乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

日本の借金時計

2016-11-11 15:08:30 | 金融・財政ニュース

日本の借金時計

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:日本の借金時計

 ※日本の借金時計

 ◆未曾有の不況のなかで「借金時計」が意味すること

 こんにちは、財部誠一です。皆さん、借金時計のデザインが変わった事にお気付き頂けましたでしょうか。2009年4月にオフィシャルホームページのリニューアルに際し、借金時計のデザインも一新しました。
 借金時計の始まりは平成9年にまでさかのぼります。それから10数年の歳月が流れるなか、借金時計に対する賛否の声は時代とともに驚くほど過敏に変化してきました。世の中の空気が「財政再建」に傾けば借金時計への賛意が増えますが、不況になり景気対策として公共投資を求める声が高まると、借金時計などやめてしまえといわんばかりの罵詈雑言を匿名メールで送りつけてくる人たちが急増します。
 日本の長期債務は先進国に類を見ない、GDP比150%という異常な規模にまで膨れ上がっています。返すメドすらたたぬこの借金は、すべて私たちの子孫に付回しされます。現役世代にはこの異常な国家財政に対する責任があるのです。
 だからこそ私たちはいま、借金時計を強く意識する必要があると考えます。危機的な財政状況で行う公共投資は、単なる景気浮揚を超え、少子高齢化という恐ろしい人口構造の変化のなかでも、日本の経済成長を可能にする足がかりとなるような意義あるものにしなければいけません。借金時計がそのための小さな担保になればと願うばかりです。

 ◆どこからどこまでが日本の借金?

 ひとことで「国の借金」といってもじつはけっこう難しいのです。一般的には国の借金というと、過去に発行した「国債」の残高だと考えられていますが、現実はというと、国の借金ツールは国債だけではなく“借入金”もあるし、期間の短い債券(「短期国債」と呼ぶ)など、多岐にわたっています。
 つまりどこからどこまでを「国の借金」と考えるかといって、そうカンタンではないのです。 そこで、私たちは絶対に間違いがあってはいけないということで、普通国債の発行残高にのみスポットライトを当てることにしました。 「国の借金」=「普通国債の発行残高」であると定義づけして借金時計を創ったということです。 それは正確さをきすという点では大変すぐれているのですが、その分だけ借金の金額が小さくなってしまうという大きな欠陥がありました。
 こうした欠陥を修正し、日本の借金の全体像に限りなく近い借金時計にリニューアルしたい
 ―――― そんな想いから新しい借金時計は生まれました。
 名実ともに「日本の借金時計」といえるものとなりました。

 ◆「あなたの家庭の負債額」が意味すること

 「日本の借金」の数字は毎年増え続け、ついに1,000兆円を突破しました。日本の借金は、私たちが負担するものだといわれても、全く現実味のわかない数字にまで膨れ上がってしまっています。そこで、日本の借金を私たちの借金として、分かりやすくするために作ったのが「あなたの家庭の負債額」です。
 「あなたの家庭の負債額」は日本の借金を世帯数で割った数字になっています。「なぜ一人当たりの負担額ではなく家庭の負担額なのか」というご質問をよくいただきます。一人当たりの負担額ですと、まだ税金を納めていない赤ちゃんや子供たち、税負担のない高齢者も含まれてしまいます。そこでハーベイロード・ジャパンは、納税者=世帯主としました。「納税者の負担」を「家庭の負担」とすることで、より税負担の現実に即した形になるのではないかと考えました。借金額にリアリティーを持たせることで、私たちひとりひとりがタックスペイヤーとして当事者意識を持ち、自分たちが納めた税金が何にいくら使われているのか、財政を真剣に考えていただけると考えています。その理由から「国民一人当たりの負担」ではなく「家庭の負担」を選択し表示しているのです。
 ※国民一人当たりの負担額は約788万7000円(2014年4月1日時点)になります。
 
 ◆「借金時計」の仕組みはどうなっているの?

 ここでは借金時計の仕組をできるだけ単純化してお話しします。
 表1をご覧ください。

  表1:国及び地方の長期債務残高 (平成26年度予算案)
  (単位:兆円)
 財務省ホームページは→こちらからご覧下さい
(注)
 1. 表のデータは財務省ホームページより引用
2. GDPは、平成24年度までは実績値、平成25年度は実績見込み、平成26年度は政府見通しによる。
3. 2)東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源として発行される復興債(平成23年度は一般会計において、平成24年度以降は東日本大震災復興特別会計において負担。平成23年度 末:10.7兆円、平成24年度末:10.3兆円、平成25年度末:9.4兆円、平成26年度末:11.4兆円)及び、基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するための年金特例公債(平成24年度末:2.6兆円、 平成25年度末:5.2兆円、平成26年度末:4.9兆円)を普通国債残高に含めている。
4.平成24年度末までの( )内の値は翌年度借換のための前倒債発行額を除いた計数。平成25年度末、26年度末の( )内の値は、翌年度借換のための前倒債限度額を除いた計数。
5.交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金については、その償還の負担分に応じて、国と地方に分割して計上している。なお、平成19年度初をもってそれまでの国負担分借入金残高の全額を一般 会計に承継したため、平成19年度末以降の同特会の借入金残高は全額地方負担分(平成26年度末で33兆円程度)である。
6. 平成25年度以降は、地方は地方債計画等に基づく見込み。
7.このほか、平成26年度末の財政投融資特別会計国債残高は101兆円程度。

 これは国と地方の長期債務残高をまとめたものです(出所:財務省)。
 表1の数字はすべて兆円を単位とした、とてもおおざっぱなものですが、借金時計の考え方を説明するにはつごうの良い資料です。
 下から二列目(「国と地方合計」)の数字を見てください。
 これが国と地方をあわせた長期債務の合計金額です。
 平成25年度末に980兆円だった長期債務が、平成26年度末には1,010兆円にまで膨れあがっていくことがわかります。
平成26年3月31日 約980兆円 → → → <約30兆円の増加> 平成27年3月31日 約1,010兆円

