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【日本の悪夢】:「トランプ勝利で朴槿恵辞任」が起こる確率はどれぐらい?

2016-11-08 06:15:40 | 国際・欧州・中東・アフリカ・北米・南米

【日本の悪夢】:「トランプ勝利で朴槿恵辞任」が起こる確率はどれぐらい? ■実現すれば、中国、北朝鮮の思うつぼ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【日本の悪夢】:「トランプ勝利で朴槿恵辞任」が起こる確率はどれぐらい?

 ■実現すれば、中国、北朝鮮の思うつぼ 

 ◆まさか一週間でここまで変わるとは…

 いよいよ米大統領戦目前である。選挙は州ごとに東海岸から西海岸へと行われるが、東海岸では、日本時間11月9日(水)午前8時から開票が始まる。

 先週に引き続き米大統領選の話であるが、先週の段階ではクリントン氏のメール問題の影響がまだハッキリしていなかった。しかし、先週の記事の執筆時に比べて、かなりクリントン氏へのダメージがあったようだ。

 過去2回の大統領選において、州別予測99%的中のネイト・レーダー氏(http://projects.fivethirtyeight.com/2016-election-forecast/)によれば、クリントン氏の当選確率は80%以上だった。しかし、その後のメール問題で、クリントン氏の当選確率は60%前半まで急落した。その急落スピードはこれまでにないものだった。

 本稿執筆時、クリントン氏の当選確率は60%台前半であり、依然としてトランプ氏より高いが、ちょっと予断を許さない状況になっている(下図参照)。

 もっとも、この一両日にはクリントン氏の当選確率は下げ止まっている。このあたりの事情は一体どうなっているのだろうか。

 米大統領選は、全米で投票して多くの投票数を得た者が当選するのではなく、各州で投票票し、その州で投票が多かった者が州の選挙人すべてを獲得する方法である。このため、全米全体での支持率はあまり意味がない。

 しかも、全米対象というものの、どのような地域で行われたものなのかもわからず、少ないサンプル数で行われた世論調査もある。こうした世論調査でどっちが勝つという予測をしても、さほどの意味はない。問題なのは、各州をどちらの候補がとるかである。

 本稿執筆時において、各種世論調査を総合したサイト「REALCLEARPOLITICS」(http://www.realclearpolitics.com/)によれば、全米選挙人538人中、クリントン氏は216人を固めているが、トランプ氏は164人だ。当選のためには270人が必要である。

 クリントン氏とトランプ氏の支持率の差が5%より小さいものを、"Toss Up"(コインを投げるときに、表か裏かは五分五分。つまり、接戦州ということ)として、それ以外は両陣営のどちらかが固めた州として、獲得する各州の選挙人を合計している。

 接戦州は、Florida (29)、Ohio (18)、Michigan (16)、Pennsylvania (20)、New Hampshire (4)、Maine CD2 (1)、Maine (2)、North Carolina (15)、Georgia (16)、Colorado (9)、Nevada (6)、Arizona (11)、New Mexico (5)、Iowa (6)の各州(かっこ内は選挙人数)である。

 ◆接戦州の行方を読み解く

 これらのうち、両者の差が2%以下ものを超接戦州として、それらの州がどうなるかを考えてみよう。

 超接戦州は、Florida (29)、New Hampshire (4)、Maine CD2 (1)、North Carolina (15)、Nevada (6)の6州で、それらの選挙人は55人である。これらの超接戦州を除くと、全米選挙人538人中、クリントン氏は268人を固めているが、トランプ氏は215人だ。

 これらの超接戦州は、まさに五分五分であり、コインの表裏のどちらが出るのかわからないように、現時点ではなんともいえない。

 もっとも、トランプ氏が勝利するためには、この6州のすべてに勝たなければならない。そんなに続けてコインの表を出すのも難しいだろう。ということで、クリントン氏の勝つ確率のほうがトランプ氏より高いわけだ。もっとも、選挙には流れがあるので、6州をすべて勝つ確率は、コインの表を6回続けるよりはるかに高い確率であるが。

 トランプ氏が勝つのは、超接戦州6州をすべて勝つ場合と、クリントン氏の優勢と思われている州で逆転勝利する場合であろう。接戦州のうち、クリントン氏が勝つと思われている州は、Michigan (16)、Pennsylvania (20)、Maine (2)、Colorado (9)、New Mexico (5)の5州である。

 開票は東海岸から行われていく。開票とともに、各テレビ局では出口調査から、各州でどちらかが勝つかの予測をしていく。

 トランプ氏が、超接戦州のFlorida (29)、New Hampshire (4)、Maine CD2 (1)、North Carolina (15)で勝って、その上でクリントン氏優勢のPennsylvania (20)で勝ったりすると、トランプ氏が大統領になる可能性がかなり出てくる。

 逆に、そうした展開でなければ、つまり、Florida (29)、New Hampshire (4)、North Carolina (15)のどれかでクリントン氏が勝てば、クリントン氏が大統領になる可能性が高くなる。

