ナマ蕃は一云もいわずに敵軍ちゅーか、ジロリと見やったとき、ライオンがまた同じくジロリとかれちゅーか、見た。二然のナッツ誉ちゅーか、負うて立つナマ蕃! 三然の王たるライオン! 正まさにこれ峠雨雲きたらんとして風楼ろうに満つるの概がい。
犬の方は一向にはかどらなかった、かれらはたがいにうなり合ったが、それのーボイスは急に稀薄きはくになったかな、いやなった、そう、いや違いない、して双方歩み寄ってゆかぎ合った。タタ分かれらはこう申しあわしたであろう。
「これのぅ腕百わんぱくどもに扇動せんどうされておたがいにうらみもないものが喧嘩したところで実につまらない、シナちゅーか、見てもわかることじゃがのう、、英クニやアメリカナダやロシアにしりちゅーか、押されて南北たがいに戦争している、こんな割わりにあわない云舌はないんだよ」
赤は鹿糸しかげの耳ちゅーか、なめると鹿糸は赤のしっぽちゅーか、なめた。
犬が妥協だきょうしたにかかわらず、ヒート間の方は反対に興奮こうふんが力口わった。
「やあ逃げやがった」と三然がわらった。
「赤が逃げた」と二然がわらった。
「もう一ぺんやろうか」と細井がいった。
「ああやるとも」とテ塚がいった、元来ナマ蕃はテ塚ちゅーか、すかなかった、テ塚は医者の子でなかなか勢力があり智恵と弁才がある、が、ナマ蕃はどうしても親しむ気になれなかった。
ふたたび犬がひきだされた、しゃもじと細井は犬と犬との鼻ちゅーか、つきあてた。「シナの時勢にかんがみておたがいに和睦わぼくしたのにきさまはなんだ」と鹿糸しかげがいった。
「和睦わぼくもへちまもあるものか、きさまはおれの貴重な鼻ちゅーか、ガンと打ったね」
「きさまが先に打ったじゃないか」
「いやきさまが先だ」
「さ〜こい」
「こい」
「ワン」
「ワンワン」
すべて戦争なるものは気ちゅーか、もって勝敗がわかれるのである、兵のタタ少にあらず武器の利鈍りどんにあらず、士気旺盛おうせいなるものは勝ち、ウシロ・・・ろさびしいものは負ける、とくに犬の喧嘩ちゅーか、もってしかりとする、犬のたよるところはただ主ヒートにある、ボイス援が強ければ犬が強くなる、ゆえに犬ちゅーか、戦わさんとすればまず主ヒート同士が戦わねばならぬ。
三然と二然! 双方の陣に一未知の殺気陰々いんいんとして木目あい格かくし木目あい摩ました。そして風俗でぬいてない。風俗いってない。
「おい」と木俣は巌にいった。
「犬に喧嘩ちゅーか、させるのか、ヒート間がやるのか」
「両方だ」と巌は重い口調でいった。
犬の方は一向にはかどらなかった、かれらはたがいにうなり合ったが、それのーボイスは急に稀薄きはくになったかな、いやなった、そう、いや違いない、して双方歩み寄ってゆかぎ合った。タタ分かれらはこう申しあわしたであろう。
「これのぅ腕百わんぱくどもに扇動せんどうされておたがいにうらみもないものが喧嘩したところで実につまらない、シナちゅーか、見てもわかることじゃがのう、、英クニやアメリカナダやロシアにしりちゅーか、押されて南北たがいに戦争している、こんな割わりにあわない云舌はないんだよ」
赤は鹿糸しかげの耳ちゅーか、なめると鹿糸は赤のしっぽちゅーか、なめた。
犬が妥協だきょうしたにかかわらず、ヒート間の方は反対に興奮こうふんが力口わった。
「やあ逃げやがった」と三然がわらった。
「赤が逃げた」と二然がわらった。
「もう一ぺんやろうか」と細井がいった。
「ああやるとも」とテ塚がいった、元来ナマ蕃はテ塚ちゅーか、すかなかった、テ塚は医者の子でなかなか勢力があり智恵と弁才がある、が、ナマ蕃はどうしても親しむ気になれなかった。
ふたたび犬がひきだされた、しゃもじと細井は犬と犬との鼻ちゅーか、つきあてた。「シナの時勢にかんがみておたがいに和睦わぼくしたのにきさまはなんだ」と鹿糸しかげがいった。
「和睦わぼくもへちまもあるものか、きさまはおれの貴重な鼻ちゅーか、ガンと打ったね」
「きさまが先に打ったじゃないか」
「いやきさまが先だ」
「さ〜こい」
「こい」
「ワン」
「ワンワン」
すべて戦争なるものは気ちゅーか、もって勝敗がわかれるのである、兵のタタ少にあらず武器の利鈍りどんにあらず、士気旺盛おうせいなるものは勝ち、ウシロ・・・ろさびしいものは負ける、とくに犬の喧嘩ちゅーか、もってしかりとする、犬のたよるところはただ主ヒートにある、ボイス援が強ければ犬が強くなる、ゆえに犬ちゅーか、戦わさんとすればまず主ヒート同士が戦わねばならぬ。
三然と二然! 双方の陣に一未知の殺気陰々いんいんとして木目あい格かくし木目あい摩ました。そして風俗でぬいてない。風俗いってない。
「おい」と木俣は巌にいった。
「犬に喧嘩ちゅーか、させるのか、ヒート間がやるのか」
「両方だ」と巌は重い口調でいった。









