶっ潰す」と。

 「日教組は、学力テストや道徳教育に反対して、ケシカラン、偏向している」と言うまでなら、如何にそれが事実に反していようと、「あくまでも中山イズムの偏向イデオロギーに則って考えれば」という事で、まだ解釈(言い逃れ)の余地はありました。
 しかし、前段の物言いまでならまだしも、その己の偏狭な中山イデオロギーの開陳に止まっていたものを、その後の「こんなケシカラン日教組は、俺がぶっ潰してやる」とまで言ってしまった事で、完全に言い逃れが出来なくなりました。

 当然でしょう。それは、自分たちの身に即して考えれば、直ぐに分かります。
 仮に二人の人間が互いに罵り合っていたとしましょう。「お前のどこそこが気に入らない」と罵り合っている程度であれば、たとえ、その内容がもう言い掛かりでしかないトンデモな代物であったとしても、まだ罵倒の範囲内です。
 しかし、ある一線を越えて、どちらかが「お前みたいな奴は殺してやる」と言ってしまったとしたら、どうなるでしょうか。その時点で、それは単なる「売り言葉に買い言葉」から、れっきとした「脅迫・恐喝罪」に変わってしまうのです。

 中山が口にした「日教組をぶっ潰す」という暴言が、正しくそれではないですか。「道徳教育反対、学力テスト反対がケシカラン」と言うに止めているならば、まだしも「偏狭・中山イデオロギーの開陳」で済んでいたものを。
 相手の掲げている政綱なり運動方針なりが気に入らないからといって、特定の労組をいきなり名指しして、その存在自体を認めようとしない。これが中山発言の本質です。これを「不当労働行為」「労組弾圧」「結社の自由に対する侵害」と呼ばずして、一体何と言うのか。

 中山というのは、つくづく、民主主義のイロハさえ弁えない御仁だという事が、これで明らかになりました。何が「言葉狩り」か。中山に向けられた当然の批判が仮に「言葉狩り」だとするならば、中山当人が放った「日教組をぶっ潰す」発言こそ、「言葉狩り」のレベルを遥かに超えた「思想弾圧」そのものではないか。
 他者に対する思想差別・思想弾圧を肯定する以上は、自身についても「一切何をされても異議ありません」という事でなければ、理屈が通らなくなりますね。そうでなければダブル・スタンダード(身びいき)になってしまうからね。

 この御仁は、あくまでも現段階についてですが、厚顔無恥にも、来る解散総選挙で衆院小選挙区の宮崎1区から引き続き出馬するそうです。
 一体どの面下げて出馬出来るのか、私には想像も付きませんが、若し選挙遊説中に、誰かから「気に食わないから」という理由だけで、卵をぶつけられたり撃ち殺されたりしても、一切文句を言わないのでしょう。
 何せ「気に食わない相手はぶっ潰せ」という、ネオナチばりの考え方の持ち主なのですから。自分が同じ事をされても、当然文句はない筈です。
 若しそれが嫌であるならば、少なくとも、それまでの日教組に対する一連の暴言は、全て撤回の上、日教組にきちんと謝罪すべきでしょう。そして当然、議員辞職でケジメをつけるべきでしょう。

 しかしまあ、流石に閣僚辞任には追い込まれたものの、こんなネットウヨ崩れでも簡単に政治家に成れる国というのも、ある意味凄いと言うか・・・。

(追記)

 その中山成彬ですが、閣僚辞任に続いて政界引退をも表明する所まで追い込まれました。恐らく、地元支援者からも三下り半を突きつけられての結果でしょう。当然の報いです。
 元々は一介の道路族議員にしか過ぎなかったくせに、イッパシの「愛国者」気取りで日教組バッシングに乗り出してみたものの、実際には誰もついて来なかった。
 恐らく当人たちは、今回の事態について、この期に及んでもまだ「反日左翼の陰謀に嵌められた」ぐらいにしか理解出来ないのでしょうが。実際は安倍退陣の場合と全く同じで、その余りの時代錯誤ぶりや、国民生活の困窮も一切顧みずに徒に「改憲ごっこ」ばかりに現を抜かすジコチューぶりに、みんな辟易していただけなのに。
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3 コメント

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小泉劇場もネオナチも、もう沢山 (プレカリアート)
2008-10-03 23:50:10
・“失言”スピード辞任の中山前国交相、政界引退へ(産経新聞)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081003-00000563-san-pol

 当然の報いで、寧ろ遅きに失した位だ。こんなネオナチもどきに好き勝手させる為に、こちとら税金払っている訳ではない。恐らく、地元の支援者からも、今回ばかりはホトホト愛想が尽きたと、三下り半を突きつけられての事だろう。

