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【私見卓見】:日銀保有の国債処理、特別立法で ■野村邦武氏

2016-10-13 03:30:25 | 金融・財政ニュース

【私見卓見】:日銀保有の国債処理、特別立法で ■野村邦武氏 元富士銀行常務

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【私見卓見】:日銀保有の国債処理、特別立法で ■野村邦武氏 元富士銀行常務

 日銀が異次元の量的金融緩和策で市場から吸収した国債はすでに400兆円を超えた。日銀保有の国債をデフレ脱却後にいかに処理するか、政府と日銀は国民に今から説明すべきであろう。

 想定しうる出口戦略のうち(1)デフレ下でも増税を強行し国債償還を急ぐ(2)超インフレを起こして償還負担を軽くする――という2案は、副作用が深刻で到底採れない。

 しかし政府が毎年5兆円ずつ償還しても80年はかかる。日銀が国債を市場に売り戻し始めると国債価格は急落し、金利が上昇して円高が進み、景気は失速する。一方、それを避け日銀が国債を持ち続ければ、デフレ脱却後の金利上昇で膨大な評価損が生じ、日銀の信用は失墜する。

 そこで異次元の発想で特別立法に基づく2つの案を提言したい。

 A案は政府に対し日銀が保有する国債の償還債務を免除し、日銀にはこの国債を新設する国債特別償却見返り勘定に移記させ、損失を計上することなく償却させる。

 B案は日銀が保有する国債を、無期限の永久国債に変換し、償還は任意とする。

 両案のいずれであれ、実施すれば巨額の国債を誰にも損失をかけずに処分でき、財政再建が一気に進む。国民も国債償還のために担う重い納税負担から解放される。日銀も出口で発生する国債価格暴落などの深刻なリスクを未然に回避できる。

 政府の借金の棒引きを認める提案は国の信認を損なうから許せないとの批判はあろう。しかし、対象とする国債は日銀の保有分だけで、その日銀は政府傘下の国家の一機関である。民間会計原則では親子関係の会社間の貸借を連結ベースでは相殺消去する。これに準じて同様な処理を政府と日銀の間で行うことは容認されて良いのではないか。

 なお日銀の国債購入代金の多くは預金勘定に滞留している(9月末で311兆円)が、これは本提案の実施後も残る。このインフレの火種は日銀の預金準備率の引き上げ等により未然に制御可能だ。

 今や国債発行残高は800兆円を超す。これは赤字国債や借り換え国債を特例法で解禁し、国会が年々の予算で承認して積み上げた結果である。私の提言はそのうち日銀が回収した国債を特別立法で消去して財政再建に道をつけ、デフレ脱却の更なる促進を図るものである。政府・日銀・国会議員の俊敏な対応に期待したい。

 「私見卓見」は有識者や読者の意見を紹介するコーナーです。個性的な洞察や時代を読むヒントになる投稿や寄稿を紹介します。経済に限らず、政治、国際、企業、社会など幅広いジャンルの問題を取り上げ、日本経済新聞朝刊「経済教室」面と電子版に掲載します。
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 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 特集 【オピニオン】  2016年10月13日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

ジャンル:
経済
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