乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

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【緊迫する世界】:★(1)史上まれに見る泥仕合の米大統領選 

2016-11-15 15:06:10 | 国際・欧州・中東・アフリカ・北米・南米

【緊迫する世界】:★(1)史上まれに見る泥仕合の米大統領選 どちらが勝っても「分断の危機」

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【緊迫する世界】:★(1)史上まれに見る泥仕合の米大統領選 どちらが勝っても「分断の危機」

 ★(1)

 米大統領選は少し前まで、民主党候補のヒラリー・クリントン元国務長官が、共和党候補のドナルド・トランプ氏を余裕を持って引き離していた。激戦州以外のほとんどの州でクリントン氏が優勢で、「米国初の女性大統領誕生」は揺るがないとみられていた。

 ところが、FBI(連邦捜査局)が10月28日、クリントン氏の「私用メール問題」の再捜査着手を表明した。これをきっかけに、トランプ氏が一気にクリントン氏を追い上げ、米紙ワシントン・ポスト紙とABCテレビの世論調査(11月1日発表)では1ポイント逆転した。

クリントン氏と、トランプ氏は大接戦を演じている(AP)

  クリントン氏と、トランプ氏は大接戦を演じている(AP)

クリントン氏と、トランプ氏は大接戦を演じている(AP)

  クリントン氏と、トランプ氏は大接戦を演じている(AP)

 正直、投票日(米国時間8日)当日まで勝者は分からない。

 今回の米大統領選は、史上まれに見る泥仕合となった。ここまで誹謗(ひぼう)中傷合戦に明け暮れ、スキャンダルが投票直前まで噴出した選挙戦はかつてなかった。クリントン氏とトランプ氏のどちらが勝利しても、米国は著しく傷ついてしまったといえる。

 クリントン氏が勝てば、トランプ氏を熱狂的に支持している白人中間層や非エリート層は、クリントン氏に対して猛攻撃を継続するだろう。

 トランプ氏が勝てば、女性やヒスパニック、それにエリート層が一丸となって猛反発する。いずれにせよ、米国は「分断の危機」に直面する。共和、民主両党内の分裂・亀裂も深刻だ。

 米国のパワーの低下をみて、漁夫の利を得るのは「リビジョニスト国家」(=国際秩序を覆すことを試み、国際規範に挑戦する国家)である、中国やロシアである。

 中国の孫子は「戦わずして勝つ」ことを、ロシアのスターリンは「謀略」をもって上策とした。

 中国からすれば、クリントン氏とトランプ氏が醜聞を暴きあって、米国が自ら弱体化するのを見ていればいい。ロシアは大統領選に手を突っ込み、トランプ氏に加勢した。クリントン氏の「私用メール問題」は格好の謀略の手段となっている。

 米国の衰退は世界のパワー・バランスに大きく影響し、世界情勢は緊迫する。世界中の国々が、米大統領選の行方を固唾をのんで見守っている。

 顕著な例が、フィリピンのドゥテルテ大統領だ。南シナ海における米国のパワーの退潮を見越してか、さっさと中国にすり寄り経済援助を引き出した。典型的な「バンドワゴン現象」(=強い者に巻かれる)が、韓国に続いてフィリピンで起こっている。

 ここで肝心なのは、日本である。

 日本は、南シナ海や東シナ海で顕在化した米中両国のバランス・オブ・パワーの変化にどう対応するのか。日米同盟を強固にする一方で、米国離れをするフィリピンをつなぎ止める「要」として、当該地域の平和と安定を守る役割を担わなくてはならない。

 ■川上高司(かわかみ・たかし) 1955年、熊本県生まれ。拓殖大学海外事情研究所所長。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。著書に『「無極化」時代の日米同盟』(ミネルヴァ書房)、『「新しい戦争」とは何か』(同)など。

 元稿:夕刊フジ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2016年11月08日  15:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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