乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【社説②】:生殖医療の進歩を生かすには

2016-10-01 03:30:40 | 【不妊治療・体外受精・代理出産】:

【社説②】:生殖医療の進歩を生かすには

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:生殖医療の進歩を生かすには

 米国の不妊治療病院が、「3人の親」から子を誕生させることに成功した。難病の原因となる細胞の異常が母から受け継がれるのを防ぐため、第三者の卵子も使った。日本でも実施の是非を議論し、ルール作りを急ぐ必要がある。

 子は5カ月たっても健康だという。母は細胞のエネルギー工場といわれるミトコンドリアに異常があり、過去に産んだ子は重い病気を起こした。新しい手法で病気を避けられるなら朗報だ。

 医師らは健康な女性から提供された卵子から核を除去し、代わりに母の卵子から取りだした核を入れて父の精子で受精させ、母の子宮に戻した。子は両親と女性の3人から生まれたといえる。

 近く米学会で発表の予定だが、論文はなく不明な点も多い。手法や結果は最大限公開してほしい。

 ミトコンドリアのDNAは母から子へ不規則に受け継がれる。異常なものが多いと神経系や運動機能などの重い障害を起こすが、根本治療の方法はなかった。

 新技術には課題も多い。卵子提供者のミトコンドリアが母の遺伝情報に予期せぬ作用をしないか、解明しきれていない。核を移植する際に、母の異常なミトコンドリアが混入する恐れもある。

 米国では1990年代、「卵子の若返り」を目的に若い他人のミトコンドリアを注入する例が相次いだ。一部で発達障害が出て、因果関係は明らかでないものの禁止された。今回の手法も類似点があり承認が得られないため、規制の緩いメキシコで実施された。

 一方、英国はミトコンドリア病を防ぐための核移植などを認めている。日本でも研究は進んでいるが法制度は未整備だ。日本産科婦人科学会などの指針もない。遺伝子治療のひとつとみなして規制する考え方もあるが、付け焼き刃の対応は好ましくない。

 生殖医療の技術進歩は速い。上手に生かせるよう、専門の承認機関がある英国を参考に安全性や倫理的、法的な課題を総合的に検討できる態勢を整えるべきだ。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年10月01日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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科学
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