 それにしても、御用メディアの、この悔しがりようと言ったら。勢い余って、更にこちらも失言を其処かしこに。

・【政論探求】「失言」騒動の危うさ(同上)
 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/183214/

>(中山発言は)「思想・信条・言論・表現の自由」の許容度はできるかぎり広いものでありたい。「もの言えば唇寒し」の風潮をつくり出してしまうのは、健全とはいえない(と言う事を言いたかったのだ)
>これまで「失言」として指弾されたケースでは、本質をついたものが少なからずあったことを想起したい。とはいえ、同じ失言をするのなら「貧乏人は麦を食え」級の歴史に残るものを狙うぐらいのダイナミズムがほしい。(客員編集委員 花岡信昭)

 アホか。同じ「日教組をぶっ潰す」発言でも、一介のバカウヨが居酒屋でクダをまくのと、政治権力を有する閣僚が公の席で表明するのとでは、意味合いが全く違うだろうに。前者の場合は只のバカウヨの戯言と一笑に付す事も可能だが、後者の場合はもう言論弾圧そのものだろうが。
 自分の方から先に他者の「思想・信条・言論・表現の自由」を踏みにじっておいて、盗人猛々しいにも程がある。白を黒と言いくるめるのも、いい加減にしろ。
 池田内閣時代の「貧乏人は麦を食え」失言を肯定的に捉えたくだりも、産経新聞の「人民蔑視」ぶりが如実に現れていて痛い。阿比留・古森といい花岡といい、こいつらネオコンの如何にも言いそうな事だ。

・橋下知事:「光母子弁護団懲戒」TV発言で賠償命令(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081002k0000e040010000c.html

>山口県光市の母子殺害事件(99年)を巡り、橋下徹弁護士(現・大阪府知事)のテレビ番組での発言で懲戒請求が殺到し業務に支障が出たなどとして、被告の元少年の弁護士4人(広島弁護士会)が計1200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、広島地裁であった。橋本良成裁判長は「発言と懲戒請求との間に因果関係があることは明らか」として橋下氏に原告1人当たり200万円、計800万円の支払いを命じた。
>。(判決骨子)弁護士は少数派の基本的人権を保護すべき使命も有する。多数から批判されたことをもって、懲戒されることがあってはならない。

 こちらも至極当然の判決だ。世間やサイレント・マジョリティーを騙りさえすれば、何でも自分の言い分が通ると思ったら大間違い。
 この様な「小泉劇場」を真似たポピュリズム(大衆扇動)が、そうそう、いつまでも通用する筈が無い。
ハガキありがとうございました。 (ブーゲンビリア)
2008-10-06 20:20:01
はじめまして。
10月4日土曜日、新宿西口で憲法ハガキをいただきました。
ありがとうございました。

このブログ、がんばっておられますね。まだ少ししか読んでいませんが、これから勉強させて頂きます。

私のブログには、いろいろな写真が載っていますので、是非、見て頂きたいと思います。
季節の変わり目、ご自愛ください。
こちらこそ、初めまして。 (プレカリアート)
2008-10-07 20:11:00
 ブーゲンビリアさん、ようこそ。

 ブログ早速読ませて貰いました。毎週土曜日に東京の新宿西口で反戦の意思表示をされているとの事、つくづく頭が下がります。
 「自分の意見を堂々と言えることは、うれしいことです。だから、ビルマにもチベットにも関心を持ち続けたいと思います。中国の民主化を望みますが、日本はどうでしょうか。異なる少数意見を中国のように「粛清」していませんか。」(貴ブログ「10・4新宿西口地下広場にて」)―特にこの一節に激しく同意します。私が自身のブログで掲げているテーマも、正にその様なものだからです。

 翻って私の方はと言うと、地元の大阪でも毎月9日に御堂筋で同様の反戦パレードが行われていますが、今まで参加出来ずにいます。今の仕事は会社カレンダーで勤務シフトが決まり、土日祝日が休みとは限らないので、参加できるイベントは限られてしまいます。加えて月の半分は掛け持ちでサブのバイトもしていますので、自分のブログ更新だけで手一杯の状態です。他のブロガーの方のように、積極的に外に打って出たりネットで交流したりは出来ないのが、つらい所です。

 でも、最低限自分のブログを更新する時間ぐらいはまだ持てていますので、政治参加の機会を奪われ自身の生存権も貶められて、それすら適わない人の分も含めて、抵抗の意思表示として、ささやかながらブログを発信し続け、各種のイベントや活動にも、今まで可能な範囲で自主的に参画してきました。そんな、つたない私のブログですが、今後も宜しくお願いします。

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