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【米大統領選】:「トランプ大統領」あり得る 市場、リスク回避急ぐ

2016-11-06 22:05:30 | 金融・財政ニュース

【米大統領選】:「トランプ大統領」あり得る 市場、リスク回避急ぐ ■現金積み増し、恐怖指数が急上昇

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【米大統領選】:「トランプ大統領」あり得る 市場、リスク回避急ぐ

 ■現金積み増し、恐怖指数が急上昇

 【ニューヨーク=山下晃】「トランプ大統領」は果たして誕生するのか――。投票日が迫った米大統領選に市場参加者が神経をとがらせている。私用メール問題の再捜査で民主党のヒラリー・クリントン候補の優位が崩れ、勝利の行方が分からなくなったためだ。ダウ工業株30種平均は4カ月ぶりの安値に沈み、投資家心理の冷え込みを映すVIX指数(恐怖指数)は欧州連合(EU)離脱を巡る英国民投票直後の水準に上昇した。

 「基本シナリオはヒラリー(・クリントン氏の勝利)だが『トランプ大統領』もありうると見ている。安全資産の比率を高めている」。ニューヨークの大手運用会社のポートフォリオマネジャーは、選挙直前の保有資産構成についてこう語る。

 「表だって支持を表明しないが、実は(共和党候補のドナルド・)トランプ氏に投票する人も必ずいる。普段投票に行かないが、今回はトランプ氏に投票するという人もいるだろう。接戦だとみている」。現時点でクリントン、トランプ両氏のどちらかの勝利を織り込むことは難しく、株式などを減らして現金を積みますリスク回避の投資行動が広がっている。

 バンクオブアメリカ・メリルリンチが世界のファンドマネジャーを対象に実施した調査によると、10月は運用資産に占める現金の比率が5.8%に高まった。これは2001年の米同時テロ時に並ぶ水準だ。

 FBNのジェレミー・クライン・チーフストラテジストは「英国民投票が事前の予想通りにならなかったことで(市場は)懲りている」と指摘する。投資家が株式を売る権利(プット・オプション)の確保に急いだ結果、米S&P500種株価指数のオプションから算出するVIX指数が急上昇。最近は不安心理の高まりの目安とされる20を上回る場面が目立つ。

 女性蔑視発言などが響き、トランプ氏は苦戦を強いられていた。アイオワ大学が運営する電子市場(IEM)の一つ「大統領選先物」では、10日ほど前まで民主党勝利の確率が90%前後に達していた。ところがメール問題の再燃を受け、足元では民主勝利の確率が急落して60%を割り込む場面があった。一時は10%を下回った共和党勝利の確率は40%まで回復した。

 トランプ氏の勝利の可能性の高まりは、市場参加者にとって最大の懸念材料だ。トランプ氏は財源が不透明なまま巨額の減税を訴えるなど政策運営が読みづらいうえ、排外的な姿勢が強く米経済の孤立懸念が意識されている。ウォール街のご意見番、ブラックストーン・グループのバイロン・ウィーン副会長は「彼の国内外の政策は型破りだ。トランプ氏が勝利すると先行きの不透明感は格段に強まるだろう」と指摘する。

 ただトランプ大統領が誕生した場合、追い風が吹くのが防衛産業だ。トランプ氏は米軍の増強を訴えており、軍事費の拡大が見込まれる。またトランプ氏は規制緩和による米エネルギー産業の再生を訴える。石油や石炭、天然ガス関連のビジネスにとっては経営環境の好転が見込まれる。

 株式相場全体をみれば、政策が予想しやすい「クリントン大統領」の誕生は好意的に受け止められそう。ただ業種によっては売りが加速する可能性もある。代表例が製薬業界だ。

 クリントン氏は中間層を取り込もうと高額薬の値下げに度々言及している。代表的なバイオ株の上場投資信託(ETF)の値動きをみると、クリントン氏の優勢が伝わった第1回テレビ討論会前の高値から足元では1割以上下げている。

 両氏ともに財政出動には積極的。クリントン氏の勝利は債券安(米金利の上昇)につながり、日米金利差の拡大がドル買い・円売りを誘う公算が大きい。政策運営の不透明感が払拭され投資家が運用リスクを取りやすくなることも、円売りが優勢になる要因だ。一方、トランプ氏の勝利も中長期的には米金利の上昇要因ではあるが、先行き不透明感の高まりから短期的にはリスク回避の円買いに傾きそうだ。

 ここにきて注目を集めつつあるのは、大統領選と同時に実施される議会選だ。米議会は現在、上院・下院ともに共和党が過半数を占めている。大統領選と同時に下院は全議席、上院は定数の3分の1が改選される。トランプ大統領が誕生して規律を度外視した大減税を主張しても「小さな政府」を志向する共和党が議会の過半を押さえていれば主張は通らない。

 「ブラックスワン」(実現する可能性は小さいが、実現すると影響が大きい出来事)として意識されるのが、クリントン大統領が誕生し、民主党が上下両院で過半数を占める「民主完全勝利シナリオ」だ。

 クリントン氏はリベラル派の支持を得ようと環太平洋経済連携協定(TPP)反対に転換。民主党の党綱領には最低賃金の引き上げや金融機関の規制強化が盛り込まれた。議会を共和党が押さえていればこうした政策が実現する可能性は低いが、民主党が多数派を占めるようになると「反ビジネス・反ウォール街」の法案が成立しやすくなるとの指摘は多い。

 今回の大統領選は両候補ともネガティブな印象が強いため「消去法の選択」と言われる。どちらが大統領に就任しても議会という「歯止め役」が必要だ――。大統領と議会が協力して政策課題に取り組むのでなく、議会には大統領にブレーキをかけることを期待する。そんな政治のねじれをむしろ歓迎する皮肉な展開のまま、11月8日の投票日を迎える。

 元稿:日本経済新聞社 主要ニュース 経済 【金融・財政】  2016年11月06日  13:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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