乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【グローバルOutlook】:市場が身構える米大統領選の鬼門

2016-11-06 22:05:20 | 金融・財政ニュース

【グローバルOutlook】:市場が身構える米大統領選の鬼門 ■編集委員 滝田洋一

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【グローバルOutlook】:市場が身構える米大統領選の鬼門

 ■編集委員 滝田洋一

 鬼が出るか蛇が出るか。世界の市場関係者の関心が11月8日の米大統領選挙に集中している。クリントン、トランプ両候補が死闘を演じるなか、どんな結果が飛び出すか予断を許さない。

 トランプ候補が失速し、クリントン候補が地滑り的な大勝をする結果を、市場参加者は期待していた。米連邦捜査局(FBI)のコミー長官が、クリントン氏の私用メール問題に対する捜査再開を発表。ちゃぶ台返しが起きた。

 FBIショックは収束の気配がなく、為替市場では円高・ドル安が進んでいる。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は国家機密を親しい知人に漏らし、進退が窮まった。クリントン候補は、当選してもいないうちから、大統領としての資質が問われている。

 「大統領選はメール問題とガールフレンド問題の争いみたいだ」。米大手証券の元幹部は、米政治の手詰まりに苦笑をもらす。外交や経済政策をめぐる論争も、下世話な話題にかき消され、両候補の感情的な対立が浮き彫りにされている。

 クリントン氏が選挙人の過半数を制しても、その差がわずかなら、トランプ氏が選挙結果を受け入れるかどうか分からない。「メディアは腐敗し、偏見を持っている。結果の受け入れは、その時の状況を見る」。トランプ陣営が反旗を翻すようだと、市場の嫌う不確実性が募る。

 より深刻な問題は、大統領選がえぐり出した米社会の分断である。仮にトランプ大統領が誕生しても、米議会が歯止めをかけるので過激な主張の多くは実現しないだろう。クリントン大統領なら、もっと現実路線になるはずだ。そんな読み筋が一般的なようだが「トランプ氏よりまし」といった理由で、クリントン氏に淡い期待を寄せると、手痛いしっぺ返しを受けることになりかねまい。

 というのも今回の選挙で、エリザベス・ウォーレン上院議員ら民主党内の左派の力を借りているからだ。予備選でクリントン氏を追い詰め、自ら社会主義者を名乗るバーニー・サンダース上院議員。その支持者の動向も無視できない。

 環太平洋経済連携協定(TPP)の成立を目指す日本にとっては、大統領選の投票から新大統領の就任までの期間が、唯一のチャンスといってよい。日本政府は様々なチャンネルを使って米議会の議員たちに働きかけている。

 レームダック(残任)期間にTPPが米議会で批准承認されるかどうかは、予断を許さない。だがその間に批准承認が得られなければ、TPPは仕切り直しとなりかねない。

 クリントン候補は「自分の要求水準を満たさないため、大統領就任後も反対する」と述べ、トランプ候補からの批判の厄払いをしてきた。仮にクリントン氏が当選後に賛成に翻意したとしても、その代償は円高・ドル安の容認による労働組合への恩返しだろう。

 そんな先のことをいう前に、健康問題と私的メール問題を抱えたクリントン氏は、大統領としての指導力に疑問符が付く。市場関係者の共通認識が「弱い大統領」だとすれば、為替相場は折あるごとに揺れるだろう。

 気がかりなのは金相場が1トロイオンス1300ドル台を回復したことだ。リスクオフの金買いとなると、円にも上昇圧力がかかりやすくなる。今はただハラハラしながら選挙結果を見守るほかない。

 元稿:日本経済新聞社 主要ニュース マーケット 【コラム】  2016年11月06日  05:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

『北アメリカ』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 【わかりやすい時事解説】:B... | トップ | 【米大統領選】:「トランプ... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金融・財政ニュース」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。