                                             【PHOTO】gettyimages

 両者が同数という可能性もある。超接戦州6州のうち、Maine CD2 (1)を除いてトランプ氏が勝利する場合だ。

 Maine(4)州では、勝者が選挙人2人を出し、残り2人は得票率に応じて振り分けられるが、3人はクリントン氏に入り、最後のひとりが超接戦になる。そこで最後の1人をクリントン氏がとると、クリントン氏とトランプ氏が268人で両者が同数となる。

 その場合は下院が大統領、上院が副大統領を選ぶ。両院ともに、共和党が多数をとっているので、トランプ氏が大統領になるであろう(トランプ氏を嫌って造反する可能性もなきにしもあらず)。 

 いずれにしても、こうしたことは、東部州の開票が進む、日本時間の9日(水)昼前後でわかるかもしれない。接戦になって、日本時間9日の夜中までずれ込むこともありえる。まあ、クリントン氏6割、トランプ4割の勝率というところか。

 なお、Ohio (18)州については、1900年以降の28回の大統領選で同州を制した候補が大統領に当選したケースは26回になる。2回の例外は、1944年民主党ルーズベルトと1960年民主党ケネディだけだ。今回もオハイオ州は接戦であるが、トランプ氏がとる公算が高いだろう。その意味で、今回の大統領選は「接戦」なのである。

 いうまでもなくクリントン氏のメール問題が、今回の接戦を演出した。これを率いたのが連邦捜査局(FBI)のコミー長官であるが、彼は元共和党員であるとされている。トランプ氏は、公開討論会で自分が勝ったら、クリントン氏を刑務所に送るといっているので、別の意味で今回の大統領選が注目されている。

 トランプ氏が米大統領になったら、「予想外の結果」ということで、株式市場や為替市場では一時的な混乱が起こるかもしれない。ここ数日見られているような、株安、円高が考えられる。

 ◆昼ドラより刺激的な朴槿恵問題


 もっとも、日本の政治・経済への影響という点からみれば、隣国韓国での朴槿恵大統領の窮地も負けず劣らず大きい。むしろ、朴大統領の場合、確実になにかが起こるという意味でより深刻である。

                                             【PHOTO】gettyimages

 連日テレビワイドショーで取り上げられているが、つまらないテレビドラマよりも面白い。なにしろ、①権力、②カネ、③ドロドロの人間関係という、わかりやすい3点セットがあるからだ。

 ①権力という点では、大統領というこれ以上ない権力であり、それが占い師に洗脳されていたかもしれないという極上のネタである。②カネでは、大統領権力を背景として巨額のダーティーなカネの動きがある。

 その中で、③ドロドロの人間関係については、朴槿恵(パク・クネ)大統領と友人の崔順実(チェ・スンシル)は親同士が知人関係でそれ以来の40年間のつきあいといい、崔氏の元夫が、朴大統領の元側近で2014年4月に起こったセウォル号転覆事故時に朴大統領と密会していたとされる。

 さらに、朴大統領を広告塔として利用していたのが、崔氏の愛人のイケメンであった(と報道されている)。一方、朴大統領に代わって、崔氏への資金提供を行っていたのが朴大統領の秘書官であるが、こちらは俳優の角野卓造似の庶民派である。これらの登場人物だけで、かなり面白いドラマが作れるだろう。

 ただし、日韓関係を考えると、ワイドショーのように面白がっていられない。朴大統領の支持率は5%、40歳未満の国民の間では1%という信じられない数字もでている。任期を1年4ヶ月も残しており、もはやレームダックどころの騒ぎではない。早期辞任もあり得る話だ。

 となると、トランプ氏が米大統領になり、朴大統領が辞任となると、東アジア情勢は猛烈に不安定になる。目先の朴大統領の政治不能を考えても、米韓両国がこの7月に合意した「THAAD(サード)」の在韓米軍への配備がどうなるのか。日韓でも、軍事情報包括保護協定「GSOMIA(ジーソミア)」の協議がやっと始まったばかりなのに、これもまたどうなってしまうのか。

 この協議は、4年前に協議を進めることで日韓間合意し、締結直前で韓国側がドタキャンした経緯があったが、それは慰安婦問題が背後にあるとされていた。その後、慰安婦問題も日韓合意を成したが、その韓国側の履行も怪しくなるうえ、それとともに、「GSOMIA(ジーソミア)」にも不透明感がでてきた。

 これらの日米韓の基本となる安全保障関係の揺らぎは、中国や北朝鮮の思うつぼになる。パワーバランスの崩れとなって、中国や北朝鮮の挑発行動を誘発するかもしれず、日本にとっては大きな危機といえる。

 トランプ氏の米大統領が4割、朴大統領辞任が5割以上の確率となると、両者が同時に起こる確率は2割以上になる。これは決して低くない数字なので、その備えも必要である。

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 国際 米国・大統領選・アジア・韓国 【担当:髙橋 洋一 経済学者・嘉悦大学教授】  2016年11月07日  09:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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