乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

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【メディア時評】:辺野古裁判 足りぬ海兵隊の分析=屋良朝博・フリーライター

2016-10-01 04:00:00 | 在日米軍基地・再編問題・防衛・武器

【メディア時評】:辺野古裁判 足りぬ海兵隊の分析=屋良朝博・フリーライター

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【メディア時評】:辺野古裁判 足りぬ海兵隊の分析=屋良朝博・フリーライター

 米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設計画を巡り、辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した翁長雄志(おながたけし)知事を相手取った違法確認訴訟で、福岡高裁那覇支部は9月16日、国の主張を写し書きしたような判決を出した。米軍基地問題で司法は一線を越えた。

 重要な争点の一つは、米海兵隊の駐留地は沖縄限定なのかだ。裁判所は政府が従来説明する、沖縄の地理的優位性を全面的に認めた。

 そもそも軍隊に基地を与えるのは、政治であって地理ではない。この原則を忘れると軍の運用が優先され、民主主義が危うくなる。

 しかも判決の事実認定には首をかしげる。沖縄はソウルと台北からの距離がグアムより近いから比較優位がある、というのだ。比較対象をグアムに限定し、九州などを排除したのはなぜだ。あいまいな論理で基地集中を肯定する判決は、司法の中立性を失墜させる。

 2012年に日米が最終合意した在日米軍の再編で、沖縄の海兵隊は大幅に縮小し、司令部と小ぶりな機動部隊のみとなる。部隊は長崎県佐世保市にある艦船でアジア太平洋地域を巡回するため「留守がち」になる。佐世保はソウル、台北までの距離の和が沖縄より短い。鉄道に例えると始発駅が佐世保で乗車駅が沖縄、行き先はアジア全域。乗車駅は鹿児島や熊本でも運用に支障はない。

 この事実を裁判所は一顧だにせず、本土に移転できない理由として「戦後70年の経過や現在の世界、地域情勢」を挙げた。長年に及ぶ基地押し付けの既成事実を司法が追認した。これでは沖縄は収まらない。裁判所がそこまで言い切れるこの国の空気感が怖い。沖縄県は上告し、混迷はなお続く。

 新聞は読売新聞、産経新聞を除けば、おおむね批判的な論調。17日朝刊で毎日新聞の社説は「解決には対話しかない」、朝日新聞の社説は「それでも対話しかない」と主張した。ただ正論すぎて当事者(沖縄人)の評者は違和感を覚える。核心である海兵隊の詳細な分析記事を、これまで読んだ記憶がないからだ。分析なく論説は書けるだろうか。

 米政府は12年、海兵隊員約1500人の岩国基地(山口県)への移転を打診したが、日本側が拒絶した。だから地理ではなく政治の問題なのだ。海兵隊が1950年代に本土から沖縄へ移転したのも反基地運動という背景がある。「対話せよ」にとどまらず、一歩踏み込んだ分析が必要ではないか。(西部本社発行紙面を基に論評)

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【メディア時評】  2016年10月01日  02:30:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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