オルティス発言に見る野球に対する考え方

物議をかましているオルティス発言ですが、ジーターは大人の対応でしたね。
と言いますか、ＭＶＰと言うものにそれほど価値を抱いてないのかも？
勿論リスペクトはしてるんでしょうけど、この発言に彼のＭＶＰに対する考え方も含まれてるような気がします。

“Everyone has an opinion. That’s what makes the debate so interesting. I don’t know if you can make one general statement that applies to everyone or every year.”

これはオルティスの発言に対するものなんでしょうけど、ＭＶＰの選考についても皮肉を含めて発言してるような気がします。

実はオルティスの発言だって、ジーターに対するものではなく、ＭＶＰの選考基準についての一言だとは思うのですが。。。

彼の発言とは…

５０本塁打と後１０個余計にＲＢＩを稼いでも、ＭＶＰはポジションプレーヤーに行くのだろう。
彼ら（ＭＶＰ選考委員）はジーターだと思ってるんだろ？
彼は確かにいい仕事をしてる。
でも４０ホームランは打てないし、打点を稼ぐわけでもないだろう？

自分のチームにどんな貢献をしたかは関係ない。
４０本ホームランを打ち、１００点稼げる選手がチームを勝利へと導く。

勘違いしないでくれ。
彼は間違いなくいい選手で、いいシーズンを送っている。
でも彼のチームにはすごい選手が沢山いるじゃないか。
・・・・・・

個人的にはオルティスの発言も一理あるとは思います。
確かに５０本ものホームランを打てば、チームに対してかなり貢献してるといえるでしょう。
ＭＶＰの価値は十分だと思います。

でも…一方では脇役に対して配慮がない発言とも取れると思うんですが、いかがでしょ？
気になったのはこの言葉。

"Top to bottom, you've got a guy who can hurt you. Come hit in this lineup, see how good you can be."

Ｙｏｕはこの場合ヤンキースの対戦相手ってことでしょうか？

”this lineup”とはボストンのことなんですかね？

いずれにしても、ジーターがヤンキースの選手ではなく他の弱いチームの選手であったなら、ＭＶＰの対象にはならないだろうとの発言の趣旨だと思います。

オルティスがＭＶＰになぜこれほど拘るのか？
これはやはり昨年の選考の経緯が影響してるんでしょうね。
それと、この発言の中にうっすら感じられるのは、野球というゲームに対する考え方。

オルティスにとっては、プレーの中でどう自分を表現し、そしてどう自分が評価されるのかが最重要なのでしょう。
一方ジーターは、自分が高いパフォーマンスをするのは勿論ですけど、チームの勝利が最重要と感じているのだと思います。

ジーターの考え方は、或いは奇麗事と取れるかもしれません。
でも、野球というゲームの原点に帰れば、自然な考え方で、個人優先というのは亜流だと思います。
この考え方の違いが結果に現れたのは、ＷＢＣではないでしょうか？

勿論オルティスもチームの勝利を考えているとは思います。
いろんな状況から生まれたストレスが生んだ上の発言なんでしょう。
デーモンも彼の発言とは思えないと、語っていますし。。。

それと…生い立ちなども関係してくるのでしょうね。
オルティスの生活環境については知りませんが、生まれた国、或いは家庭が貧しい場合、野球はその生活から脱却するための一つの方法で、自分がいかにプレーするかが最優先になるのもしょうがないのかなぁ？と感じます。
この状況においてはチームが勝っても、自分がＭＬＢにスカウトされなければ、意味がありませんから。
またＭＬＢの中に於いても同じことが言えるでしょう。

でも一方では、こういう選手もいるから、ＭＬＢは魅力があるとも言えるんですけどね。
結局結論は、先に上げたジーターの発言になってしまうんでしょうね。