乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

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【クローズアップ2016】:都の中間報告 五輪、間に合うか

2016-10-01 04:00:10 | 地方行政、自治・住民自治・議会

【クローズアップ2016】:都の中間報告 五輪、間に合うか

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【クローズアップ2016】:都の中間報告 五輪、間に合うか

 東京都の都政改革本部の調査チームがまとめた中間報告は、2020年東京五輪・パラリンピックの計画の抜本的な見直しを提言した。大会経費が膨れ上がる中でコスト削減や情報公開の徹底は喫緊の課題だ。ただ、大会まで4年を切り、都や大会組織委員会はぎりぎりのスケジュールで準備している。施設整備の問題点だけでなく全体的な統括責任者の不在にも言及した内容に、関係者には戸惑いが広がった。

 ■抜本見直し混乱も

 「大会レガシー(遺産)が負の遺産にならないための客観的な分析です」。東京都の小池百合子知事は28日、開会した都議会定例会の所信表明で、中間報告を評価した。

 調査チームは大会経費が3兆円を超える可能性を指摘した上で、都が新設する3競技会場について抜本的見直しを迫った。いずれも今年1月に実施設計と施工を一括で行う業者が決定し19年完成予定。変更となれば、国際オリンピック委員会(IOC)や国際競技団体(IF)の承認を改めて受けなければならない。本番前には会場でテストイベントを行う必要もある。

 海の森水上競技場(東京湾岸)の代替施設とされた長沼ボート場(宮城県登米(とめ)市)については、都の担当者が「以前、会場の候補として新設施設と比較・検討し難しいと判断したはずだ」と提言に疑問を呈す。東京から350キロ離れているため選手村の「分村」が不可欠。観光客や選手の移動の負担が増し、警備費用が増大する懸念も出てくる。

 都幹部は「調査チームの指摘は勉強にはなるが、この時期になって再検討して、果たして間に合うのか」と不安をのぞかせた。

 これまでの会場変更でも交渉が難航した例がある。自転車会場だ。選手村に近い東京都江東区に仮設する予定だったが、静岡県伊豆市の既存施設への変更を検討。IFは集客面に有利な都心での開催を求めて反発したが、組織委は半年以上かけて説得し、昨年12月のIOC理事会でトラックとマウンテンバイク(MTB)の2種目の会場が伊豆市に決まった。選手村から離れているため、宿泊施設を借りて分村する計画だ。

 元東京都副知事で組織委の佐藤広・副事務総長は「さまざまな過程を経てできあがった状況がある。関係機関と相当丁寧にやっていかないと不信感だけが募りかねない」と話し、組織委としては小池知事の判断を待つ考えを示した。

 判断には迅速さも求められる。組織委は大会の予算計画を年内にIOCに提出する方針だが、「都の施設計画が変更になれば見直さなければならない」(組織委幹部)。会場整備が遅れれば今夏のリオデジャネイロ大会と同様、世界から非難を浴びる可能性もある。

 これに対し小池知事は29日のNHKのインタビューで「IOCやIFが錦の御旗(みはた)になっている時もある。信頼を失わない範囲でトライする価値はある」と述べ、懸念する都や組織委の関係者をけん制した。

 IOCは静観の構えで29日、「開催都市としての決定はされていない。組織委も現時点では何も公式見解は出していない」とした。【林田七恵、柳澤一男】

 ■司令塔不在、予算膨張

 中間報告は東京大会に関係する国、組織委、都のガバナンス(統治)の在り方にも言及した。

 「全体の予算の上限を決め開催計画をどう変えるかビジョン(展望)を打ち出す司令塔がいない。お金がいくらかかるか誰も計算していない。まるで社長や財務部長がいない事業だ」。調査チームの上山信一・慶応大教授は責任の所在が不明な体制を批判した。

 大会の準備や運営を担うのは組織委だが、都は開催都市として基本資金の97・5%に当たる58億5000万円を出資して債務を保証し、職員も33%の245人(8月1日現在)を派遣している。資金が不足した場合は都が補填(ほてん)するが、それでも足りない場合は国が負担する。

 上山教授は組織委を「何となく全体を代弁したレガシープラン(遺産の計画)を出しているが、開催総額も内訳も開示しない」と問題視する。組織委会長や都知事らで費用分担などを検討してきた「調整会議」についても「合議制で議長がいない。開催頻度も少なく機能していない」と、統率力の欠如を指摘した。

 中間報告は、都が都民に対する説明責任の立場から、組織委の出費や経営全般の在り方を指導、監督すべきだと指摘した。

 標的にされた形の組織委の森喜朗会長は29日午前の調整会議で、都の出資分のうち57億円を返す意向を小池知事に伝えた。地方自治法や施行令は自治体の出資比率が4分の1以上の団体に対し、その首長の調査権に応じる義務などを課しているが、返還が実現すれば組織委は対象から外れる。小池知事は「(返還の)合意はしていない」とした。

 「新国立競技場と同じ構図だ」。ある政府関係者は東京大会の運営を巡る体制について、こう指摘する。新国立競技場の旧計画は当初1300億円とされた工事費が2520億円に膨らんだ。原因は、責任の所在が不明確な体制にあった。

 東京大会に向け国、都、組織委の役割と資金の分担が不明確な点は、以前から指摘されてきた。3者は役割分担の見直しについて、実務者レベルで協議を続けているが、知事が代わり方向性は見いだせていない。

 元都副知事の青山〓(やすし)・明治大教授は「膨らんだ整備費はそもそもの試算に疑問があり、組織委にガバナンス能力はない。多くの人やお金を出す都が中心となって大会を仕切る責任を持つべきだ」と話した。【山本浩資、田原和宏、森健太郎】

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【クローズアップ2016】  2016年09月30日  02:43:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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