アジアと小松

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小松基地問題研究会

私達の歴史認識と行動が問われている

2017年05月14日 | 台湾・八田与一
私達の歴史認識と行動が問われている  (2017年5月)

 去る4月16日、台湾嘉南大圳の八田與一像が破壊された事件について、当ブログですでに報告したが、その後5月8日に現地では厳戒態勢を敷いて、墓前祭がおこなわれた。

精神的な戦争準備
 日本では、八田與一を利用して、台湾の植民地支配の歴史を居直ろうとしている。自由社版歴史教科書の「八田與一」に関する記述には、
①「日本の統治下」については一言も触れず、
②工事中に、134人の死者が出ても、ダム工事を継続したのは、台湾の土地を甘蔗(砂糖)の生産地にし、日本の糖業資本のためであったことを隠し、
③歴史教科書でありながら、歴史的事実に基づかない「慰霊祭」をもって「歴史的事実」であるかのように装っている。
 このような教科書での自国史(植民地支配)の美化は精神的な戦争準備である。

植民地化時殺戮を謝罪し賠償せよ
 台湾では、八田與一を賛美する勢力(独立派)と八田與一を批判する勢力(反日派)に割れている。八田與一像破壊と墓前祭に関する台湾の新聞を見ると、「日本屠殺台湾人史実不可忘!(日本が台湾人を殺害した歴史を忘れるな)」「強烈要求日本政府向 噍吧哖事件道歉賠償」(日本政府に要求する。噍吧哖虐殺事件を謝罪し、賠償せよ)という横断幕を掲げてデモ行進がおこなわれている(石川TVの映像より)。

 台湾の多くの人々は、今も日本の植民地支配を忘れず、謝罪も賠償もしない日本に怒りを持っている。八田與一によるダム建設と、植民地化過程での台湾人民2万4000人の殺戮を帳消しにしてはならない。

 (注)「噍吧哖(タパニー)事件」とは1915年に台南庁噍吧哖(タパニー、現・玉井郷)で発生した武装蜂起。本島人による最後の抗日武装蜂起であった。事件に関連し逮捕検挙された者の総数は1957人、死刑判決を受けた者は866人。95人を処刑し、その他は減刑した。「道歉賠償」とは「謝罪し、賠償せよ」の意。

日本での報道
 地元紙は、八田與一像破壊事件以来、多くの紙面を使って八田與一の「功績」を強調し、日本による台湾植民地支配の歴史と実態を覆い隠す役割を果たしている。

 しかし、「破壊の動機」を報道せざるを得ず、李承竜元台北市議の発言を紹介している。「(台湾の一部の政治家が)日本統治時代の負の面に触れず、歴史を美化する傾向に怒りを覚え、やむなくやった」「当時ダムは大日本帝国の食糧問題解決の必要から建造されたものだし、多くの農民は日本統治による圧迫と搾取で苦しい面もあった」(4/25「北國新聞」)

 5月8日の墓前祭には「統一派(反日派)も約50人が『日本人は帰れ』などと叫んで、公園ゲートに詰めかけた」(5/9「北陸中日新聞」)と報じられている。

私達の歴史認識と行動
 5月8日の墓前祭で、山野金沢市長は「日本には、雨降って地固まる、災い転じて福となすという諺がある。かえって日台の信頼は深まった」と話したと報道されている。山野にとって、八田與一像破壊は「雨」であり、「災い」であり、否定すべきことなのだ。
 改めて確認しておこう。八田與一の美化は台湾植民地支配の美化・居直りであり、台湾人民への蔑視である。私達日本人の歴史認識と行動が問われている。

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