 1年間で30兆円、日本の借金が増えるということです。
 つまり平成26年3月31日を借金時計の起点とし、そこに980兆円の数字をインプットします。そして一年後の平成27年3月31日には借金時計のカウンターが1,010兆円になるように時計のスピードを調整するのです。

1年 あたり 約30,000,000,000,000円
1日 あたり 約82,191,780,822円
1時間 あたり 約3,424,657,534円
1分 あたり 約57,077,626円
1秒 あたり 約951,294円

 こうして算出されたスピードにあわせて時計のカウンターが動くようにプログラムすれば借金時計のできあがりというわけです。

 ◆「借金時計」誕生のきっかけは?

 借金時計はひょんなことからはじまりました。
 平成9年のことです。
 当時、プレジデント誌の編集者だった岡本さんが米国から帰国したということで私の事務所に遊びにこられました。
 「財部さん、マンハッタンで面白いものを見つけましたよ」
 そう言って、彼が一枚の写真をだしました。
 それが“OUR NATIONAL DEBT CLOCK(財政赤字時計)”だったのです。

 上の写真がまさに、それです。
 まさに天の啓示(「天声」ではない)!

 じつはちょうどその時、私は衆議院の予算委員会に公述人として意見を申し述べるための準備に没頭しているところでした。しかも私の主張のひとつはまさに「財政再建」。まさにどんぴしゃりというタイミングだったのです。

 そこで上の写真を大きなパネルにして、予算委員会(平成9年2月21日)にもっていきました。その時の様子は官報(「第140回衆議院予算委員会公聴会議録」)に克明に記されています。
わざわざパネルを持ち込んだだけの効果はありました。
国会議員の先生方は眠そうな人もずいぶんもいましたが、予算委員会に取材に来ていたマスコミ各社からは、その後、かなりの問い合わせがありました。国の財政を立て直す第一歩は、やはり意識改革でしょう。

 地方にいくと「中央から予算をとってくるのはあたりまえ」という感覚が根強くあります。予算の配分の仕方や地方経済の実態を考えると、こうした反応を一方的に責めたてるだけでは問題が解決しないことは百も承知の上ですが、地域エゴの集積を延々続けていった先には、国の破綻しかないのだという意識転換はどうしても必要です。

 また税金の無駄づかいに対してもっともっと厳しい監視の目を国民ひとりひとりがもつこと、言い換えれば日本人一人一人が「タックスペイヤー」としての意識をもっと強くもたなければいけない。そのきっかけとして、ニューヨークの六番街に設置されているような「借金時計」を日本にも作ってくれませんか、というまさに陳情を行ったわけです。

 たまさかその公聴会では、経団連の今井敬会長(当時、新日本製鉄社長)も公述人として出席されており、「なかなか面白いアイデアですね」という感想も聞かせてもらい、私としてはまさに「我が意を得たり」という気分で帰路についたことをいまでも鮮明に覚えています。
反応は上々だったのです。

 ところが、借金時計を造ろうという気運はどこからも生まれてこない。機運どころか、しょせん公聴会などというものは「予算成立前の単なる儀礼にすぎない」という一般論のとおり、具体的な話はどこからもやってきませんでした。それもやむをえません。やはり言いだしっぺの自分たちが動かない限り、世の中が動いてくれるわけがないとうことで、知合いの国会議員から経団連などなど、さまざな機関にアプローチをしてみましたが、国の財政再建のために身銭を切ろうとか、汗をかこうという人は思いのほか少なく、借金時計設立計画は頓挫してしまいました。

 どうせ作るなら、銀座のソニービルか新宿のアルタあたりで大々的にお披露目をしたいなどという夢物語を私たちは考えていましたが、そこそこの規模の電光掲示板を用意すると千万円単位の資金が必要であることがわかり、私自身も借金時計設立計画は不本意ながら断念せざるを得ませんでした。

 そこに救世主が現われました。
 インターネットです。
 インターネットならただ借金時計が創れるし、多くの人にそれを見てもらうことも出来るじゃないか!
 こんな経緯で「日本の借金時計」は誕生したのです。

 もちろん、だからといってリアルな借金時計の設立をあきらめたわけではありません。パネルを持ち込んだ予算委員会から8ヶ月後の平成9年10月30日に、今度は衆議院の「財政構造改革の推進等に関する特別委員会」に参考人として意見を述べる機会がまわってきました。

 前回は米国の借金時計のパネルでしたが、今回の財政構造改革特別委員会にはもっとっ説得力のあるものを提示しよう。そう考えて、日本国会史上初めてラップトップのパソコンを持ち込んでプレゼンテーションを行ったのです。

 つまりホームページの借金時計を、財政構造改革特別委員会に出席している議員たちに直接、見てもらうのが一番です。百聞は一見にしかず、ですから。
前例踏襲主義の国会では、どんな些細なことであっても、前例のないことをやるには大変な時間と労力が伴うわけですが、この時は、衆議院のスタッフが本当に頑張ってくれて委員会の場にラップトップのパソコンを持ち込むことが実現でき、スタッフの皆さんには大変感謝をしています。

 しかし予想通り、国会の中からは借金時計を造ろうというエネルギーはいっさいわいてきませんでした。

 だがインターネットという情報発信手段を得たことにより、「日本の借金時計」は厳然たる存在として、日本の借金を刻み続けることが可能になりました。

 元稿:経済ジャーナリスト 財部誠一 【日本の借金時計】  2015年03月18日  13:14:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

ジャンル:
経済
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