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小松基地問題研究会

本質を見失うな―ゴミ有料化問題

2017年03月30日 | 金沢市ごみ有料化問題
本質を見失うな―ゴミ有料化問題

 家庭ゴミ(下流)問題は上流(生産)から考える必要があります。資本主義社会はスクラップアンドヴィルドの社会で、大量にものが造られ、大量にものが捨てられています。それが家庭ごみや事業系ゴミとして、処理施設や埋め立て場に持ち込まれています。

 現在、上流から各家庭に大量のゴミが流れ着き、焼却や埋め立てをしていますが、本質的には下流だけでは解決が出来ない問題です。2年前に有料化問題が持ち上がったとき、私たちはゴミ問題の本質(上流)を追及する必要がありました。

当面の課題―事業系ゴミ対策
 そのうえで当面の課題として、上流から大量に流れてくるゴミをどうするのかについては、結局は分別し、最小限の処分と最大限の再利用を進めるしかないと思います。

 すなわち、行政の任務として、リサイクルシステムをきちんと設備することによって、処分量を極力抑えるべきところを、金沢市は「紙・ダンボールの行政回収システムをつくらない」とネグレクトしています(3・23経済環境委員会でのリサイクル課長答弁)。

 それから、家庭ごみばかりがターゲットになっていますが、山野市長就任後(2011年ごろから)事業系ゴミが年率3%で増えています。事業系ゴミの目標値(2024年度5.4万トン)をめざして減少させるための具体的政策(行政指導=勧告、受け入れ拒否など)が欠落しています。3・23委員会での環境局の答弁には、具体策はなく、努力を語るだけでした。また、環境指導課からは「(廃棄物減量計画書の提出については)行政指導にて改善を促しており、勧告及び受け入れ拒否をしたものはありません」(3/24)という回答でした。

西部センター訪問
 山野市長は住民説明会で「有料化して、ゴミを(14%)削減すれば、東部センターの建て替え時に20~30億円節約できる」と繰り返し話しており、3月28日、金沢西部環境エネルギーセンターを訪問し、山野市長の話を信じていいのか調べてきました。

事業系ゴミの増加で有料化の効果も相殺
 有料化で家庭系ゴミを14%(1.5万トン)削減して、8.9万トンにしても、事業系ゴミが今のペース(年3%増)で増えていけば、2024年度には9.1万トンとなり、2024年の目標点の総排出量(18万トン)は2015年度の17.7万トンを超えることになります。

 住民の犠牲(税の二重取り)で、14%削減しても、総排出量が減らないわけですから、結局焼却炉のコンパクト化は出来ません。市長が約束した「20~30億円の節約」は空手形なのです。

 西部センターの職員Aさんは「2015年度レベルの排出量(17.7万トン)のままでは、東部センターの焼却炉をコンパクト化できない」と言っていました(Aさんは山野市長に同行して説明会にたびたび出席していたそうです)。すなわち家庭系ごみを有料化して14%削減しても、事業系ゴミの減量計画を進めなければ、2024年までには総排出量は2015年レベルにまで逆戻りしてしまうので、焼却炉のコンパクト化はそもそも無理な話なのです。

逼迫しているわけではない
 職員Aさんは東部センターの建て替えについて、「まだ具体的なことは決まっていないが、稼働は2028(H40)年の予定」と話していました。2016年度の東西センターのゴミ処理量を「金沢市ホームページ→金沢市のゴミ処理体制→工場概要→維持管理状況(PDF)」で見てみると、毎月の処理量の一覧表が記載されています。1日あたりの処理量が記載されていないので、最も処理量の多い7月の処理量を31日で割って、1日の処理量を出すことにしました。7月の処理量は1.5万トンで、1日あたりの処理量は498トンでした(後日資料をいただく約束をしてきました)。毎日の収集量には多寡がありますが、西部センターには大きなピットがあり、3日分(約1000トン)を貯めておくことが出来るので、1日の焼却限度量(東西590トン)を超えて収集しても、翌日以降にまわせば良いとの話しでした。

政策課と現場の食い違い
 西部センターの処理能力は170×2=340トン/日で、東部センターは125×2=250トン/日です。東西合わせて590トン/日の処理能力があり、東部センターの焼却炉は老朽化(1991年設置)しているため、2028年稼働の予定で焼却炉を建て替えるそうです。環境政策課は「焼却炉2基設置か1基設置かの選択」と話していましたが、職員Aさんは「焼却炉1基設置はあり得ず、コンパクトな焼却炉の2基設置」と言っていました。政策課と現場でずいぶん認識の違いがあるようです。

 とりあえず、現場の判断を尊重して、「コンパクトな焼却炉2基設置(2028年稼働)」としておきましょう。稼働時期についても、政策課は2024年ごろのように言っていましたが、現場のAさんは「2028(H40)年稼働計画」とはっきりと言っていました。ここにも食い違いがあるようです。

 さて、「コンパクトな2基」の処理能力や費用についてはまだ決まっていないそうですが、西部センターの処理能力(日量340トン)や東部センターの現在の処理能力(日量250トン)よりも大きくはないと推測しています。

有料化なしでも、東部センターのコンパクト化は可能だ
 Aさんによると、金沢市内から収集してきたゴミは主として西部センターで焼却処分にすると言っていました。その理由は東部センターよりも売電価格が高いからだそうです。ですから出来るだけ、西部センターにゴミを集中しているそうです。

 また、現状程度(日量500トン以下)のゴミ量ならば、処理は十分出来るのですが、東部センターの焼却炉は1991年に設置したので、徐々に傷んできており、修理しながら使っているそうです。それでも、2028年まで十分に使えると言っていました。

 そこで、問題は2018年2月から何が何でも有料化して、家庭系ゴミを14%減らさねばならないのかということです。家庭系ゴミの目標値は9.7万トンであり、2011年(10.8万トン)以降徐々に減少し、2015年は10.4万トンでした。金沢市が紙・ダンボールの分別回収を実施すれば、確実に燃やすゴミは減少します。

 そして、事業者による不法なゴミ排出(資源ゴミや産廃の混入)にたいして、勧告・受け入れ拒否などで規制することによって、事業系ゴミを目標値(5.4万トン)に近づけていけば、家庭ごみ有料化は必要なく、また東部センターの焼却炉をコンパクト化することも可能です。

新自由主義による住民収奪
 ところが、山野市長はオオカミ少年よろしく、2024年ごろの建設時期に20~30億円を節約するために、今すぐ(2018年2月)にも有料化しなければならないかのようにあおりたてていたのです。まさにファシストやトランプの手口です。

 2024年の目標(総量15.1万トン)に向かって、家庭系ごみの更なる分別(紙、ダンボールの分別収集など)と、年率3%で増え続けている事業系ゴミを削減(分別の行政指導)していけば、東部センターのコンパクト化は十分に可能です。有料化などまったく必要ありません。加えて、スクラップ・アンド・ビルドで稼ぎ、ゴミを大量に排出している企業(上流)にたいする指導と規制をおこなうべきでしょう(最も本質的な対策)。

 山野市長は東部センターの建て替え費用のうち20~30億円を節約するためにと謳って有料化をごり押ししてきましたが、有料化によって年間4億円、10年間で40億円を市民から巻き上げるという、新自由主義的やり方であり、どうして首肯出来るでしょうか。
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