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【私見卓見】:金融緩和の「出口」、カギは財政健全化 ■加藤出氏

2016-10-13 03:30:20 | 【行政改革、行政の無駄の削減、財政健全化

【私見卓見】:金融緩和の「出口」、カギは財政健全化 ■加藤出氏 東短リサーチ社長

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【私見卓見】:【金融緩和の「出口」、カギは財政健全化 ■加藤出氏 東短リサーチ社長

 日銀がインフレ目標2%を導入し、異次元緩和を開始して3年半余り。今年2月にはマイナス金利政策を導入し、7月には上場投資信託の買い入れ増額などの追加緩和策を決めたが、インフレ率は思ったように上がらず、目標達成の見通しが立っていない。

 日銀は9月に「総括的な検証」を発表しインフレ目標の達成は事実上中期化された。私は目標の再検討が必要だと考えていたが、現実に対応した望ましい判断といえる。

 米連邦準備理事会(FRB)などインフレ目標を導入する他の中央銀行も2%を目安としているが、現在、目標を達成できている先進国はない。しかもどの中銀もある程度の「幅」でみており、他の経済動向を踏まえて柔軟に運営している。2%を無理に短期間に達成しようとすると経済や金融市場に大きなゆがみをもたらしてしまうからだ。

 しかしながら日銀は金融緩和を「インフレ率が安定的に2%を上回るまで続ける」と宣言した。1990年代のバブル崩壊以降、我々はそのような経験を持っていない。政策の長期化が予想される。黒田総裁が再任されて任期が2023年までとなっても出口は来ないかもしれない。

 日銀は10年国債の金利をゼロ%程度に維持する政策も決定した。日銀の金融調節(オペレーション)能力は世界でも最高レベルにある。当面は10年の金利をある程度誘導できるだろう。だが、出口のときは大混乱が起きるだろう。

 かなり先の話とはいえ、インフレが上昇して日銀がこの政策を止める時期が近づいてきたら、金融機関や投資家は「今のうちに日銀に国債を売り払っておこう」と考える。日銀はすさまじい額の国債を売り浴びせられるが、長期金利をゼロ%に維持するには買い続けなければならない。物価が上昇しているのに、逆にマネーを一段と供給するため火に油を注ぐことになる。

 しかも、国債の金利が低い状態が長く続いた後では、それに甘えて政府の財政規律は大幅に緩み、国債発行額が増えている恐れがある。そこで日銀という最大の購入者がいなくなったら国債市場のショックは計り知れない。

 本来、財政の信認が低下すると、市場でその国の国債の利回りは上昇する。しかし、日銀は国債をゼロ%に抑え込むため、その“警報”が市場から全く発せられない。このような政策を日銀が開始したため、財政健全化はますます重要になったといえる。

 「私見卓見」は有識者や読者の意見を紹介するコーナーです。個性的な洞察や時代を読むヒントになる投稿や寄稿を紹介します。経済に限らず、政治、国際、企業、社会など幅広いジャンルの問題を取り上げ、日本経済新聞朝刊「経済教室」面と電子版に掲載します。
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 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 特集 【オピニオン】  2016年10月13日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

ジャンル:
経済
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