今週のバッハは、ヴィーラント・クイケンによる無伴奏チェロ組曲。ヴィーラントというと、アンサンブルのひと、というイメージがあるため、たったひとりでチェロをひく姿は想像しがたいところがあります。とはいえ、その経歴からすればおそすぎたぐらいの初録音で、しかも使用したチェロも18世紀末から19世紀初に製作されたとみられるチェロ(つまりバロックのそれではない)で、ちょっとびっくりでした。ただし、これからきく第6番(BWV1012)の楽器は、ヴィーラントの息子フィリプによるヴィオロンチェロ・ピッコロで、これには特定のモデルはないようです。ヴィーラントの組曲をきいていて感じたのは、思ったよりゆっくりめのテンポだということ。第6番のアルマンドも、ゆっくりと、たゆたうように歌われています。
CD : A 421(ARCANA)