乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

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【大機小機】:本当のマイナス金利政策

2016-10-13 03:30:05 | 金融・財政ニュース

【大機小機】:本当のマイナス金利政策

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【大機小機】:本当のマイナス金利政策

 日銀は9月21日に量的・質的金融緩和政策の「総括的な検証」を公表した。発表文の内容は、今の黒田東彦総裁になってからの金融政策に関する文書に比べると歯切れが悪い。新たに打ち出した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」も、量的緩和とマイナス金利政策の限界に直面し、苦し紛れにした政策変更のように見える。

 金融政策は、伝統的な短期市場金利の誘導が行えるプラス金利の領域では相当の有効性が期待できる。だが短期市場金利が低下し、ゼロ金利制約に直面すると効果は非常に不確実になる。ゼロ金利制約の下で副作用の少ない量的緩和は、主に人々の期待に訴えかけて為替相場、株価、期待インフレ率に影響を与える政策であるためだ。

 2013年春に黒田総裁が極めて大胆な量的緩和を最初に実行したときは、為替相場と株価に大きな影響を与えることに成功した。この結果、デフレが止まり、景気は大きく回復した。しかし期待インフレ率にはあまり影響を与えられず、時間の経過にしたがって期待を経由した効果は減衰してきた。

 今年2月に実施したマイナス金利政策は、ゼロ金利制約を何とか乗り越えようとするものだった。しかし、実際にマイナス金利に向き合ったのは日銀に当座預金を保有する一部の金融機関だけで、家計や企業、外国人投資家などは相変わらずゼロないしプラスの利回りに直面している。

 確かに多くの国債の発行利回りはマイナスになっているが、それは日銀への転売を見込んでの価格付けがされたためだ。満期まで持ち続けてマイナス利回りを甘受するつもりの投資家はほとんどいない。

 本当のマイナス金利を実現するには、政府が価値を保証している現金、預金、国債、政府保証債などに対する低率での残高課税が必要となる。

 例えば預金や国債については、インフレ率が2%に達するまで残高に年1%を課税すればよい。これでマイナス1%の金利を実現できる。銀行券への課税は手間がかかりすぎるが、現金を電子マネーに置き換えて課税すれば容易にできる。

 本当のマイナス金利は日銀だけではなしえない。国会と政府による新しい課税の仕組みづくりが欠かせない。(山河)

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 特集 オピニオン 【大機小機】  2016年10月13日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

ジャンル:
経済
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